機械、機器、人――。名古屋市港区にある名古屋国際会議場(ポートメッセなごや)の全館が、出展者や出展物、そして来場者に埋め尽くされた。2015年10月に開催されたMECT2015では、開催前に来場者が入場の列を作り、4日間で9万4000人以上が来場し、過去最多を記録した。
MECTは西暦奇数年に開催され、全国の工作機械・機器メーカーや商社が一堂に会する。多くの出展者が集まるのは地域性も大きく関係するだろう。開催地の中部は、トヨタやホンダなどの自動車メーカー、デンソーやアイシン精機をはじめとする自動車部品メーカーの集積地としても有名だ。出展者もそうした企業に向け、最新製品を展示し、会を大きく盛り上げる。
「出展者・小間数と来場者数推移」の図を見てもわかる通り、毎回8万人以上が足を運ぶ展示会となる。来場者は、中部だけでなく全国の部品加工メーカーから参加する。
そんな全国から注目される展示会が、来年の10月に開催予定だ。今年11月から出展募集が始まった。2017年に開かれるFA関連の展示会では国内最大級の規模を見込む。
来場者数は11年から13年、15年と増加傾向が見て取れる。17展でも多くの来場者の参加が予測される。
来場者を職種で見ると設計や製造、生産技術が約半分を占める。出展者からは「製造現場に近い相談事や要望が寄せられるのが魅力」との声もあった。前回出展者に聞いたアンケートでは、15年展への出展について「満足」「普通」を合わせると、93%を占めた。さらに80%以上が「次回も出展したい」と回答。中部での知名度の向上だけでなく、市場調査でも展示会は大きな役割を果たしているようだ。
また出展者だけでなく、来場者からも「満足した」との声が7割ほどあった。来場の目的の多くは、展示会で発表される新製品の情報や資料の収集だ。さらに業界動向の調査や新製品購入などが挙げられる。会場内では展示物の前に立つ説明員の説明を熱心に聞き入る来場者の姿があちこちで見られた。
会期後には「数多くの新製品を間近に見ることができ、刺激を受けた」や「予想以上の盛況ぶりで正直驚いた」などの感想も寄せられた。
(月刊生産財マーケティング編集部)
ニュースダイジェスト社が発行する設備財関連の専門誌。2014年で創刊50年の節目を迎えた。世界の業界情報。国内外の工作機械展レポート、最新の工業統計など資料価値も高く、業界から高い評価を得ている。