27年には世界で100兆円近くに

医療機器産業は、世界的に高い成長率が見込まれる分野である。英国の調査会社、フィッチ・ソリューションズの最新の発表によると、2023年の世界の市場規模は約5176億ドル(約76兆900億円、1ドル=147円で換算)となった。
今後も世界の人口増加や先進国の高齢化、技術革新などで、27年には約6543億ドル(96兆1800億円)に成長すると予測されている。この予測を基にすれば、18年から27年の年平均成長率(CAGR)は5.9%に達する。これは、世界の主要産業の中でも高い成長率を誇る。
国内に限っても、23年の約256億ドル(3兆7700億円)から27年は約380億ドル(5兆6000億円)に達する予測だ。18年から27年のCAGR は3.7%とされている。世界の数値よりは下回るものの、堅実な成長が見込まれる。
そして何よりも、景況の波が少ないのが、魅力的な産業だ。
そんな状況もあり、経済産業省は今年6月に医療機器産業の成長に向けた戦略「医療機器産業ビジョン2024イノベーション創出及び事業化支援戦略」を発表した。有望な開発品を持つベンチャー企業から、オリンパスやテルモといった大手まで支援する。技術やアイデアを持つ新興企業と大手の医療機器メーカーをつなぎ、革新的な製品の開発を後押しする。