ワーク・電極交換用ロボットをパッケージ化/ソディック

ソディック(1B36)の展示テーマは自動化と省エネルギー。自動化では、形彫り放電加工機やマシニングセンタとワーク・電極交換用ロボット「SR12」を組み合わせ、ワーク交換の自動化デモを披露する。「ロボットまでワンストップでパッケージとして提供できるため導入が容易で、何かあった際のサポートも安心」(営業推進課)。

サインポストを目印に移動/THK

 

THK(3C04)は搬送ロボットシステム「SIGNAS(シグナス)」を出品。

サインポストと呼ばれる目印を内蔵カメラで認識しながら移動する独自の誘導方式を採用。一般的な無人搬送車(AGV)とは異なり、磁気テープの設置が必要ない。また、荷物を載せて運ぶ積載タイプと、引いて運ぶけん引タイプの2種類があり、段差やスロープなどがあっても使用できる。

担当者は「AGVや自律走行型搬送ロボット(AMR)を使った搬送の自動化は幅広い業界でトレンドになりつつある。今後、さらにシグナスの引き合いも増えていくだろう」と語る。

工具製造の自動化をワンストップで/ANCA Machine Tools Japan

ANCA Machine Tools JapanはAIMSを国内初披露

オーストラリアに本社を置く工具研削盤メーカーのANCAの日本法人、ANCA Machine Tools Japan(アンカ・マシンツールズ・ジャパン、1C05)はソリッド工具の製造工程を自動化する統合生産システム「AIMS」を国内初披露した。

AIMSはソリッド工具用のパレットを搬送する自律走行型の無人搬送車「AUTOFETCH(オートフェッチ)」などで構成され、工具の研削から測定までの一連の工程を工程間搬送も含めて無人化できるのが特徴だ。日本法人の板倉秀明社長は「工具製造に関わる自動化ソリューションをワンストップで提供できるのが最大の強み。来場者からも『工具製造でもここまで自動化できるのか』と大きな反響があった」と手応えを語る。

ワーク位置検出システムを参考出展/村田機械

Y軸付き正面型CNCターニングセンタ「MWR120」にFLEX EZ LOADER LOPROSSを搭載

村田機械(1B08)は多品種少量生産の自動化に力を発揮するガントリーローダー「FLEX EZ LOADER LOPROSS(フレックス・イージー・ローダー・ロプロス)」向けの新機能として、2Dカメラを使用したワーク位置検出システムを参考出展している。

ワーク位置検出システムとは、2Dカメラで撮影したワークの画像データと事前に登録したワーク形状のマスターデータを照合し、ローダー側にワークの位置や中心座標を教示する機能。担当者は「複数の異なる径のワークを取り扱う場合でも、ティーチング(動作を覚えさせる作業)することなく自動化ができる」と話す。

ロボットによる通い箱の混載を披露/Mujin

Mujin(ムジン、3D01)は、「通い箱仕分けロボット」を展示会に初出品した。教示なしで種類の異なる通い箱を1つのパレットに混載できるのが大きな特徴。それぞれの通い箱の形状が違っていても対応する。

 ブースでは、大型のロボットが種類の異なる通い箱を1つのパレットに積み付け、荷降ろしする様子を実際に見ることができる。

エアも電力も使わずにツールチェンジ/イマオコーポレーション

エンドエフェクターの自動交換のデモの様子

イマオコーポレーション(3C06)はロボット関連製品の提案に力を入れている。目玉の一つは、今年4月に発売したツールチェンジャー「SMARTSHIFT(スマートシフト) ロボットシステム」だ。メカ式のロック機構を採用しており、ロボットハンドなどの各種エンドエフェクターを交換するのにエアや電力を必要としないのが特徴。ロボットアームの水平移動だけで簡単にエンドエフェクターを交換できる。

ブースでは、ファナックの協働ロボット「CRXシリーズ」を使用して複数のエンドエフェクターを交換するデモを披露している。

[出展者の声]イージーな自動化を/ヤマザキマザック 堀部和也上席執行役員

ヤマザキマザック(1A41)の堀部和也上席執行役員

わが社のブースの見どころの一つは「自動化提案」。製造現場で働くオペレーターの数が今後減少するため、日本の製造業各社が事業を継続するには誰でも使える自動化システムが求められる。だからこそ、いかに簡単できめ細かい自動化ソリューションを提供できるかが工作機械メーカーとしての差別化ポイントになる。

MECT2023ではこうした背景を踏まえ、誰でも簡単にセットアップが可能な協働ロボットシステム「Ez LOADER(イージーローダー) シリーズ」などのさまざまな自動化システムを紹介している。

溶接や印字、検査をひとまとめ/physical photon

physical photon(フィジカルフォトン、3S01)は、「QCWファイバーレーザ発振器」と「ガルバノスキャナー溶接ヘッド」、ファイバーレーザ加工機「PLM-100M」、外観検査用のカメラ、協働ロボットを組み合わせた溶接や印字、検査の自動化システムを展示。ブースでは実際にレーザーを照射しているデモシステムを見ることができる。
 担当者は「ロボットを使うことで、溶接と印字、検査の一連の作業を自動化できる」と話す。

[出展者の声]3つの社会課題に応えるソリューション/オークマ 家城淳社長

オークマ(1D33)の家城淳社長

わが社は「『ものづくりサービス』の力で社会に貢献する」というパーパス(企業の存在意義)を掲げている。創業から今年で125年を迎えるが、お客さまが抱える課題に対するソリューションをその時々のニーズに沿った形で提供してきた。現在の製造業は自動化・省人化、脱炭素化、デジタル活用の3つの社会課題に直面しており、わが社はこれら3つの社会課題に応えるソリューションをMECT2023で提案している。

MECT2023は初日から大勢の来場者でにぎわいを見せた。来場者の興味関心がどこまで実需につながるか、今後に期待したい。

かわいいにだまされるな/日本精工

3号館に入るとかわいらしさに目を奪われる

日本精工(3C09)は参考出展の「Active Caster(アクティブキャスター)」を使い、かわいらしさを演出している。アクティブキャスターは、全方向移動やその場回転ができ、独自技術の採用で従来にないコンパクトさを実現した。担当者は「産業機械事業や自動車事業で培った技術を活用し、狭い場所でも静かに動ける駆動ユニットを開発した」と話す。

出展物の見た目はかわいいが、内容は思いのほかハードだ。ぜひ詳しい説明を聞きに行ってほしい。