MECTでは、通常ブースとは別に「中小企業支援ブース」を用意する。11年展から始まり、中小企業の初出展を支援するものだ。スペースは通常小間3000×3000mmに対して2000×2000mmとやや狭いものの、料金は通常26万円(税別)のところ8万円(同)。非常に低価格で出展できるにも関わらず、通常小間と同じく9万人を超える来場者へ自社の技術や製品をアピールできるのが魅力だ。
過去にMECTへの出展経験がなく従業員数が30人以下であることや、1小間以上の申し込みができないなどの条件もあるが、机やいすを含めたパッケージブースを用意。展示会の出展経験が少ない企業でも、気軽に出展できる。
中小企業ブースでは毎回、大手企業では見られない各社固有の製品が展示される。
前回展でも10社が出展し、多くの来場者から注目された。東京都大田区の弘機商会は、中部地区の自動車メーカーに向けた組み立ての提案をするため、リベットの先端をつぶして固定するかしめ機を出展。浜松市中区の内山刃物は、切りくずの排出性を高める独自形状の溝を付けることで加工効率を向上させた車両用の樹脂部品向けエンドミルを展示した。内山刃物からは「反響は良く、引き合いもあった。次回も出展したい」と話す。
注目が期待できる中小企業支援ブースの募集は30社まで。募集定数に達した時点で打ち切られる。
今回の出展申し込みは、前回と同様に非常に早いスピードで進んでいる。11月から始まった出展募集は、わずか2日で101社356小間となった。前回展が10月から募集を始めたため、単純な比較は難しいが、開始2日目で28社。今回展がいかに早いのかが分かる。前回展も予定期日よりも前に出展募集を締め切った経緯があり、早めに出展を申し込む企業が現れたのだろう。
近年、MECTの認知度や展示会としての位置づけが高まっている。出展企業や来場者からは「日本国際工作機械見本市(JIMTOF)のない年はMECT」などの声が聞こえるほどだ。
注目される理由の一つが、中部での開催にある。中部はトヨタやホンダなどの自動車メーカー、デンソーやアイシン精機をはじめとする自動車部品メーカーの集積地だ。出展者もそうした企業にアピールする場として利用。会場に最新製品を展示し、会を大きく盛り上げる。そのため来場者数も上昇傾向にあり、各企業のなかでMECTの重要性が高まったと考えられる。
(月刊生産財マーケティング編集部)
ニュースダイジェスト社が発行する設備財関連の専門誌。2014年で創刊50年の節目を迎えた。世界の業界情報。国内外の工作機械展レポート、最新の工業統計など資料価値も高く、業界から高い評価を得ている。