■開催規模と愛知県の製造品出荷額等の推移
MECTの出展募集が昨年12月5日に締め切られた。当初、2月28日まで出展募集の受付期間を予定したが、申し込み小間数が募集定数に達したため前倒した。昨年11月から募集を開始し、約1カ月での満小間発表。こんなに早く締め切られるのは過去最短のことだ。
今回展の申し込み状況は始まった時から好調で、開始2日で100社を超えた。2015年10月に開催した前回展の出展状況では、募集開始時期が違うため単純な比較は難しいが、12月5日時点で196社677小間。今回展の早さが分かる。
最終的な小間数は、1915小間の前回展と同等の開催規模になる見込みで、正式な発表は6月ごろになる。1900小間規模での開催は過去開かれた15回のうち、07年展と前回展の2回しかなく、どちらも来場者数は9万人を超えた。今回展も盛況が予想される。
一方、通常小間の申し込みが多数あったことで、先月同コーナーで紹介した中小企業の出展を支援する「中小企業支援ブース」の募集定数を最大30社から10社へ変更した。その上で、定数に達するまで募集を続ける(12月5日現在)。
MECT2017は、今年開かれる工作機械見本市では国内最大級となる。毎回8~9万人の来場者が訪れる展示会だが、日本国際工作機械見本市(JIMTOF)のような「国際展」というよりは、地域産業の発展を目指した「地方展」の特色が濃く、地域産業に合った出展の傾向が強い。前回展の来場者を見ても約半分が愛知県、東海3県(愛知、岐阜、三重)で見ると7割ほどを占めた。
会場内には工場から直接来たと思われる作業着姿の来場者も見られ、多くの出展者は、加工現場に近い要求に応えられるような製品や提案、特に自動車産業に向けた展示をした。
開催地の愛知県は製造業が活発で、同県によると14年の製造品出荷額は43兆8313億円で全国の約14.4%を占める。特に大手自動車メーカーやそのサプライチェーンの拠点があることからも、輸送機械が高い割合を占める。前回展の来場者も業種別で見ると「自動車・部品」が26.8%と最も多かった。
また前回展では、難削材加工の効率を高めたり、付加製造(アディティブマニュファクチャリング、AM)などの新技術を付けた複合加工機など、航空機産業向けの製品も目立った。「航空機・部品」の来場者の割合は2.3%と低かったが、今後20年間で民間航空機が倍増すると予想される注目産業だ。さらに中部は14年時点で国内での航空機部品生産の半分を占めるなど航空宇宙産業の集積地でもある。
(月刊生産財マーケティング編集部)
ニュースダイジェスト社が発行する設備財関連の専門誌。2014年で創刊50年の節目を迎えた。世界の業界情報。国内外の工作機械展レポート、最新の工業統計など資料価値も高く、業界から高い評価を得ている。