ワーク位置検出システムを参考出展/村田機械

Y軸付き正面型CNCターニングセンタ「MWR120」にFLEX EZ LOADER LOPROSSを搭載

村田機械(1B08)は多品種少量生産の自動化に力を発揮するガントリーローダー「FLEX EZ LOADER LOPROSS(フレックス・イージー・ローダー・ロプロス)」向けの新機能として、2Dカメラを使用したワーク位置検出システムを参考出展している。

ワーク位置検出システムとは、2Dカメラで撮影したワークの画像データと事前に登録したワーク形状のマスターデータを照合し、ローダー側にワークの位置や中心座標を教示する機能。担当者は「複数の異なる径のワークを取り扱う場合でも、ティーチング(動作を覚えさせる作業)することなく自動化ができる」と話す。

ロボットによる通い箱の混載を披露/Mujin

Mujin(ムジン、3D01)は、「通い箱仕分けロボット」を展示会に初出品した。教示なしで種類の異なる通い箱を1つのパレットに混載できるのが大きな特徴。それぞれの通い箱の形状が違っていても対応する。

 ブースでは、大型のロボットが種類の異なる通い箱を1つのパレットに積み付け、荷降ろしする様子を実際に見ることができる。

【注目のサンプルワーク】高能率工具で削ったベースプレート/MOLDINO

MOLDINO(モルディノ、2A24)のサンプルワークは必見だ。高能率で粗加工できるエンドミル「ER5HS-PN」で、金型のベースプレートを削った。サイズは幅250mm×奥行き200mm×高さ30mm。実加工時間は従来の加工方法に比べてなんと半分の33分という。

 ER5HS-PNは外径の3倍ある刃長の側面を使って切り込むため、高能率で加工できる。営業本部営業企画部の矢野太一広報グループ長は「5枚刃で耐欠損性も高く、長時間安定して加工できる」と自信をみせる。

エアも電力も使わずにツールチェンジ/イマオコーポレーション

エンドエフェクターの自動交換のデモの様子

イマオコーポレーション(3C06)はロボット関連製品の提案に力を入れている。目玉の一つは、今年4月に発売したツールチェンジャー「SMARTSHIFT(スマートシフト) ロボットシステム」だ。メカ式のロック機構を採用しており、ロボットハンドなどの各種エンドエフェクターを交換するのにエアや電力を必要としないのが特徴。ロボットアームの水平移動だけで簡単にエンドエフェクターを交換できる。

ブースでは、ファナックの協働ロボット「CRXシリーズ」を使用して複数のエンドエフェクターを交換するデモを披露している。

バリを出さない新工具発表/不二越

不二越(2D01)は、工具「バリレスシリーズ」を会場で初公開した。バリの発生を抑えられるように、形状などを工夫したドリルとタップ、エンドミルをそろえる。
 執行役員を務める五島康工具事業部長は「バリの除去は自動化が難しく、安定した品質を維持しづらい。そこで最初からバリなく加工でき、加工能率や工具寿命にもたけた工具を開発した」と語る。12月に発売予定のバリレスシリーズを、一足先にブース内で目の当たりにできる。

[出展者の声]イージーな自動化を/ヤマザキマザック 堀部和也上席執行役員

ヤマザキマザック(1A41)の堀部和也上席執行役員

わが社のブースの見どころの一つは「自動化提案」。製造現場で働くオペレーターの数が今後減少するため、日本の製造業各社が事業を継続するには誰でも使える自動化システムが求められる。だからこそ、いかに簡単できめ細かい自動化ソリューションを提供できるかが工作機械メーカーとしての差別化ポイントになる。

MECT2023ではこうした背景を踏まえ、誰でも簡単にセットアップが可能な協働ロボットシステム「Ez LOADER(イージーローダー) シリーズ」などのさまざまな自動化システムを紹介している。

溶接や印字、検査をひとまとめ/physical photon

physical photon(フィジカルフォトン、3S01)は、「QCWファイバーレーザ発振器」と「ガルバノスキャナー溶接ヘッド」、ファイバーレーザ加工機「PLM-100M」、外観検査用のカメラ、協働ロボットを組み合わせた溶接や印字、検査の自動化システムを展示。ブースでは実際にレーザーを照射しているデモシステムを見ることができる。
 担当者は「ロボットを使うことで、溶接と印字、検査の一連の作業を自動化できる」と話す。

[出展者の声]3つの社会課題に応えるソリューション/オークマ 家城淳社長

オークマ(1D33)の家城淳社長

わが社は「『ものづくりサービス』の力で社会に貢献する」というパーパス(企業の存在意義)を掲げている。創業から今年で125年を迎えるが、お客さまが抱える課題に対するソリューションをその時々のニーズに沿った形で提供してきた。現在の製造業は自動化・省人化、脱炭素化、デジタル活用の3つの社会課題に直面しており、わが社はこれら3つの社会課題に応えるソリューションをMECT2023で提案している。

MECT2023は初日から大勢の来場者でにぎわいを見せた。来場者の興味関心がどこまで実需につながるか、今後に期待したい。

コンセプトゾーンに注目集まる

3号館の特設会場で実施する主催者企画展示ゾーン(コンセプトゾーン)では、「驚きのスゴ技」をテーマに、研削加工と微細加工、5軸加工のそれぞれに込められた“門外不出”の加工技術の一端を紹介している。

アクリルから実物大の昆虫を削りだしたワークや、ファインセラミックス素材の表面を平滑に削り出したワーク、5軸マシニングセンタでしか加工できない形状のMECTオリジナルワークを3つのゾーンで紹介する。

新製品「GREEN TAP」を発表/オーエスジー

 オーエスジー(2B28)は10月18日、コンベンションセンターで新製品「GREEN TAP(グリーンタップ)」を発表した。

 グリーンタップは塑性加工でねじを加工する「盛上げタップ」で、加工時に切りくずが発生しない。また、独自の製法により、一般的な盛上げタップとは異なる刃部形状を採用。製造時に排出される二酸化炭素(CO₂)の量を従来比で半減した。

 開発グループ穴開け開発チームの溝口哲也さんは「工具性能と環境への配慮の両立を実現できた」と胸を張る。グリーンタップは来年をめどに、M1~M6までのサイズで発売を計画している。