研削盤用の省エネクーラントタンク/小楠金属工業所

小楠金属工業所(3B10)は、研削盤用のクーラントタンク「2槽渦流循環型クーラント浄化装置」を出展している。タンク内に渦を作り、スラッジなどの堆積を防ぐ。液中の金属粉は磁石で回収し、砥粒(とりゅう)はクーラントを遠心分離して除去する。

 技術部開発課の綿脱努班長は「ポンプでタンクの底から吸い上げ、ろ過した液体を戻して水流を作る。攪拌(かくはん)用のスクリューなどを搭載しておらず、省エネルギーを実現する。ブースでは、液中のプラスチック片を除去するデモを披露している」と説明する。

ミストコレクターを省エネ化/葵精工

葵精工(3C30)はミストコレクターの省エネルギー化を実現する制御ユニットを提案している。既存のミストコレクターに後付けが可能で、クーラントポンプの稼働状況を基にミストコレクターの動作を制御する。クーラントポンプが稼働していない、つまり加工をしていない時間はミストコレクターの動作を停止できるため、大幅な省エネルギー化を実現できる。営業部の纐纈哲生次長は「ミストコレクターに特化した省エネ制御ユニットは珍しく、初日から大きな反響があった」と手応えを語る。

ムダを削る、無駄なく削る/ジェイテクト

ジェイテクト(1D36)は「ムダを削る、無駄なく削る」をテーマに、生産性向上につながる研削盤やマシニングセンタ(MC)など、合わせて4台を展示している。

また、ウェブによる問い合わせ窓口の拡充や、既設機の消費エネルギーの見える化による省エネルギーの実現など、アフターサービスも提案する。

担当者は「製品やアフターサービスなどを含め、トータルでお客さまに貢献していきたい」と語る。

省エネ提案に注力、相談コーナーも設置/SMC

空気圧制御機器メーカーのSMC(3C03)は「次代へのソリューション」を掲げ、省エネルギーや二酸化炭素(CO2)排出削減などの提案に力を入れる。圧縮空気の消費量を最大62%削減できる「エアマネジメントシステム」を展示する他、ブース内に「省エネ相談コーナー」も設置している。

【翻訳者的視点から】グリーンとアップグレード/CERATIZIT Japan

CERATIZIT Japan(セラティジットジャパン、2B07)は超硬丸棒新材種「CT-GS20Y」を、日本向けには「グリーンカーバイド」と銘打つ。「グリーン(緑)」と付くだけで、環境に配慮したものだとわかる。実際に水力発電を使用し、リサイクル原料を使うことで、従来製品比でCO₂排出量を約60%削減した新素材だ。

同社は同じ製品を欧州向けには「upGRADE(アップグレード)」と名付ける。環境配慮だけでなく、製品の質の良さも表すとのこと。確かに日本人としてはアップグレードと聞いただけで環境配慮を連想することは難しい。地域によって売り出し文句が異なるのは、とても興味深い。

[出展者の声]3つの社会課題に応えるソリューション/オークマ 家城淳社長

オークマ(1D33)の家城淳社長

わが社は「『ものづくりサービス』の力で社会に貢献する」というパーパス(企業の存在意義)を掲げている。創業から今年で125年を迎えるが、お客さまが抱える課題に対するソリューションをその時々のニーズに沿った形で提供してきた。現在の製造業は自動化・省人化、脱炭素化、デジタル活用の3つの社会課題に直面しており、わが社はこれら3つの社会課題に応えるソリューションをMECT2023で提案している。

MECT2023は初日から大勢の来場者でにぎわいを見せた。来場者の興味関心がどこまで実需につながるか、今後に期待したい。

気泡の少ない独自コーティング/住友電気工業

住友電気工業(2A17)は、アルミニウム合金など非鉄金属加工向けのドリル「マルチドリルMDA型」を出品。
 独自開発のコーティング素材「オーロラコートX」を採用。コーティング内に気泡が少なく表面が平滑なため、耐溶着性が従来のコーティング素材よりも向上した。

 また、ブース内では「工具でGX! EV駆動部品加工ソリューション」と題したプレゼンテーションを開催。電気自動車(EV)の部品加工で、環境負荷を低減する製品などを紹介している。

本日発表の部品洗浄機などを展示/スギノマシン

 スギノマシン(1A37)は、本日発売を発表した部品洗浄機「JCC-MULTI(マルチ)」や大型部品加工機「GIGAFEEDER(ギガフィーダー)」などを展示する。

 JCC-マルチは、電気自動車に使われる部品向けの洗浄機。環境負荷の軽減に力を入れており、洗浄時のCO₂排出量を従来機比75.1%削減し、乾燥時のCO₂を同52.2%削減する。ブースでは、実際に稼働する様子を見ることができる。
 杉野良暁社長は「わが社の多彩な技術で生産性の向上や脱炭素社会の実現に寄与したい」と意気込みを語った。