MECT2017のセミナーは18日に「自動車」、19日に「航空機」、20日に「宇宙」をテーマに開催すると決まった。今回展でも、テーマを代表する有名企業や機関に対して講演を依頼。より専門性が高く、充実した内容になるセミナーを目指す。
自動車と航空機は、毎回セミナーテーマとして取り上げられるが、そこに今回は、宇宙が加わる。
MECTのセミナーで宇宙をテーマにするのは、09年展以来のこと。当時のセミナーでは澤岡昭大同大学学長が「日本の技術で、日本人を宇宙へ!」、舞原俊憲京都大学名誉教授が「宇宙と工作機械~夢の30メートル望遠鏡」、石川隆司宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事が「航空宇宙機器を支える先端複合材料の開発」について講演した(肩書はいずれも当時)。
宇宙関連は近年、注目される産業だ。先月の同企画でも説明したとおり、米国をはじめとした先進国で民間企業からの参入が活発になっている。日本国内でも人工衛星や小型ロケットの製造に乗り出す中小、ベンチャー企業も現れた。政府は昨年11月、民間宇宙開発の枠組みとなる「宇宙活動法」「衛星リモートセンシング関連法案」の2つを成立させた。これにより民間企業によるロケットの打ち上げを促進する狙いがある。
宇宙産業に関心を持つ企業からは「宇宙はこれからの産業で、未知の分野。気になるが分からない所が多い」や「研究開発する大学や研究機関と連携する方法や、将来的にどんなニーズがあるかを知りたい」などの疑問の声が聞かれる。
官から民へ、大きな変化が予想される宇宙産業をチャンスと見る企業は多い。今回展のセミナーでは、09年展のような研究開発に重点を置いた内容ではなく、よりビジネスに近いものにする考え。そこで、実際に宇宙産業へ参入した企業の講演を検討中だ。
地域性を生かした自動車や航空機産業のセミナーは、毎回企画され、多くの聴講者が参加する。会場では、講演企業や団体の最新技術や取り組み、それぞれの市場動向について発表される。
過去のセミナー傾向を見ると、自動車が最も人気があり、事前登録も早々に締め切られるほど。中部は自動車関連の仕事を受ける企業が多く、セミナーに対しても「国内の市場が縮小するなかで、製造現場のありかたについて知りたい」や「新材料や技術、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)など、新しい波に乗り遅れないように、さまざまな情報が欲しい」などの期待する声も聞かれた。
また航空機に対しては「航空機メーカーからのコストダウン要求やグローバル競争の中での日本の役割はどうなるか」や「国内の航空機産業の将来性、重工メーカーのニーズや動向を知りたい」など、部品メーカーからの意見があった。
自動車
航空機
宇宙
など
(月刊生産財マーケティング編集部)
ニュースダイジェスト社が発行する設備財関連の専門誌。2014年で創刊50年の節目を迎えた。世界の業界情報。国内外の工作機械展レポート、最新の工業統計など資料価値も高く、業界から高い評価を得ている。