切削加工後の組み立てを自動化/中央工機

中央工機(3D06)は、工作機械などで部品加工をした後の組み立て工程の自動化を提案する。まず写真左のロボットアームがばら積みされたねじをピッキングしてジグに立て、自律走行型搬送ロボット(AMR)が写真右のロボットの元へ運び、そのロボットがねじをつかんで締結する。左右のロボットは、それぞれに搭載するビジョンセンサーでAMRの停止位置のずれを補正する。

同社はロボットなど自動化システムの提案に力を入れており、内賀嶋祐亮営業企画課長は「ロボットやビジョンセンサー、AMR、ジグに至るまでワンストップで用意できるのが強み」と話す。

オープンイノベで多品種や異形に対応/FUJI

工作機械やロボットを製造するFUJI(1D35)は、オープンイノベーションで多品種・異形ワークの加工の自動化を提案する。自社製の旋盤とロボットに、米国の人工知能(AI)企業Voaige(ボイジー)のAIビジョンシステムと、東北大学の多田隈研究室の多用途ピッキングハンドを組み合わせた。「ワークの登録が不要で、段取り替えもなしに旋盤のワーク交換を自動化できる」と担当者は言う。

会期3日目は「自動化」テーマのセミナーを開催

会期3日目は、「自動化」をテーマにしたセミナーを2本開催した。

1本目は川崎重工業精密機械・ロボットカンパニーの真田知典ロボットディビジョン理事が、「Kawasakiが描く、これからのロボティクス」をテーマに講演。
 2本目はヤマハ発動機でソリューション事業本部ロボティクス事業部長を務める江頭綾子執行役員が、「ヤマハ発動機が描く搬送自動化~μ to km(ミクロン・ツー・キロメートル)~」をテーマに講演した。

初日と2日目に続き、3日目のセミナーも会場は満員で、大勢の聴講者が自動化の最新動向に耳を傾けた。

潜り込める7軸ロボットでねじ検査/サンゲン

FA機器を扱う技術商社のサンゲン(3B33)は、自社が代理店を務める2製品、米国NewVista(ニュービスタ)製ねじ検査ユニットと、デンマークKassow Robots(カッソーロボット)の7軸ロボットを組み合わせて展示する。「上でねじ穴の検査をした後、ロボットアームが下に潜り込んでツールを交換するため、省スペース。この動作は7軸構造のカッソーならでは」と営業部長の土岡直樹執行役員は話す。

多様な物を1つの動作指令で/シナノケンシ

シナノケンシ(3D31)は、同社のロボットハンド全機種に搭載する「オートグリップ」機能をPRする。硬さや大きさ、形状が異なる複数の対象物をつぶさずにうまくつかめる。 

「モーター制御技術を生かした機能で、カメラやセンサーは不要。対象物ごとの細かい設定が要らず手間が省けると好評」と担当者は話す。

ジョーの交換をロボットで自動化/北川鉄工所

北川鉄工所(3C05)は、ロボットを使った自動ジョー交換システムなどを展示。

担当者は「ジョーのTナットは新製品の『BR-AJC-M』を使っている。ジョーの位置決めがしやすく、手動の交換でも段取り替えの手間を削減する」と語る。同社のチャック「BRシリーズ」「BRTシリーズ」のTナットを交換するだけで使えるようになる。

ロボット用手袋の指タイプに手応え/東和コーポレーション

作業用ゴム手袋メーカーの東和コーポレーション(3D82)は、ロボットハンドに装着する「ROBO Glove(ロボグローブ)」をアピールする。切削油が付着したワークも滑らずに把持できる。指だけに装着するタイプも参考出品しており、「来場者の反応はとても良い」と長瀬直樹ロボグローブ推進室長は言う。

主軸の片方が機外にある2主軸NC旋盤/シマダマシンツール

シマダマシンツール(旧嶋田鉄工所、1C23)は2主軸1タレットNC旋盤「2SI-8 Mk-Ⅱ(マークツー)」を出展している。2つの主軸のうち片方は機外にあるため、片方の主軸でワークを加工する間に、機外側の主軸のワーク脱着や洗浄、エアブローなどが可能だ。ロボットと組み合わせて機外作業をさせれば、生産性を大幅に高められる。島田雅宏社長は「手作業でワーク脱着をしているNC旋盤ユーザーが主なターゲット。当機をロボット付きで導入すれば人手不足に対応できる上、生産性も高められる」と強調する。

自動測定システムをパッケージ化/ミツトヨ

ミツトヨ(3B05)は、測定の自動化システムをパッケージにした「Mi-BOT e-system(マイボットイーシステム)」でデモを実演している。協働ロボットがラックから測定対象物を運び、同社の3次元測定機「MiSTAR(マイスター)555」で測定する。

 マーケティング課の白井太朗副主査は「展示のシステムは生産現場で運用する1つの例。現場に合わせてロボットの動作のプログラミングやジグの選定などもわが社で担うため、測定の自動化に興味のある来場者から要望を聞きたい」と語る。

ケレ装着も自動で/松本機械工業

松本機械工業(3C22)は円筒研削盤向けの自動化提案に力を入れている。その一環で、両センター加工の研削ワークに自動でケレ(回し金)を装着する専用装置を出展した。自社製のパッケージ仕様のロボットシステム「Smart Terrace(スマートテラス) AIO」と組み合わせれば、ケレの着脱からワークの着脱まで自動化できる。あらかじめ複数のサイズのケレを用意すれば、径違いのワークでもケレの自動装着が可能だ。桑本正信営業本部長は「従来はケレを手作業で装着していたが、両センター加工においても自動化ニーズが高かったため、ケレ自動装着装置を開発した」と述べる。