【翻訳者的視点から】グリーンとアップグレード/CERATIZIT Japan

CERATIZIT Japan(セラティジットジャパン、2B07)は超硬丸棒新材種「CT-GS20Y」を、日本向けには「グリーンカーバイド」と銘打つ。「グリーン(緑)」と付くだけで、環境に配慮したものだとわかる。実際に水力発電を使用し、リサイクル原料を使うことで、従来製品比でCO₂排出量を約60%削減した新素材だ。

同社は同じ製品を欧州向けには「upGRADE(アップグレード)」と名付ける。環境配慮だけでなく、製品の質の良さも表すとのこと。確かに日本人としてはアップグレードと聞いただけで環境配慮を連想することは難しい。地域によって売り出し文句が異なるのは、とても興味深い。

ワークに合わせ傾いて測定/東京精密

東京精密(3A41)は、ワークの表面粗さと輪郭形状を測れる測定機「SURFCOM NEX(サーフコムネックス)」を展示している。1台で表面粗さと形状を測定できるため、検出器の段取り替えの手間を減らせる。

 新たに開発したオプションで、ワークに合わせて検出器を傾けられる機能を会場で披露する。「大きいサイズのワークを計測する際に、ワークはそのままで検出器の角度を変えられるため、効率よく測定できる。±45度に傾斜する様子を直接見てほしい」(担当者)。

打ち出の小づちが当たるかも!?/三菱マテリアル

三菱マテリアル(2C26)のブースには約3cmの打ち出の小づちが登場。これは金属加工業の松本興産(埼玉県小鹿野町、松本直樹社長)とのコラボで製作されたものだ。三菱マテリアルの多種多様な工具を使用して加工した。中央部分には「福」の文字が美しく彫られている。同社のウェブサイトに会員登録し、抽選で当たれば打ち出の小づちがその場でもらえる。担当者は「その場で登録してその場で抽選ができる。事前登録していただければよりスムーズに案内できる」と語る。

ワンパッケージでマーキングを自動化/山田マシンツール

山田マシンツール(3D18)は、マーキング作業に必要な装置をパッケージ化した「MARKING CELL(マーキングセル)」を会場で初公開した。スライド式のテーブルを搭載しており、ワークの引き込みと刻印、払い出しまでを自動化する。

 マーキングシステム事業部MS営業部の山田将大課長は「刻印したい条件に合わせて、市販のレーザーヘッドを搭載できる。外観デザインもこだわって開発したため、ついに披露できてうれしい」と話す。

ベストセラー研削盤に脚光/太陽工機

太陽工機(1D28)は、立形複合研削盤「Vertical Mate(バーティカルメイト) 55」を出展している。自動工具交換装置(ATC)を搭載しており、1台で多種多様な研削を実現する。同社で最も出荷台数の多いベストセラー機という。

 西部営業所の冨松亮太所長は「機内のタッチプローブで、加工後にそのまま測定できる。仕上がり寸法になっていなければ、自動でNC装置にフィードバックして再度研削できるのが強み」と語る。

ワーク・電極交換用ロボットをパッケージ化/ソディック

ソディック(1B36)の展示テーマは自動化と省エネルギー。自動化では、形彫り放電加工機やマシニングセンタとワーク・電極交換用ロボット「SR12」を組み合わせ、ワーク交換の自動化デモを披露する。「ロボットまでワンストップでパッケージとして提供できるため導入が容易で、何かあった際のサポートも安心」(営業推進課)。

大型ワークもロボドリルで/ファナック

ファナック(1A31)は小型マシニングセンタ「ロボドリル」の新モデル「α-D28LiB5 ADV Plus(プラス)Y500」で大型ワークの加工を提案している。工具収納本数を21本から28本、Y軸ストロークを400mmから500mmへと拡張した機種で、展示機には回転テーブルを搭載する。「電気自動車(EV)用インバーターケースの加工などに最適で、工具本数が多いため工程集約もしやすい」(ロボマシンセールス本部)と話す。

サインポストを目印に移動/THK

 

THK(3C04)は搬送ロボットシステム「SIGNAS(シグナス)」を出品。

サインポストと呼ばれる目印を内蔵カメラで認識しながら移動する独自の誘導方式を採用。一般的な無人搬送車(AGV)とは異なり、磁気テープの設置が必要ない。また、荷物を載せて運ぶ積載タイプと、引いて運ぶけん引タイプの2種類があり、段差やスロープなどがあっても使用できる。

担当者は「AGVや自律走行型搬送ロボット(AMR)を使った搬送の自動化は幅広い業界でトレンドになりつつある。今後、さらにシグナスの引き合いも増えていくだろう」と語る。

工具製造の自動化をワンストップで/ANCA Machine Tools Japan

ANCA Machine Tools JapanはAIMSを国内初披露

オーストラリアに本社を置く工具研削盤メーカーのANCAの日本法人、ANCA Machine Tools Japan(アンカ・マシンツールズ・ジャパン、1C05)はソリッド工具の製造工程を自動化する統合生産システム「AIMS」を国内初披露した。

AIMSはソリッド工具用のパレットを搬送する自律走行型の無人搬送車「AUTOFETCH(オートフェッチ)」などで構成され、工具の研削から測定までの一連の工程を工程間搬送も含めて無人化できるのが特徴だ。日本法人の板倉秀明社長は「工具製造に関わる自動化ソリューションをワンストップで提供できるのが最大の強み。来場者からも『工具製造でもここまで自動化できるのか』と大きな反響があった」と手応えを語る。

【注目のサンプルワーク】シックなブースデザインに注目/山田製作所

山田製作所(3S08)は、ミクロン単位の研削加工をしたワークを展示して加工技術の高さをアピールする。加工したワークのレイアウトにも力を入れており、山田英登社長は「ただワークを置くだけでなく、より目立たせるような配置にした。シックにまとめたブース全体のデザインにも注目してほしい」と語る。

 また、同社は社員の7割が女性なこともあり、女性向けの会社紹介パンフレットを会場で配布するなど女性が活躍できる場であることもPRする。