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開催まであと9ヶ月!コンセプトゾーンの準備進む

開催まで9カ月を切り、徐々に今回展の概要が決まり始めた。毎回1号館でブースを構える主催者企画展示のコンセプトゾーンでは、今回のテーマを「宇宙」に決定。会場内で発表する加工内容や展示物の準備と進む。

今回展は「宇宙」がテーマに

MECT2017の主催者企画「コンセプトゾーン」では「宇宙」をテーマにすることが決まった。それは宇宙産業が現在、大きな変換機にあるからだ。

これまで宇宙関連産業は宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの国と関わりのある機関が進めてきた。しかし近年では、民間企業からの参入が活発だ。昨年12月にはキヤノンが宇宙ロケット事業に参入を発表。エイチ・アイ・エス(HIS)とANAホールディングスは、宇宙機開発のベンチャー企業PDエアロスペース(名古屋市緑区)と、宇宙旅行をはじめとする宇宙輸送の事業化に向けて資本提携した。他にも人工衛星や小型ロケットを製造するベンチャー企業も現れた。

また、これまでの国産ロケットにも変化が見られる。「H2A」や「H2B」を製造する三菱重工業は、後継機とする「H3」を2020年度に打ち上げる計画で、その費用は約50億円とH2Aの半額を目指す。

宇宙に関連する事業と言ってもなじみが薄いが、日常生活をする上で関わりのあるものも多い。例えば、スマートフォンの位置情報やカーナビゲーションなどにも使用される全地球測位システム(GPS)も人工衛星を利用したものだ。日本航空宇宙工業会によると、2015年度の国内宇宙関連事業の生産高は3198億円(予測値)で、年ごとに増減はあるものの、おおむね上昇傾向にある。

今後、ロケットや人工衛星の製造費、打ち上げのコストを抑えるにあたり、構造の簡素化や、構成部品の低コスト化、軽量化が必要となる。それに伴い、加工ワークや製造方法にも影響することが考えられる。

新しい企業が次々と参入する宇宙市場で、必要な加工や技術は何か。今回はコンセプトゾーンでは、宇宙関連に携わるベンチャー企業が設計した最新の人工衛星で使用された主要部品の加工実演のほか、ロケットエンジンに関わる技術を会場で披露する企画を計画中だ。

国も民間参入を後押し

■世界宇宙産業の市場規模の推移

世界宇宙産業の市場規模の推移のグラフ

(内閣府宇宙開発戦略推進事務局資料より)

宇宙産業は世界的にも成長を期待される産業の一つだ。内閣府が昨年発表した資料「宇宙産業の現状と動向について」によると、世界の宇宙産業の市場規模は毎年増加傾向にあり、2014年で2000億ドルを超えた。

国内でも同産業への取り組みは積極的で、2015年12月には首相官邸で「第11回宇宙開発戦略本部会合」が開かれ、具体的な取り組みを示した「宇宙基本計画工程表」を決定した。会合に参加した安倍晋三首相は「生産性革命において、宇宙分野を柱の一つとして推進。民間による宇宙開発利用を支援する」と強調する。

また、MECT開催地の愛知でも航空宇宙産業の成長に期待しており、11年には国際戦略総合特区「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」の指定を受けた。国立の研究開発法人のJAXA名古屋空港飛行研究拠点を始め、多く大学や研究機関が同県に集結する。

(月刊生産財マーケティング編集部)

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