変種変量生産の需要増に応じる/FUJI

ガントリーロボット付きの複合加工機「 GYROFLEX T4000」

FUJI(3B12)は「変種変量生産と自動化」をテーマに、ワークを搬送するガントリーロボットを標準搭載した複合加工機「GYROFLEX(ジャイロフレックス)T4000」を披露した。今年4月発売したばかりで、展示会で披露するのは初めて。自動車業界の変種変量生産の需要増を受けて開発した。

最大回転速度が毎分4000回のワーク主軸を2つの加工室にそれぞれ搭載し、同時に加工できる。15本の工具が取り付けられるタレットも左右に配置した他、機械上部にも最大40本の工具を収納できる工具マガジンを搭載し、多様な加工を実現する。担当者は「変種変量生産に対応できる弊社初の複合加工機をアピールしたい」と話した。

「つながる」コンセプト押し出す/ミツトヨ

ミツトヨは測定機器のモックアップでジオラマを展示

ミツトヨ(2D08)のブースで一番目立つのが、生産ラインをイメージしてさまざまな測定機器のモックアップを配置したジオラマだ。測定データがつながることのメリットを提示し、さらには顧客とミツトヨがつながることで生み出せる可能性まで想像させる。もちろん、CNC画像測定機「クイックビジョンPro(プロ)シリーズ」をはじめとする豊富な新製品もそろえる。また、「つながる」や「スマートファクトリー」を分かりやすく伝えるオレンジ色の小冊子も配布している。

工具メーカーは協働ロボットをこう使う/富士精工

ロボット先端の黒い部分が3Dプリンターで製作したツーリング

切削工具メーカーながら協働ロボットのバリ取りシステムを参考展示したのは富士精工(2A13)だ。デンマークのユニバーサルロボットの協働ロボットの先端に、3Dプリンターで製作した自社開発のツーリングとバリ取り工具を搭載する。ツーリングを交換すれば搬送などにも対応可能だ。

また、センサー内蔵ホルダーも参考展示。X、Y軸の振動と温度センサーを搭載し、刃具の異常を検知して予兆保全に役立てる。トヨタ営業課の高橋一郎課長は「『省人化への未来挑戦』とのテーマを見ていただきたい」と話す。

卓上型!5軸加工機/NKワークス

サイコロ形状に加工する様子

多彩な海外製品を並べるNKワークス(3D03)は、家庭用の100V電源で簡単に稼働できる米国製の卓上型5軸加工機「POCKET(ポケット)NC」を目玉に据えた。

主軸がXとY軸方向に、テーブルがA、B、Z軸方向に動き、樹脂やアルミ、チタンなどの幅広いワークの加工ができる。メーカーのウェブサイト上で、Gコードやワークの情報を入力すれば、切削シミュレーションもできる本格的な5軸加工機だ。

「卓上の3軸加工機はこれまでにもあったが、これほど本格的な卓上5軸加工機は珍しい」と担当者は話す。教育機関や試作向けに販売実績がある。

会場では、ブルーワックスと呼ばれる樹脂素材のブロックやアルミをサイコロ形状に加工するデモを披露した。ポケットNCの周りには人だかりができ、驚きの声を上げていた。

【驚きのワーク】1mm角の微細なサイコロ/微細加工工業会

さまざまな微細加工のサンプルワークを展示する微細加工工業会(1B46)では、1mm角で最小穴0.09mmの小さなサイコロを披露した。溶接加工を得意とする静岡県富士市のマツダが製作した。高精度なレーザー切断と、サイコロの12辺に、幅0.05mmの溶接を施す技術で、微細なサイコロも組み立てられる。さらに拡大して映したかったが、記者の撮影技術ではこれが限界だった…。

1mm角で、最小穴0.09mmの小さなサイコロ

【会場でもらった!】エコバッグ/シチズンマシナリー

トートバッグを開いた状態(画像中央)と畳んだ状態(画像左下)

シチズンマシナリー(3D20)ではエコバッグを配布している。

シックで落ち着きのある色遣いは大人の上品さを演出する。また、畳むことでスマホ大のサイズになるため、持ち運びもしやすく使い勝手が良い。同社ブースではこのエコバッグに加えてクリアファイルと製品パンフレットを来場者に配布する。それらが入っている紙袋から漂う高級感にも注目だ。

ツール交換しながらロボットでバリ取り/日東工器

 日東工器(1C37)はブース内に3台のロボットを設置する。ファナック製ロボットを使ったシステムでは、ハンドチェンジャーでワークハンドリング用のハンドやロボット用ベルトサンダー「ベルトン」などを付け替えながら、バリ取りをイメージしたデモを披露した。「来場者からの反響は大きく、ロボットや自動化への関心は高い」と中日本支社の中川原清隆販売推進課長は言う。

※この記事の再編集版は公式メディア「robot digest(ロボットダイジェスト)」にも掲載予定

環境・二酸化炭素削減をアピール/SMC

 SMC(1A58)は「地球環境最適化宣言!」を掲げ、二酸化炭素(CO₂)排出量の削減につながる空圧機器のエア消費量低減を提案する。例えば圧入作業などの自動化に最適な空圧シリンダー「エンドパワーシリンダ」をアピールする。この製品はピストンロッドに「アシストシリンダ」と「出力シリンダ」の二つの出力機構がつながっており、ストロークの大半はアシストシリンダのみで駆動し、ストロークの最後5mmだけ出力シリンダーの出力も加えることで、強い押し込み力を生み出す。会場では、従来機種の3分の1程度の空気消費量で同等以上の出力を出すデモを披露している。その他会場では、自社の製造工程での CO₂ 削減の取り組みなども動画で紹介する。

自動爪交換システムを初披露/豊和工業

 豊和工業(3D17)はチャックの爪(ジョー)を自動交換する「オートマチック・ジョー・チェンジャー・システム(AJS)」を初披露した。チャックの爪を自動交換できるほか、交換後に振れ測定や、ワークの着脱もできる。
 ロボットがチャック上の爪を移動してロックを解除し、爪を外してストッカーに移動。別の爪をストッカーから取り出してチャックに装着する仕組み。ワークをつかむ把握力や精度の測定もできる。
 「自動車産業を中心に注目されている」(説明員)という。

【驚きのワーク】「D」をダイナミックモーション技術で

ゼネテック(1D15)のブースでは、9月にバージョンアップした3次元CAD/CAMソフトウエア「Mastercam (マスターキャム)2022」を使って加工したサンプルワークを見ることができる。独自の加工軌跡で加工効率と工具寿命を両立する技術「ダイナミック・モーション・テクノロジー」をアピールするもので、ダイジェット工業のバレル工具や、大昭和精機のツールホルダーを使い、共通する頭文字の「D」の形状を削り出した。「このワークの加工工程を説明する動画も用意しているので、ぜひともブースに見に来てもらえれば」とプロダクト・マーケティング部の長谷川葵氏は話す。