会期3日目は「自動化」テーマのセミナーを開催

会期3日目は、「自動化」をテーマにしたセミナーを2本開催した。

1本目は川崎重工業精密機械・ロボットカンパニーの真田知典ロボットディビジョン理事が、「Kawasakiが描く、これからのロボティクス」をテーマに講演。
 2本目はヤマハ発動機でソリューション事業本部ロボティクス事業部長を務める江頭綾子執行役員が、「ヤマハ発動機が描く搬送自動化~μ to km(ミクロン・ツー・キロメートル)~」をテーマに講演した。

初日と2日目に続き、3日目のセミナーも会場は満員で、大勢の聴講者が自動化の最新動向に耳を傾けた。

豊富なラインアップを触って体感/ハイウィン

ハイウィン(3C01)は、垂直6軸多関節ロボット「RA610-GCシリーズ」と工作機械を組み合わせた自動化システムや、センサー搭載で稼働状況を可視化するボールねじ「i4.0BS」などを出品。

ブース内には、リニアガイドやボールねじを実際に触れる体験コーナーも用意している。「リニアガイドとボールねじは全ラインアップの8割を展示している。来場者にラインアップの豊富さを知ってもらいたい」と担当者は語る。

垂直搬送の電動化でサイクルタイム半減/アイエイアイ

アイエイアイ(3C02)は電動アクチュエーター「エレシリンダー」を活用し、垂直搬送の電動化を提案する。空圧のエアシリンダーと比べサイクルタイムを50%短縮し、二酸化炭素の排出量も大幅に抑えられる。低価格のためエアシリンダーと置き換えやすい。「空間をより有効に使うため、工場の高い位置に搬送システムを設ける天井搬送が増えており、垂直搬送のニーズも高い。自動車業界での採用も増えている」と担当者は言う。

サインポストを目印に移動/THK

 

THK(3C04)は搬送ロボットシステム「SIGNAS(シグナス)」を出品。

サインポストと呼ばれる目印を内蔵カメラで認識しながら移動する独自の誘導方式を採用。一般的な無人搬送車(AGV)とは異なり、磁気テープの設置が必要ない。また、荷物を載せて運ぶ積載タイプと、引いて運ぶけん引タイプの2種類があり、段差やスロープなどがあっても使用できる。

担当者は「AGVや自律走行型搬送ロボット(AMR)を使った搬送の自動化は幅広い業界でトレンドになりつつある。今後、さらにシグナスの引き合いも増えていくだろう」と語る。

工具製造の自動化をワンストップで/ANCA Machine Tools Japan

ANCA Machine Tools JapanはAIMSを国内初披露

オーストラリアに本社を置く工具研削盤メーカーのANCAの日本法人、ANCA Machine Tools Japan(アンカ・マシンツールズ・ジャパン、1C05)はソリッド工具の製造工程を自動化する統合生産システム「AIMS」を国内初披露した。

AIMSはソリッド工具用のパレットを搬送する自律走行型の無人搬送車「AUTOFETCH(オートフェッチ)」などで構成され、工具の研削から測定までの一連の工程を工程間搬送も含めて無人化できるのが特徴だ。日本法人の板倉秀明社長は「工具製造に関わる自動化ソリューションをワンストップで提供できるのが最大の強み。来場者からも『工具製造でもここまで自動化できるのか』と大きな反響があった」と手応えを語る。

ワーク位置検出システムを参考出展/村田機械

Y軸付き正面型CNCターニングセンタ「MWR120」にFLEX EZ LOADER LOPROSSを搭載

村田機械(1B08)は多品種少量生産の自動化に力を発揮するガントリーローダー「FLEX EZ LOADER LOPROSS(フレックス・イージー・ローダー・ロプロス)」向けの新機能として、2Dカメラを使用したワーク位置検出システムを参考出展している。

ワーク位置検出システムとは、2Dカメラで撮影したワークの画像データと事前に登録したワーク形状のマスターデータを照合し、ローダー側にワークの位置や中心座標を教示する機能。担当者は「複数の異なる径のワークを取り扱う場合でも、ティーチング(動作を覚えさせる作業)することなく自動化ができる」と話す。

かわいいにだまされるな/日本精工

3号館に入るとかわいらしさに目を奪われる

日本精工(3C09)は参考出展の「Active Caster(アクティブキャスター)」を使い、かわいらしさを演出している。アクティブキャスターは、全方向移動やその場回転ができ、独自技術の採用で従来にないコンパクトさを実現した。担当者は「産業機械事業や自動車事業で培った技術を活用し、狭い場所でも静かに動ける駆動ユニットを開発した」と話す。

出展物の見た目はかわいいが、内容は思いのほかハードだ。ぜひ詳しい説明を聞きに行ってほしい。

MECT開幕と同時に発売/高松機械工業

2スピンドル2タレットCNC旋盤「XWT-8」

高松機械工業(1B34)はシャフト加工機のプロトタイプを含む4台のCNC旋盤と、1台のロボットシステムを展示している。

見どころの一つは、MECT開幕と同時に販売を開始した8インチチャックの2スピンドル2タレットCNC旋盤の新製品「XWT-8」だ。大量生産から中種中量生産まで、さまざまな加工ニーズに対応できる。視認性の高い21.5インチのタッチパネルの操作盤を採用し、操作性を高めたのが特徴。また、新型の3軸ローダーも搭載し、最短ローディングタイムを従来品10%減の5.5秒に短縮。生産性も高めた。