今年最大級の工作機械見本市「メカトロテックジャパン(MECT)2021」の事前来場登録が9月1日に始まった。セミナーの聴講予約も受け付けている。また、注目の一つは自動化だ。会場での主催者企画「コンセプトゾーン」では「未来を変える新時代の自動化」を展示する。
事前登録と入場券発行を
MECT2021の事前来場登録が9月1日に始まった。今回展では、新型コロナウイルスの感染拡大予防の観点から、主催者は入場証を事前に発行の上、持参して来場するよう呼びかける。従来と方法が異なり注意が必要だ。公式サイトの特設ページ(https://mect-japan.com/2021/visitor/toroku/)で来場登録を受け付ける。
同日にはセミナーの聴講予約も始まった。会期中には連日、テーマを設けて講演を開く。
初日の10月20日は自動車だ。「新時代のクルマづくり」をテーマに、トヨタ自動車と日産自動車から講師を招き、各社の取り組みを紹介する。トヨタ自動車は話題の「カーボンニュートラル」、日産自動車は国内でいち早く取り組む「自動車の電動化」についての講演を予定する。
2日目は航空機をテーマに据えた。今回のコロナ禍で低調が続く航空業界だが、世界大手のボーイングは現状と今後をどのように捉えているのか注目だ。また、岐阜大学に本部を置く航空宇宙生産技術開発センターの取り組みを紹介する。近隣の名古屋大学などの研究機関だけでなく、金融機関も含めた企業との連携で中部地方の航空宇宙産業を盛り上げる。
3日目はロボットについて、国内大手の安川電機と三菱電機から講師を招く。「生産現場で産業用ロボットをどう有効に使うか」を中心に自動化のトレンドや将来像を紹介する。
来場者は全講演を無料で聴講できるが、事前の予約が必要だ。予約は先着順で各公演250人の定員に達し次第、受け付けを終了する。
申し込みや詳細はセミナーページから(https://mect-japan.com/2021/feature/seminar.html)。
CZは「新時代の自動化」
また、1号館では主催者が注目の産業や加工技術をテーマに企画展示する主催者企画「コンセプトゾーン(CZ)」でも、前回展に引き続き産業用ロボットを取り上げる。
今回は「未来を変える新時代の自動化」をメインテーマにした。今回のコロナ禍では、生産現場での作業者同士の密な接触を防ぐ対応が求められる。その具体的な解決策の一つがロボットの導入だろう。新たな時代を見据えた、未来を変える最新のソリューションを通じて「新時代の自動化」を提案するために、4つのゾーンに分けて展示する。
Aゾーンでは「遠隔操作で広がる可能性」として、自走ロボットと遠隔操縦の技術を組み合わせ、工場内の物流業務を実現する。多品種少量生産の現場でも使えるロボットシステムとして注目だ。
Bゾーンでは、自動車部品や家電などに使用される「シールスポンジ材」の貼り付け作業をロボットで実現した。曲線や曲面など複雑な形状へのシール貼りの作業や自動切断などを実演する。
Cゾーンでは、デンソーウェーブ(愛知県阿久比町、相良隆義社長)が提供する最新の人工知能(AI)技術で、これまで自動化が困難だった作業にロボットを適用する。国内初披露のAIを使った部材のピッキングなど、具体的な活用例を複数紹介する。
Dゾーンでは、多品種少量生産の現場に向けた実用的なロボットの活用例を提案する。安川電機の協働ロボットと手押し台車を組み合わせる。簡単に教示でき、自在に動かせるため、生産ラインのレイアウト変更に柔軟に対応する。会場では、このロボットシステムを使ったワークのハンドリングを紹介する。
詳細はCZの特設ページから(https://mect-japan.com/2021/feature/concept.html)。
会場内も各所に産ロボ
出展各社の展示でも産業用ロボットを使った自動化の提案が多そうだ。出展を申し込んだ段階で産業用ロボットの使用を見込むのが、全出展者の約1割の50社近くに及ぶ。
その一社、工作機器メーカーのコスメック(神戸市西区、木村公治社長)は今回展への期待が高い。同社は、産業用ロボットのニーズの変化に合わせた展示をする。
従来は「単調な段取り時間の削減」が目的の自動化案件が多かった。最近では作業内容が高度になり、データの管理と「見える化」をするためにワーククランプ機器に動作検知機能を加えたり、産業用ロボットを導入する例も少なくない。国内では熟練作業者の技術を伝承し、補うような使用例も出始めている。また、安全柵なしで使える協働ロボットと作業者との協働や、組み立て工程や検査作業も担うようになった。
そこで、同社は今回展で「ものづくり現場における安全で簡単、高精度かつ段取り時間短縮に寄与する周辺機器」をテーマに、産業用ロボットも使った実演展示をする。また、同社の主力製品のワークホルダーなども自動化ニーズに応えた展示内容で、さまざまな工程で自動化を実現できる製品群を紹介する。
展示の目玉は「センシングバルブ内蔵クランプ」だ。油圧式のクランプ装置で、1本のエア配管のみ固定と解除の動作を検知できる新構造のセンシング機構を開発した。動作検知が簡単で、自動化やモノのインターネット(IoT)への接続をしやすい。
営業部企画・広報室の佐藤直人室長は「久々のリアルの展示会としてMECT2021には、大いに期待する。全体の景況感も上向き始めた中での開催で、わが社だけでなく業界全体の活性化のきっかけにしたい」と今回展への期待を話す。
出展企業や製品の検索はこちらから(https://mect-japan.com/2021/visitor/search.php)。
MECT2021の公式メディア
ニュースダイジェスト社が発行する工作機械を中心にした設備財関連の専門誌。2021年で創刊58年目を迎えた。世界の業界情報や国内外の工作機械展レポート、最新の工業統計などを掲載する。資料価値も高く、業界から高い評価を得ており、20年からは電子版の発刊も始めた。「月刊生産財マーケティング」について、詳しくはこちらから
2018年4月にオープンしたFA業界の最新ニュースを海外に向けて発信する英文サイトで、日本企業の新製品の情報やニュース、展示会リポートなどを紹介している。「SEISANZAI Japan」はこちらから
生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン。産業用ロボットや自動化機器に特化した記事を掲載する。産業用ロボット関連の新製品や新サービス、導入事例、先進企業の取り組み、統計データ、助成制度など、あらゆる情報を発信する。「robot digest」はこちらから