「つながる」コンセプト押し出す/ミツトヨ

ミツトヨは測定機器のモックアップでジオラマを展示

ミツトヨ(2D08)のブースで一番目立つのが、生産ラインをイメージしてさまざまな測定機器のモックアップを配置したジオラマだ。測定データがつながることのメリットを提示し、さらには顧客とミツトヨがつながることで生み出せる可能性まで想像させる。もちろん、CNC画像測定機「クイックビジョンPro(プロ)シリーズ」をはじめとする豊富な新製品もそろえる。また、「つながる」や「スマートファクトリー」を分かりやすく伝えるオレンジ色の小冊子も配布している。

環境・二酸化炭素削減をアピール/SMC

 SMC(1A58)は「地球環境最適化宣言!」を掲げ、二酸化炭素(CO₂)排出量の削減につながる空圧機器のエア消費量低減を提案する。例えば圧入作業などの自動化に最適な空圧シリンダー「エンドパワーシリンダ」をアピールする。この製品はピストンロッドに「アシストシリンダ」と「出力シリンダ」の二つの出力機構がつながっており、ストロークの大半はアシストシリンダのみで駆動し、ストロークの最後5mmだけ出力シリンダーの出力も加えることで、強い押し込み力を生み出す。会場では、従来機種の3分の1程度の空気消費量で同等以上の出力を出すデモを披露している。その他会場では、自社の製造工程での CO₂ 削減の取り組みなども動画で紹介する。

ツール交換しながらロボットでバリ取り/日東工器

 日東工器(1C37)はブース内に3台のロボットを設置する。ファナック製ロボットを使ったシステムでは、ハンドチェンジャーでワークハンドリング用のハンドやロボット用ベルトサンダー「ベルトン」などを付け替えながら、バリ取りをイメージしたデモを披露した。「来場者からの反響は大きく、ロボットや自動化への関心は高い」と中日本支社の中川原清隆販売推進課長は言う。

※この記事の再編集版は公式メディア「robot digest(ロボットダイジェスト)」にも掲載予定

自動爪交換システムを初披露/豊和工業

 豊和工業(3D17)はチャックの爪(ジョー)を自動交換する「オートマチック・ジョー・チェンジャー・システム(AJS)」を初披露した。チャックの爪を自動交換できるほか、交換後に振れ測定や、ワークの着脱もできる。
 ロボットがチャック上の爪を移動してロックを解除し、爪を外してストッカーに移動。別の爪をストッカーから取り出してチャックに装着する仕組み。ワークをつかむ把握力や精度の測定もできる。
 「自動車産業を中心に注目されている」(説明員)という。

【新人記者の視点】自動化を誤解していた

DMG森精機ブースの自動化についての説明

自動化とは、従来人がしていた作業を機械に置き換えるという意味だ。私はFA業界に入ってからこの言葉を知った。意味を知った時、このまま人の仕事が全て機械に取られるのではと思った。

今回のMECTでは自動化に焦点を当てた企業が多い。DMG森精機(3C21)は「MATRIS Light(マトリスライト)」を、ヤマザキマザック(3A02)は「デジタル段取り」を自動化のシステムとして出展。

これらの自動化システムには共通するキーワードがあった。「付加価値の高い仕事は人がやる」である。工具の付け替えなど、人がやることに特別な意義が無く、負担が掛かるだけの仕事はロボットが肩代わりする。そして精度の追求など、工作の根幹の部分に人が集中できる環境を自動化によって作り出すのだ。人と機械が仕事を取り合うのではなく、共存する。自動化の意味を誤解していたと痛感した。

自動化パッケージに人だかり/牧野フライス製作所

「DA300 自動化パッケージ」はデザインにも注目

牧野フライス製作所(3B02)が披露する「DA300 自動化パッケージ」が人気を集めている。5軸立形マシニングセンタ(MC)のDA300と40枚のワークストッカー、スケジュール管理ソフトウエア、工具交換装置をパッケージ化した。特に目を引くのはワークストッカーの外観デザイン。またブースのデザインも、人工芝を敷き詰めるなど環境配慮をイメージさせるものとなっており、来場者を楽しませている。

コラボでAIロボットなど展示/ダイドー

ダイドー(1B29)は、「FA&ロボット+AI」をテーマに、さまざまな企業とのコラボレーション展示を披露している。例えばMusashi AI(ムサシエーアイ、愛知県豊橋市、村田宗太社長)とのコラボでは、人工知能(AI)を使った外観検査システムを展示。その他、AIを使ったピッキングシステムなども披露している。

※この記事の再編集版は公式メディア「robot digest(ロボットダイジェスト)」にも掲載予定

既設機向けロボットシステムを初披露/ファナック

ファナック(3D07)は、既設の工作機械を自動化するためのロボットシステム「QSSR ON-SITE(オンサイト)」を披露した。工作機械側の改造なしに、接続してプログラムなどを修正するだけで容易に自動化できる。今年6月にオンライン開催した「第30回ファナック新商品発表展示会」で発表した製品で、「実機を展示するのは今回が初」(製品担当者)と言う。

※この記事の再編集版は公式メディア「robot digest(ロボットダイジェスト)」にも掲載予定

今年発売の新製品が続々と

アマダの 順送プレス加工自動化システム 「SDEW8010iⅢ + ALFAS-03ARZ」

アマダ(3D21)は、「次世代のものづくりにつなぐ最新ソリューション」をテーマに、今年発売したばかりの新製品を続々と披露した。プレスとレーザー、研削加工の分野で、5つの機械やシステムを展示した。

目玉の一つのファイバーレーザ加工機「BREVIS-1212AJ」は、薄板から厚板まで加工できるのが特徴で、最大ワークサイズは1270×1270mm。従来機よりも小型で、「スペースが限られる工場などに導入しやすい」(説明員)。

「SDEW8010iⅢ + ALFAS-03ARZ」は、サーボプレス加工機と高速なロールフィーダーを組み合わせた順送プレス加工自動化システムで、急速に進むEV化に向けて開発された。加工機とフィーダーの操作盤を1つにすることで、操作性を高めた。「自動車の集積地の中部地域で、EV対応の製品をアピールしたい」と説明員は意気込む。

中小も導入しやすい自動搬送付きMC

2機種目となる 機内自動搬送装置「E-Loader」 付きの立形MC

エンシュウ(3B04)は、主軸テーパー30番型の立形マシニングセンタ「GE30Ve」に、機内自動搬送装置「E-Loader(ローダー)」を取り付けた「GE30Ve+E-Loader」を初出展した。

E-Loader付きのMCとしては2機種目。従来機「WE30Ve+E-Loader」と比べ、軸の移動量をX軸600×Y軸800×Z軸400mmに増やし、ワークの可搬質量は片方のアームにつき5倍の50kgに高めることで、顧客の幅広い自動化ニーズに応えられる。

搬送ローダーの駆動源には、MCのX軸を利用する。「ロボットやガントリーローダーでの自動化よりも簡易的で、中小企業でも導入しやすい」と担当者は説明した。