展示だけでなくプレゼンも
MECT2025では新たに中小・スタートアップゾーンを設ける。その名の通り、従業員50人以下の中小企業と会社設立から10年以内のスタートアップ企業が出展する。いずれの企業もMECTの出展は初めてだ。
ゾーン内には展示コーナーに加えて、プレゼンテーションコーナーが設けられる。会期中は毎日、出展企業のプレゼンテーションが行われ、各出展企業の製品や技術、サービスについての紹介を聞ける。
-見どころ紹介-
2025.8.1
“十社十色”の多彩な提案
今年最大級の工作機械見本市「メカトロテックジャパン(MECT)2025」では、中小企業やスタートアップ企業がブースを構える「中小・スタートアップゾーン」を第1展示館に新たに設ける。工作機器やソフトウエア、部品加工など、10社が多岐にわたる提案をする。今回は同ゾーンの概要や出展各社の出展内容、意気込みを紹介する。
MECT2025では新たに中小・スタートアップゾーンを設ける。その名の通り、従業員50人以下の中小企業と会社設立から10年以内のスタートアップ企業が出展する。いずれの企業もMECTの出展は初めてだ。
ゾーン内には展示コーナーに加えて、プレゼンテーションコーナーが設けられる。会期中は毎日、出展企業のプレゼンテーションが行われ、各出展企業の製品や技術、サービスについての紹介を聞ける。
出展企業の1社であるイレイズグループ(愛知県豊田市、江原祥太社長、1S01)は、自動車部品の一貫生産をはじめ、専用機の設計や電気工事、ロボットのシステム構築など多岐にわたる事業を展開する。金属や樹脂を加工するトーコー(同)、受注や販売を担うイレイズ(同)、設備設計やロボット事業を手掛けるイーシングス(同)の3社で構成され、2022年にグループとして始動した。
「部品加工から専用機の設計、ロボットの導入まで幅広く対応できる」と語るイレイズグループの江原祥太社長
加工部門は社内で切削加工や溶接、研磨、測定の各種設備をそろえ、多品種少量生産から量産まで対応する。24時間体制での特急品の加工や短納期対応が強みだ。
昨年11月には初となる海外拠点を中国に設立。ベトナムにも今後生産拠点を設立する予定だ。江原社長は「納期にゆとりがある案件はコストを抑えられる海外生産が好評。お客さまの要望に合わせて提案できる」と胸を張る。
また、部品や設備の設計には3Dモデルを活用して作業の効率化を図る他、受注状況や納期遅延を全社で可視化するなど、デジタルトランスフォーメーション(DX)にも積極的に取り組む。
今回展では3Dモデルを活用した生産方法や近年注力するロボットシステムのデモなどを展示する予定だ。江原社長は「中部地区のお客さまは引き合いの確度が高い。わが社の認知度を高めるとともに、製造現場の困り事に幅広く対応できる強みをアピールしたい」と力を込める。
REVOXの宮季高正CEO(=写真右)と徳村大樹COO(=同左)
スタートアップ企業として出展するREVOX(レボックス、静岡市清水区、宮季高正最高経営責任者<CEO>、1S04)は、製造現場のDX推進を支援するクラウドサービス「SellBOT(セルボット)」を開発、販売する。プラスチック部品を加工するプラポート(同区、同社長)から分社化して、21年11月に設立された。
セルボットは人工知能(AI)技術を活用して2D図面を検索する「類似図面AI検索」を中核とした月額制のクラウドサービス。図面を比較した時の差分を表示する機能や、図面データを基に見積もり作成をアシストする機能、AIが図面に書かれたテキストを自動抽出する機能などもそろえる。
宮季CEOは「プラポートで自分自身が実際に経験した課題に基づいてセルボットを開発した。属人化しがちな図面検索や見積もり作成、調達、設計などの各種業務のDXを実現する」と強調する。22年7月に正式発売して以来、既に100社以上の導入実績があるという。
今回展ではセルボットの特徴を来場者に大々的にPRし、認知拡大につなげる構えだ。徳村大樹最高執行責任者(COO)は「セルボットは製造現場の実ニーズに即したソリューション。MECT2025を通じて中部地域のユーザー層を広げたい」と期待を寄せる。
また、それ以外の出展者の出展テーマやアピールポイント、出展内容を上記表にまとめた。表の他にも三矢工業(愛知県安城市、杉浦貴史社長、1S02)やセイワ工業(京都府久御山町、東憲彦社長、1S05)、PiLink(横浜市港北区、能方研爾CEO、1S06)、ワクタ(愛知県犬山市、和久田博丈社長、1S07)が出展する。来場者にとり中小・スタートアップゾーンも新たな“激アツ!!!!”を発見できる場となるだろう。
MECTでは中部地域と関わりが深い自動車、航空機産業を中心にキーパーソンを招き、各分野における最先端の事例や将来像を紹介するセミナーを毎回開催する。次回はセミナーの登壇者や講演テーマの紹介を通じて、セミナーならではの“激アツ!!!!”に迫る。
本連載はMECT2025公式メディア「月刊生産財マーケティング」とのコラボ企画です。
MECT2025の出展者情報の他、恒例の主催者企画展示(コンセプトゾーン)や会期中に開催されるセミナーといった激アツな見どころをお届けします。また本連載は月刊生産財マーケティングにも掲載されます。
ニュースダイジェスト社が発行する工作機械を中心にした設備材関連の専門誌。世界の業界情報や国内外の工作機械展レポート、最新の工業統計などを掲載する。
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