ロボットがシール材を貼る

富士スピードウェイを模したコース上にシール材を貼るロボット

これまで人の熟練技術に頼っていた、自動車部品や家電などに使用される柔らかい「シールスポンジ材」の貼り付け作業をロボットで自動化しました。

自動車部品メーカーの豊臣機工が中心となって開発したロボットシステムを使い、曲線や曲面など複雑な形状へのシール貼りの作業や自動切断などを実演します。ロボットとの競争を通じて、シール貼りの速さや正確性などを体験できるコーナーも用意しています。

傷の深さまで見える検査機/JUKI

傷の深さまで検査できるハイブリッド検査機 「HE1000」

MECT初出展のJUKI(1A24)は、2次元(D)カメラによる外観検査に加え、3Dレーザーで傷の深さまで検査できるハイブリッド検査機 「HE1000」を披露した。

照明の照射角度を最適にしながら独自の2Dカメラで高速撮影した後、XTIA(クティア)社の光コム技術を採用した3Dセンサーで10μmレベルの傷まで検査できる。自動車や船舶、建設機械のエンジン部品や、金属の機械部品など幅広い用途を見込む。

会場では、自動車エンジンのシリンダーブロックとの接続部、シリンダーヘッドの端面を約1分で検査するデモを見せた。「カメラとレーザーを融合した検査機は業界初。従来は目視や、複数の装置を使って時間がかかっていた検査を自動化し、検査時間を大幅に短縮できる」と説明員は話す。

工具の良さはワークが語る/日進工具後藤弘治社長

日進工具の後藤弘治社長

景況感も新型コロナウイルス感染状況も、本当に良いタイミングで展示会を迎えられた。まだ会期3日目だが、すでに事前の目標を超える成果を得ている。引き続きアピールしたい。

今回は加工分野や用途ごとにブースを区切って展示した。さらに各工具で加工したワークも一緒に展示した。やはり、工具の性能や特徴は加工したワークに現れる。ワークも展示することで、工具の実力を実感できる。ぜひ、工具だけでなくワークも来場者のプロの目で見てほしい。

【驚きのワーク】鷹視眈々/アイジーエヴァース

DMG森精機の5軸加工機で製作した「鷹視眈々」

存在感のあるサンプルワークを発見した。アイジーエヴァース(1C50)が製作した、躍動感のあるタカだ。作品名は「鷹(よう)視眈々」で、四字熟語の「虎視眈々」のトラをタカに変えた。「MECT会場を上から見つめて、チャンスを伺うタカをイメージした」と説明員は話す。

DMG森精機の5軸加工機で、最も難しい先端の翼から切削抵抗を低減しながら加工した。アルミ素材を60時間かけて製作したという。DMG森精機が主催する「切削加工ドリームコンテスト」で受賞した。

MECTに出展するのは初めて。「自動車部品の加工で培った、さまざまな材質や分野での加工技術力を来場者にアピールしたい」と説明員は意気込む。

機上測定も工程内計測も一連で自動化

MECT2021でのレニショーの展示

レニショー(2D20)は、小型MCへのワーク供給から加工前のワークの位置検出、加工後の機上測定、搬出後の工程内計測を一連にしたロボットシステムを展示した。

特に機上測定では、一般的な接触した位置の測定だけでなく、ワークに沿わせて測る「倣い測定」もできる。連続した計測データを取得でき、変位量の推移も簡単に分かる。

切れ味鋭い7色の小径ドリル/サイトウ製作所

サイトウ製作所の新製品ルーマドリル「ADR-DLC/ADRL-DLC」

サイトウ製作所(2A07)は、今年4月に発売した小径のルーマドリル「ADR-DLC/ADRL-DLC」を展示した。ダイヤモンドに模した炭素のコーティング(DLCコーティング)を非常に薄く施した。切れ刃の厚さが厚くならないため、切れ味はコーティングの無い工具と同等ながら、溶着しにくい工具表面を実現した。

斉藤之宏専務は「一般的なDLCコーティングでは黒光りするが、この製品は非常に薄くできたため7色に光沢する。ぜひ現物を見てほしい」とアピールする。

公式媒体「月刊生産財マーケティング」もぜひ!

「月刊生産財マーケティング」を手に取る来場者

会場の正面入り口にある大きなモニュメントの横では、今回展の公式媒体「月刊生産財マーケティング10月号」を無料で配布しています。

月刊生産財マーケティングは、工作機械や関連機器のマーケティング誌で、最新技術やメーカー各社の販売戦略など、ものづくりに携わる方々に有益な情報が満載です。ぜひお手にとってお読みください。

キーワードは高能率/住友電気工業

高送りカッター「DMSW」型

住友電気工業(2C18)では、高送りカッターの「DMSW」型を展示する。複数の円弧が連なった複合円弧形状の切れ刃を採用。小さい切込みと大きい切込みを両立し、1刃当たりの送り量は最大3.5mmと高能率加工が可能。布目令名古屋市販グループ長は「高能率加工ができる高送りカッターは自動車部品加工に役立つので今回の一押し」と話す。

「サガネ係長…」を積極PR/日進製作所

ホーニング盤メーカーの日進製作所(3D16)はモノのインターネット(IoT)を導入したシステム「サガネ係長のIoT」のPRに躍起だ。
 「サガネ係長のIoT」は生産ラインの不稼働要因をリアルタイムで把握し、現場で取り組むカイゼン活動の質と量を高め、生産性を向上できる。現場を管理する係長目線で、業務効率や生産性の改善を支援するシステムだ。
 設備のメーカーや新旧を問わず、設備の様々なデータを集めて稼働状況を管理できるのが特徴。昨年の日本国際工作機械見本市(JIMTOFオンライン)で公開したが、今回のMECTでは、来場者に直にアピールした。
 担当する奥村大課長は「国内の設備投資需要が本格化する前に、知名度を高めたい」と意気込む。