空白の技術領域で魅せる/微細加工工業会

微細加工工業会(3A39)は、会員76社のうち26社のサンプルワークなどを展示する。入曽精密は、直径0.02mmの工具を用いて製作した一辺0.3mmの真ちゅう製の微細サイコロを披露。各面には100本のツールパスを施し、一辺の寸法精度のばらつきは±0.01mm以内に収まっている。担当者は「製造業の技術体系の中で、空白の技術領域と言われている寸法サイズ0.01mmから1mmの世界をぜひご覧いただきたい」と話す。
公式メディア3媒体の記者が、
「MECT特派員」として会場から速報します。
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微細加工工業会(3A39)は、会員76社のうち26社のサンプルワークなどを展示する。入曽精密は、直径0.02mmの工具を用いて製作した一辺0.3mmの真ちゅう製の微細サイコロを披露。各面には100本のツールパスを施し、一辺の寸法精度のばらつきは±0.01mm以内に収まっている。担当者は「製造業の技術体系の中で、空白の技術領域と言われている寸法サイズ0.01mmから1mmの世界をぜひご覧いただきたい」と話す。
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ドイツの切削工具メーカー、グーリングジャパン(2B11)は新製品のアルミ加工用エンドミルを国内で初めて出展している。独自開発のコーティングを採用し、高い切削能力と長寿命を実現する。
担当者は「わが社では工具の母材からコーティングまで全て自社で開発するのが強み。新製品のエンドミルは刃先の形状や新開発のコーティングで加工面品位を高められる」と説明する。
エバ工業(3B22)は新開発のツールストッカー「タワー型ツールストッカーシステム」を参考出展している。タブレット端末から必要なツールを選択するとロボットがツールをつかみ、台車に投入する。従来の直線型のツールストッカーと比べて狭いスペースに設置できる。
管理本部長の田中亮取締役は「タブレット上でツールの管理ができるのも利点。会場でお客さまの意見を聞いて今後の開発に生かしたい」と意気込む。

中部部品加工協会(3A41)は、ワルタージャパンと石川研磨、坂井製作所の3社と共同出展し、各社製品やサンプルワークなどを展示する。ワルタージャパンは航空宇宙産業向けのねじ切りカッター「Supreme(シュプリーム)TC620」などを披露。同製品は間隔の空いた切れ刃を複数配置する「複数刃列デザイン」の採用で、少ない切削抵抗と優れた寸法精度を実現。ワルタージャパンの担当者は「工具の長寿命化と加工時間の短縮に貢献する」と胸を張る。
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シー・ケィ・ケー(2C16)は「レーザードーピング(LD)」を施した新開発の工具ブランド「LDera(エルディラ)」を披露した。LDで処理することで母材の強度や硬度を高められ、工具の寿命を大幅に伸長できる。
澤田秀司社長は「お客さまに立ち止まってもらえる装飾を目指して、立体的な映像を映し出せるホログラム技術と実際の工具を組み合わせてLDeraの特徴を表現した」と語る。

過去最多の出展者数となったMECT2025。回りたいブースが多く限られた時間で効率的に見たい来場者もいるだろう。住友電気工業(2C11)は、新材種や新形状を採用した新製品を一つの棚にまとめて展示しており、同社の最新提案はここを見ればOK。既存製品や一部の参考展示品は、小物部品や自動車、航空機といった産業ごとの棚にまとめられており、合わせてチェックしてみては。

オーエスジー(2D01)は、「人手不足×高精度要求にどう応える? 加工現場のスマート化戦略」をテーマに第3展示館でワークショップを開催した。ワークショップでは、小径超硬ドリル「AD-MICRO(マイクロ)」、セラミックス・ガラス加工用超硬ドリル 「DIA-MXD」、2枚刃CBN(立方晶窒化ホウ素)ボールエンドミル「CBN-FB2」に加え、スキャンするだけで工具の在庫管理や発注を自動化する工具収納棚「MONOlithbox(モノリスボックス)」を紹介した。

モルディノ(2B24)は高硬度鋼加工用超硬ボールエンドミル「IX-EPDB-TH3」を出展する。「超硬を超える超硬」とうたう同製品は、新開発の母材を採用しており、耐摩耗性と耐欠損性を高いレベルで両立する。刃先形状も工夫し、高硬度鋼の加工で発生しやすいチッピングを抑えた。営業企画部広報グループの三枝友樹主任は「来場者に加工のヒントをつかんでもらえるよう、ブースには基本的に工具とサンプルワークをセットで展示している」と話す。

不二越(2D12)は自動旋盤用工具「LAシリーズ」の新製品を出展する。直径にかかわらず全ての工具の突き出し長さを20mmか30mmに統一しており、使う工具によって加工プログラムを調整する手間が省ける。
また工具とワークを同期回転させながら高速加工するスカイビング加工向けの「エアスカイビングシステム」も紹介する。通常は工具寿命の短さや切りくずのかみ込みが課題となるが、専用設計のカッターやエア用ノズルでそれらを解消した。

イスカルジャパン(2B14)は、昨年11月に発表した新製品「ロジクイック」シリーズを中心に、旋削・突っ切り、ミーリング、穴開けの各ジャンルの切削工具を出展した。注目製品の一つ「ロジック3カム」は3枚刃のヘッド交換式ドリル。ブースでは、イスカルのイスラエル本社から空輸した、ロジック3カムで穴開けをしたH形鋼が見られる。担当者は「詳しい人が見れば加工品質が一目で分かるようで、高く評価していただいている」と話す。