“からくり”で強みをアピール/イレイズグループ

イレイズグループ(1S01)は金属や樹脂の加工から機械設計、電気設計、ロボットのシステムインテグレーションを一貫して手掛けるのを強みに、“からくり”の展示で自社の技術力をアピールした。からくりは1軸の動力のみで全ての機構が連動して動く。

江原祥太社長は「わが社の強みをからくりと協働ロボットのデモで表現した。ロボットシステムは3Dカメラやトルクセンサーを活用し、人間の手作業のように繊細な歯車のはめ合いができる」と説明する。

【出展者の声】生の声を製品に生かす/トーヨーエイテック 岡野寛範社長

キーワードは自動化だが、ただ設備の自動化を勧めるだけでなく、顧客が何に困っているかを把握して適切な提案をすることが今後はより重要になる。MECT2025では熟練技能者の減少に対する提案として、横形複合研削盤「THG-35C-4S」を展示する。高度な技能が必要なワークの芯出しを自動でできる機能があり、作業の標準化に寄与する。

MECTは工作機械ユーザーの生の声を聴ける良い機会。いただいた声を製品に反映し、ブラッシュアップしたい。

簡単かつ確実に固定/三菱マテリアル

三菱マテリアル(2B25)はヘッド交換式超硬ドリル「DXAS」を出展する。独自の機構「パーフェクトセンタリング」を採用しており、ヘッドとボディーを締結する際の中心軸のずれを防ぐ。締結には2本のねじを使い、強固に固定して加工精度を保証する。「発売前の市場テストでユーザーからの評価が非常に高く、自信のある製品」と営業本部国内営業部東海ブロックの金坂義幸主任は語る。また新製品の汎用超硬ソリッドドリル「DVAS」も展示する。

強みの自動化ラインを提案/FUJI

FUJI(1C33)はワークストッカーや搬送装置、計測機器などの多彩な周辺機器をラインアップし、それらを組み込んだ生産ラインを提案する。ブースではデフケースの生産ラインを想定し、旋削加工と穴開け加工の工程間の自動化を紹介した。

豊田事業所マシンツール事業本部営業部営業技術課の宮澤吉則課長は「わが社ではワークに合わせてチャックも自社で設計する。お客さまがすぐ使える状態で生産ラインを提供できるのが強み」と話す。

工具の振動をキャッチ!/京セラ

突発的な刃先の欠損の原因が分からない――。そんな時に役立つのが、京セラ(2A27)の新製品「VIMOA(ヴィモア)」だ。工作機械の加工室内にマグネットで取り付けるだけ。毎秒2万回以上振動をセンシングし、データは無線LANでパソコンへ。ベテラン技能者にも感知しにくいような一瞬の振動も見逃さないため、以上の原因を特定する手助けになる。

実機の動きや制御ソフトの操作性をアピール/愛知産業

愛知産業(1E20)のブースでは、ドイツのハームレ製5軸マシニングセンタ(MC)「C400」とパレット搬送の自動化システム「HS flex(フレックス)」の実機を見られる。C400はベースに人造石を採用しており、剛性や振動減衰性に優れ、温度変化に強い。HSフレックスは3種類のサイズのパレットを搬送できるため、ワークサイズに最適なパレットを使える。「実機の動きに加え、制御ソフトウエアの操作性の高さも体験してほしい」と担当者は話す。

微細・精密なねじ切り加工を訴求/日進工具

日進工具(2A26)はメートルねじ加工専用工具「無限コーティング Mスレッドミル MMTM」(めねじ用)を展示する。対応する規格を拡大し、微細・精密なねじ切り加工を訴求する。金型鋼をはじめ、チタン合金など耐熱合金の部品加工向けにもアピールする。「中部には航空宇宙や防衛関連のユーザーも多く、今回展では地域性も重視している」と後藤弘治社長は話す。微細な刃物形状やワークの実物を自分の目で確かめてみては。

【ワンポイントレッスン】compacting:コンパクティング

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バラバラのより線を、一つの塊にする技術のこと。「compact(圧縮する)」から来た言葉で、細い線が束になったより線を加圧、加熱してブロック状に成形する工程を指す。銅線を一体化させることで、接合強度や電気伝導性を高める。

(例文)With the rise of electric vehicles, Amada’s compacting technology is attracting increased attention for efficiently joining the high-current wires used in EV batteries and motors.

(訳)電気自動車の普及に伴い、EVバッテリーやモーターに使われる大電流ケーブルを効率的に接合できるアマダのコンパクティング技術への注目が高まっている。

自動化装置などの小型化に貢献/日本精工

日本精工(3C10)は「Z-θ(シータ)アクチュエータ」を参考出展する。昇降・回転機構やブレーキなどを同軸上に配置することで、大幅なコンパクト化を実現するユニット製品。組み込む装置などの仕様に合わせて供給する特殊対応が基本だ。電子部品など軽量なワークの自動搬送ラインをはじめ、装置の小型化に貢献する。「スカラロボットなどよりもコンパクトな装置にできる」と担当者は自信を見せる。会場で実際に動きを確かめよう。

樹脂材の加工実演を披露/シチズンマシナリー

シチズンマシナリー(1B39)は、主軸台固定形NC自動旋盤「BNJ51SY」で樹脂材の加工実演を披露する。独自のLFV(低周波振動切削)技術で、樹脂材のつながりやすい切りくずも細かく分断できる。微量なオイルミストを噴射しながら加工することで、切削油の消費量を減らすとともに、加工後のワーク洗浄の手間も軽減する。「タレットの剛性やベッドの熱変位耐性など、機械性能が向上した点も紹介したい」と担当者は言う。