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OSG、新発想の異形工具を参考出展

粗取り用のポリボール(手前)と仕上げ用のポリボール

オーエスジー(2B24)は、新発想の複合R(半径)形状異形工具「PolyBall(ポリボール)」を参考出展した。見た目はボールエンドミルに近いが、複数長さのRでボール全体のRを構成しているのが大きな特徴だ。例えば、粗取り用のポリボールでは60mmのRと1.2mmのRを組み合わせ、6mmのボールを模擬的に構成した。Rが6mmのボールエンドミルと同じように使えるが、実際は6mmよりも大きなRで加工しているため、面粗度の向上や加工時間の短縮を実現できる。

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【記者はもらった!】登録してもらえるガチャこま 日本特殊陶業

小間内での登録でこまがもらえる

日本特殊陶業(2D02)は、今年の12月から始めるツールホルダーのレンタルサービスの会員登録を、MECT初日からスタートした。同社小間で登録をした来場者には、「ガチャガチャ」などと呼ばれるカプセルトイに入った金属製のこまがもらえる。こまは2種類を用意する。

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内山刃物、工具評価に注目集まる

「工具の性能評価の取り組みが、同業他社からも注目されている」と話す内山文宏社長

切削工具メーカーの内山刃物(2A26)は、独自開発のレーザ加工機で製作した直径3.6mmの90枚刃ボールエンドミルなどの製品展示だけではなく、静岡県磐田市にあるR&Dセンターでの切削試験や工具の性能評価の取り組みも紹介した。

今回で3回目のMECTだが、多くの工具メーカーが小間を構える2号館への出展は初めて。内山文宏社長は「工具の性能評価の取り組みが、同業他社からも注目されている」と話す。

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【工具】ドンと来い、工具の悩み!

小間には特殊工具が展示される

CJVインターナショナル(2B25)は、加工の要望に応じて形状を作る特殊工具を製造する。加工時間の短縮や工具寿命を延ばすなど、顧客の困りごとを聞きながら設計する。

そのため「製品も見てもらいたいが、それ以上に来場者には製造現場で抱える加工や工具の悩みを持ってきてほしい。その課題を解決できる提案を用意する」と担当者は自信を見せる。

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【工具】難削材の溝入れに新提案

チタン加工用の溝入れインサート「システム224」

 ドイツの溝入れ工具メーカー、ホーン(2B16)は先月ドイツで開催された「EMOハノーバー」で発表した新製品を紹介する。特に注目はチタン加工用のインサート「システム224」だ。航空機のジェットエンジン部品や医療用ボーンスクリューの加工に向く。チタン以外の耐熱合金の加工にも使えるという。日本での総代理店であるIZUSHIの永岡衛HORNプロダクトマネージャーは「インサートのクランプ方式など独自技術で圧倒的なクランプ剛性を実現している」と自信を見せる。

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碌々産業、イワタツール岩田社長をアーティストに認定

碌々産業の海藤満社長(左)とイワタツールの岩田昌尚社長(右)

碌々産業(3C08)は5月9日、イワタツール(2B13)の岩田昌尚社長を、微細加工に関わる独自の認定制度「エキスパート・マシニング・アーティスト」に認定し、会期2日目に自社小間で表彰式を開いた。岩田社長は「わが社が微細加工向けの小径工具を開発するようになったのは、碌々産業がきっかけ。その碌々産業から評価されるのはうれしい」とコメントした。

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ブルームが画期的な工具測定

プレゼンに大勢の来場者が興味を示す

 ブルーム-ノボテスト(2C25)はレーザー工具測定システム「LC50-DIGILOG(デジログ)」と解析用ソフトウエア「LC-Vision(ビジョン)」を展示し、画期的な工具測定ソリューションを提案した。

 デジログとは、デジタル信号とアナログ信号を融合した同社独自の技術。この技術を取り入れたLC50-デジログは、工具径や工具長だけではなく刃先の振れも測定できるのが最大の特徴だ。また、LC-ビジョンは測定データを可視化して解析するソフトで、刃先形状のモニタリングなどを実現する。小間では定期的にプレゼンテーションし、大勢の来場者の関心を集めた。

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【工具】兼房の工具でワークにくぼみを

切削加工でくぼみを作る

兼房(2A25)の出展するディンプル加工用タイリング工具は、マシニングセンタで切削するようにくぼみを付けることができる。

これまではレーザーや金属粉を噴射するショットピーニングで加工していたが、同社が2年前に工具での加工を提案した。高速で加工できるうえ、均一にくぼみを作れ、自由曲面にも対応する。

摺動(しゅうどう)面にくぼみを付けることで摩擦の軽減や油だまりの機能を得られるため、自動車の燃費向上などに生かせる技術として注目される。

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【出展者の声】刃数を増やし生産効率高める 兼房(2A25)

注目製品と渡辺将人社長

金属加工向け工具では後発で、ダイヤモンド工具や刃具のろう付け技術など、自社の強みを生かして製品を作っている。今回展の見所は「ろう付けフェイスミル」と「マイクロ3Dブレーカ付PCDリーマ」。刃物交換式の工具に比べて多く刃具を取り付けられるろう付け工具で加工速度の向上を提案する。兼房独自の製品群を見てほしい。(兼房の渡辺将人社長)

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【出展者の声】出展者も来場者も次の山を見据えて 三菱日立ツール(2A12)

想像していたよりも来場者は多い。今、景況感は良くないが、次の山は必ずやってくる。それに備えてわが社は、好況時に欠品した製品を中心に在庫を増やしている。出展者が次の山を見据えて、先端技術や製品を展示するのは当然。さらに来場者も次の山に備えているのか、生産効率向上や新素材向けの製品に注目する。金型向けブランド「モルディノ」の認知度も上がってきた。部品加工向けも含め加工品質や生産効率向上をアピールしたい(三菱日立ツールの菊池仁社長)。