MECT特派員

スラッジ検知用のセンサーを開発

センサーを容器上部に付けるとクーラントが濁っていても後ろのランプが点灯しない(=写真左)が、下部に付けると堆積したスラッジに反応し、ランプが点灯する

ろ過装置メーカーのindustria(インダストリア、1B11)はMECT2019で、クーラント内のスラッジの堆積を検知するセンサーを発表した。このセンサーと主力製品のろ過装置「フィルスター」を組み合わせると、タンク清掃のほぼ要らないクーラントタンクを作れる。このコンセプトを具現した、ごみの排出を自動化したタンクも展示する。

担当者は「わが社の顧客は金属加工に限らず幅広い。このセンサーは、クーラントが油性でも水性でも、スラッジが金属でも樹脂でもセラミックスでも反応する。開発には相当苦労した」と話す。

MECT特派員

津田駒、自社製品使った自動システム披露

自社製の傾斜多軸円テーブル「TWMシリーズ」と協働ロボットを組み合わせた自動化システム

津田駒工業(1D07)は、昨年1月から開始したロボットシステムインテグレーション事業「TRI」をアピールした。自社の傾斜多軸円テーブル「TWMシリーズ」とファナックの協働ロボットを組み合わせた、ワーク着脱の自動化システムを披露した。

TRIの特徴は、ロボットだけではなく搬送装置や周辺機器まで含めた自動化システムを一貫して担える点。「一気通貫で対応できるのが強み」とコンポジット販売・サービス・企画課の市川博課長は語る。

MECT特派員

シュンクが柔軟な協ロボシステム

パレットチェンジシステムを使えばロボットの移設が簡単にできる

シュンク・ジャパン(1D61)は協働ロボット用ハンド「Co-act(コ・アクト)グリッパー」とマシニングセンタ用のパレットチェンジシステムを使い、台湾のテックマン・ロボットの協働ロボット「TMシリーズ」を核とした自動化システムを提案した。

TMシリーズの特徴は、ビジョンセンサーが標準で搭載されていること。目印になるマークを設け、それを読み取ることで、ロボットの位置補正が簡単にできる。シュンクのパレットチェンジシステムを使ってロボットの位置を変えても柔軟に運用できる。小間では、ばらばらに並べられたサイコロを、正しい位置と順番に並べ変えるデモを披露した。

MECT特派員

付け直しても高い把握精度を再現、北川鉄工所

次世代スタンダードを掲げる北川鉄工所の 「BRシリーズ」

北川鉄工所(1B63)の「BRシリーズ」は、把握精度(T.I.R)0.01mm以下の高精度チャックだ。特殊形状の「Tナット-Plus(プラス)」でジョーを固定することで、一度ジョーを外して付け直しても高精度な把握を再現でき、段取り替えの手間を軽減できる。「『次世代スタンダード』を掲げる製品」と吉川公博営業推進室長は話す。

MECT特派員

工作機器の技術を生かす、三共製作所の自動バリ取りシステム

工作機器の技術を生かした三共製作所のバリ取りシステム

 三共製作所(1B07)は、ロボットの先端にバリ取り工具を付けた自動バリ取りシステムを展示する。ロボット側に水平スライド軸を設け、ワークは円テーブルに固定することで、アームが短い小型ロボットでもさまざまな方向からバリ取りができる。円テーブルなどの自社技術を生かした。

MECT特派員

【活躍する女性説明員】ワーク着脱の確認を簡単に イマオコーポレーション

イマオコーポレーション(1C64)の技術開発課の高井亜紀さんは、磁気センサーを使ってワークが着脱されているかを確認できる「エアダウンクランプ(センサー対応)」の組み立てに携わった。ワークがちゃんとクランプできていれば、緑のランプが点灯する。「磁力が弱いとセンサーが感知しづらく光が弱くなる。これを改善するのに試行錯誤した」と話す。同製品は参考出展で、来年2月に発売する。

MECT特派員

二村機器でセンター組み立てに挑戦

組み立てを体験できるミニ回転センター

旋盤の加工でワークを支え、振れを防ぐ保持具「回転センター」を製造する二村機器(1D18)で、組立作業を体験できる。長さ4cm、直径1.5cmほどのミニ回転センターで、内部にベアリングを組み込み、実際にセンター部分も回転する。 組み立てたセンターは 記念に持ち帰りもできる。
 作業は①ベアリングに円すいの状のセンター部分の軸を挿入し②挿入したセンター部分を本体軸部分に挿入③本体部の穴に金属ストラップを通す――の、わずか3工程で完成するが、うまく垂直に挿入しないと、センターが回転しにくくなる。
 二村忠宏社長は「多くの方に実体験してもらえるよう、たくさん用意した。回転センターを身近なものと感じてほしい」と話す。

MECT特派員

新構造で高速回転が可能に、THKのボールねじ

一番奥が新構造の BSM

THK(1A61)は、工作機械用のボールねじの新製品「BSM」を会場で披露する。新たな鋼球循環方式を採用し、従来以上の高速回転に対応できる。「ボールねじの許容回転数は鋼球の径などを元にしたDN値で表すが、従来のDN値13万からBSMでは17万まで高めた」と説明員は話す。

日本精工、日々の点検に一押し製品

日本精工(1B18)の一押し製品は、ベアリングの日常的な点検に使うワイヤレス振動診断器「BD-2」。ベアリング搭載部分にマグネットで設置し、専用のタブレットに振動データを転送して異常がないか診断する。

また、ブースでは小型ベアリングの組み立て体験もできる。他の展示会でも人気の高いコンテンツで、MECT2019でも多くの来場者が楽しんでいる。

MECT特派員

ハインブッフはマンドレルで段取り短縮

マクソス六角ピラミッド型内径マンドレル(左)とギア加工用マンドレル

ハインブッフ(1D19)は新製品のマンドレル「マクソス六角ピラミッド型内径マンドレル」を展示する。丸形テーパー形状ではなく六角ピラミッド形状を採用。高い伝達トルクとクランプ力を持ち、さらに六角形にしたことで、切りくずの侵入を防ぐ。

またギア加工用のマンドレルは、本体ごと交換する内径チャックで、簡単に取り替えが可能。ロボットなどによる自動交換にも対応する。