• 連載「見どころ紹介」

連載「見どころ紹介」

2023年9月4日

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コンセプトゾーンに注目

加工技術いかに高めるか

前回展のコンセプトゾーンのイメージ

名古屋市で西暦気数年に開かれる国内最大規模の工作機械専門見本市「メカトロテックジャパン(MECT)」には、主催者企画展示ゾーン(コンセプトゾーン、CZ)がある。毎回あるテーマに沿って、高い加工技術や工作機械の巧みな使い方などを、加工実演を交えつつ紹介する企画展示だ。今回のテーマは「驚きのスゴ技」。高い加工技術を追求する3社による、それぞれに違った分野の最先端を提示し、加工のヒントとする。(※写真は前回展)

原点回帰の理由

例えば、直近6回のコンセプトゾーン(CZ)のテーマは、2011年「炭素繊維強化プラスチック(CFRP)」、13年「医療」、15年「マグネシウム合金」、17年「宇宙」、19年「ロボット」、21年「自動化」と、その時々の旬なテーマ設定だった。
 今回のCZのテーマは「驚きのスゴ技」。製造業への有益な加工技術の情報発信に立ち返る「原点回帰」だ。

原点回帰には理由がある。
 21世紀だけを見ても、08年のリーマンショック、そして20年からの新型コロナウイルス禍と、世界経済を揺るがす大きな出来事があった。
 最近ではロシアによるウクライナ侵攻で世界の安定が揺らいでもいる。そして地球環境についての意識も、近年のSDGs(持続可能な開発目標)やカーボンニュートラル(炭素中立)をはじめ、従来とはレベルの違う段階になっている。
 つまり、少し振り返るだけでも、社会環境の激変は明らかだ。

その影響もあり、製造業をはじめ産業全体のありようも変化している。
 電気自動車(EV)の急伸に代表される自動車の電動化、需要が伸び続ける航空機などの輸送機器をはじめ、高度情報化に伴い隆盛を誇る半導体、高度化する各種デバイスを支える電気・精密機器など、あらゆる物は常に変化、高度化しており、その変化は当然、製造技術や加工技術にも変化を迫る。

この状況下で、自らの事業の方向性に思い悩む、特に中小規模の加工業者は多い。いかに自社の加工技術を高め、変化させるか――。
 これは現代の加工業者の大いなる悩みであるはずだ。だからこそ今回のCZは原点回帰をした。
 来場者に向けて、最先端加工の一端を加工実演と共に披露し、加工や技術開発のヒントを提示する。加工のヒントはここにあるのだ。

加工技術と道具立ての両輪

今回のCZで主役を張る3社は、いずれも受託加工を生業(なりわい)とし、それぞれ明確な戦略を持って事業に取り組む特徴ある企業だ。
 本特集では、3社が披露する「スゴ技」がどれほどのものか、その一端だが概要を紹介する。
 これらのスゴ技を確かめるために、ぜひ会場に来てほしい。本特集はそのガイドと言える。

前回展のコンセプトゾーンの様子

前回展のコンセプトゾーンの様子

同時に、加工技術を支える道具立てにも注目したい。何をするためにどんな設備を使うのか、必要なのかも、CZでは透けて見えるはずだ。
 そしてCZで見つかる加工のヒントを、実現しうる道具がそろうのがMECT2023の展示会場だ。

しつこいようだが大切なのでもう一度。CZには加工のヒントがある。それをぜひ自分の目で確かめてもらいたい。

コンセプトゾーンの紹介はこちらから

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ニュースダイジェスト社が発行する工作機械を中心にした設備財関連の専門誌。2023年で創刊報や国内外の工作機械展レポート、最新の工業統計などを掲載する。資料価値も高く、業界から高い評価を得ており、20年からは電子版の発刊も始めた。

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