「世界最小」のプローブ/レニショー

レニショー(3A02)は直径が24mm、長さが31.4mmしかない無線信号伝達式プローブ「RMP24-micro(マイクロ)」を国内初披露した。欧州市場向けには今年9月にドイツで開催された工作機械見本市「EMOハノーバー2023」で一足先に展示しており、今回のMECTで日本市場向けに大々的に発表した格好だ。担当者は「工作機械用プローブの中では世界最小。日本ではどういう風に受け入れられるかを今回のMECTで確認したい」と語る。

最新5軸MCをお披露目/ニデックマシンツール、ニデックオーケーケー

ニデックマシンツール(1A17)とニデックオーケーケー(1A18)は、「One Nidec(ワンニデック)」をテーマに、ブースの垣根をなくして出展する。ニデックオーケーケーはMECT2023の開催に合わせて発売を発表した立形5軸マシニングセンタ(MC)「VB-X350」を展示会に初出品。既存機種「VB-X650」も出品する。担当者は「当社が5軸MCの開発にも力を入れていることを来場者にも知ってほしい」と語る。

 ニデックマシンツールは門形MC「MV-BxⅡ」を出品。担当者は「機械のフレーム部分はニデックオーケーケーの5軸MCの技術を使っている」と2社の技術の融合を強調する。

30番MCの加工実演に注目/ブラザー工業

ブラザー工業(1D24)は、主軸テーパーBT30番の小型マシニングセンタ(MC)「SPEEDIO(スピーディオ)シリーズ」から6機種を出展している。

中でも目玉は、X軸ストロークが1000mmの小型MC「W1000Xd2」。広い加工エリアを生かし、多数個取りした鉄系ワークを加工するデモを定期的に実施している。また、スピーディオシリーズ初の横形MC「H550Xd1」も展示しており、電気自動車(EV)のインバーターケースを模したアルミダイカスト製ワークを削るデモにも注目だ。担当者は「BT30番の小型MCの多彩なラインアップを、加工実演と共に紹介したい」と話す。

加工スピードを高めた新製品/中村留精密工業

中村留精密工業(1C11)は2スピンドル2タレットCNC複合旋盤の新製品「WY-100V」を国内初披露した。「最速の、その先へ。」をコンセプトに、加工スピードを大幅に高めたのが特徴だ。「クロノカット」と呼ばれるアイドルタイムを削減する新開発のソフトウエア技術や制御技術を搭載しており、油圧バルブ部品のサンプルの加工時間を従来機比で30%削減した。ブースでは、WY-100Vの特徴やクロノカットの概要を詳しく解説するプレゼンも定期的に実施している。

中村匠吾社長は「サイクルタイムを短縮できれば、単位時間当たりの生産性が高まる。製造現場に余裕が生まれ、突発的な加工の案件にも対応しやすくなる」と話す。

プレゼンで工程集約、自動化、DX、GXを提案/DMG森精機

DMG森精機(1C27)は、複合加工機「NZ DUE(デュエ)」を国内の展示会に初出品。刃物台を2つ備えるのが特徴で、複雑な形状のワークの加工を1台に集約できる。他にも、複合加工機「NTX1000」とロボットシステム「MATRIS Light(マトリスライト)」を組み合わせたデモシステムで自動化を提案した。

 ブース内のメインステージでは、「マシニング・トランスフォーメーション」「NZ-Platform」「WH-AMR」「プログラム作成のDX」がテーマの4種のプレゼンテーションを開催しており、来場者に対して工程集約や自動化、デジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーントランスフォーメーション(GX)を提案している。

コスパ勝負の超硬Tスロカッター/鈴峰

鈴峰(2B02)は自社ブランド「RHT(れいほうツール)」の超硬Tスロットカッターをアピールする。舘直樹社長は「一番のセールスポイントはコストパフォーマンスの高さ。競合製品と比べて4分の1以下の価格設定。MECT2023に合わせて新発売した」と胸を張る。
 コスパの高い超硬Tスロットカッターを探すのならば、必見のブースだろう。

可搬質量を高めた協働ロボシステム/ヤマザキマザック

ワーク着脱からチャックの爪交換までを協働ロボットで自動化

ヤマザキマザック(1A41)は協働ロボットシステムの新製品「Ez LOADER(イージーローダー) 30」をMECT2023開幕と同時に発売した。従来製品に比べ最大可搬質量を高めたのが特徴で、鉄系ワークなどの重量物の搬送に対応できる。搬送可能なワークの質量は、シングルハンドの場合で最大21kg。

ブースでは同時5軸制御の複合加工機「INTEGREX(インテグレックス) i-200H S」と組み合わせて展示しており、ワーク着脱からチャックの爪交換までの一連の作業を自動化するデモを披露している。

ワンパッケージでマーキングを自動化/山田マシンツール

山田マシンツール(3D18)は、マーキング作業に必要な装置をパッケージ化した「MARKING CELL(マーキングセル)」を会場で初公開した。スライド式のテーブルを搭載しており、ワークの引き込みと刻印、払い出しまでを自動化する。

 マーキングシステム事業部MS営業部の山田将大課長は「刻印したい条件に合わせて、市販のレーザーヘッドを搭載できる。外観デザインもこだわって開発したため、ついに披露できてうれしい」と話す。

大型ワークもロボドリルで/ファナック

ファナック(1A31)は小型マシニングセンタ「ロボドリル」の新モデル「α-D28LiB5 ADV Plus(プラス)Y500」で大型ワークの加工を提案している。工具収納本数を21本から28本、Y軸ストロークを400mmから500mmへと拡張した機種で、展示機には回転テーブルを搭載する。「電気自動車(EV)用インバーターケースの加工などに最適で、工具本数が多いため工程集約もしやすい」(ロボマシンセールス本部)と話す。

工具製造の自動化をワンストップで/ANCA Machine Tools Japan

ANCA Machine Tools JapanはAIMSを国内初披露

オーストラリアに本社を置く工具研削盤メーカーのANCAの日本法人、ANCA Machine Tools Japan(アンカ・マシンツールズ・ジャパン、1C05)はソリッド工具の製造工程を自動化する統合生産システム「AIMS」を国内初披露した。

AIMSはソリッド工具用のパレットを搬送する自律走行型の無人搬送車「AUTOFETCH(オートフェッチ)」などで構成され、工具の研削から測定までの一連の工程を工程間搬送も含めて無人化できるのが特徴だ。日本法人の板倉秀明社長は「工具製造に関わる自動化ソリューションをワンストップで提供できるのが最大の強み。来場者からも『工具製造でもここまで自動化できるのか』と大きな反響があった」と手応えを語る。