ブローチ加工の新提案/ホーン

ブローチング工具をはじめ超硬溝入れ工具を豊富にラインアップする

ドイツに本社を構えるホーン(2A03)は、ブローチング加工用工具で新たな提案をする。通常は専用のブローチ盤と工具であるブローチを使用するが、ホーンが提案するのは、旋盤でブローチ加工ができるブローチング工具だ。

ホーンの特徴は、小径工具で確固たる評価を確立し、高剛性であること。IZUSHI(2A09)が代理店を務めるが、HORNグループの玉置紅実主任は「国内在庫も十分で即納体制を整えてある。中部支店の刈谷テクニカルセンターではテスト加工の体制も整える」と話す。ブローチ加工の工法転換を検討する来場者は一見の価値があるだろう。

他に各種のギアスカイビングカッターなども展示する。

【驚きのワーク】鷹視眈々/アイジーエヴァース

DMG森精機の5軸加工機で製作した「鷹視眈々」

存在感のあるサンプルワークを発見した。アイジーエヴァース(1C50)が製作した、躍動感のあるタカだ。作品名は「鷹(よう)視眈々」で、四字熟語の「虎視眈々」のトラをタカに変えた。「MECT会場を上から見つめて、チャンスを伺うタカをイメージした」と説明員は話す。

DMG森精機の5軸加工機で、最も難しい先端の翼から切削抵抗を低減しながら加工した。アルミ素材を60時間かけて製作したという。DMG森精機が主催する「切削加工ドリームコンテスト」で受賞した。

MECTに出展するのは初めて。「自動車部品の加工で培った、さまざまな材質や分野での加工技術力を来場者にアピールしたい」と説明員は意気込む。

共同開発の小型MC披露、AIで熱変位補正/ベッコフオートメーション

小型MC「MM120」と共同開発に携わった岩間工業所、ベッコフオートメーション、connectome.designの関係者

ベッコフオートメーション(1A06)は、岩間工業所(1B44)やAIベンチャーの connectome.design (コネクトームデザイン)と共同開発した小型マシニングセンタ(MC)「MM120」を披露した。
 CNCには、ベッコフのリアルタイム制御ソフトウエア「TwinCAT(ツインキャット)3」を実装したパソコンベースのコントローラーを採用。オープンで拡張性が高いのが最大の特徴で、展示機のCNCには主軸に取り付けた8つの温度センサーを基に熱変位を補正する人工知能(AI)モジュールを実装した。AIのアルゴリズム(処理の手順や方法)はコネクトームデザインが開発した。
 ベッコフの高口順一ソリューション・アプリケーション・エンジニアは「岩間工業所の機械製造や加工の技術、ベッコフの制御技術、コネクトームデザインのAI技術を結集して開発した」と自信を見せる。

【驚きのワーク】1mm角の微細なサイコロ/微細加工工業会

さまざまな微細加工のサンプルワークを展示する微細加工工業会(1B46)では、1mm角で最小穴0.09mmの小さなサイコロを披露した。溶接加工を得意とする静岡県富士市のマツダが製作した。高精度なレーザー切断と、サイコロの12辺に、幅0.05mmの溶接を施す技術で、微細なサイコロも組み立てられる。さらに拡大して映したかったが、記者の撮影技術ではこれが限界だった…。

1mm角で、最小穴0.09mmの小さなサイコロ

牧野フライス製作所と提携の「ヘールバイト」/OSG

 オーエスジー(OSG、2A24)は今回展で多くの新製品を初披露した。中でも珍しいのは、牧野フライス製作所との業務提携で生まれた「ヘールバイト」だ。OSG傘下の日新ダイヤモンドが製造する。
 ヘール加工とは真空チャンバーや真空バルブのシール面を加工するための加工で、面粗さ(Ra)0.4㎛を実現するために、これまではエンドミルで円弧状に切削した後に、ウレタン製のスポンジやスポンジ研磨材を使った手磨きが必要だった。
 牧野フライス製作所とOSGの提携で生まれた、対象マシニングセンタでのスーパーヘール加工制御とスーパーヘール用バイトの組み合わせで、送り速度が毎分6000mmの高速加工とRa0.4㎛の高い面粗度を同時に実現。これまでのヘール加工と比べ加工時間を80%削減できる。
 製造する日新ダイヤモンドは単結晶ダイヤモンド工具の製造に強みを持つ。神谷伸顕社長は「単結晶ダイヤモンドは高価との懸念を払しょくし、導入のハードルを下げたい。加工のトータルコストは下げられる」と意気込む。

【驚きのワーク】微細加工の限界は続く/入曽精密

微細加工の可能性を示したフラクタルチェーン

入曽精密(1S04)は、形状はそのままに、サイズを0.7倍ずつ小さくしたアルミ素材のワークを11個つなげたフラクタルチェーン「極限造形」を見せた。チェーンの一番下の最も小さなワークのサイズは、幅0.7mm×厚さ0.3mm。

8軸や3軸のマシニングセンタと、同社の機内用ロボット「ORIGAMI(オリガミ)」で、ワークの向きを自動で変えながら、微細なワークに全面加工を施した。「今後も加工技術を極めて、さらに小さいワークを下につなげ、微細加工の可能性を示したい」と担当者は話した。

EV部品向け2機種、「JTEKT」ロゴに/ジェイテクト

小型円筒研削盤「e300GPi-HYPER」

ジェイテクト(3C18)は小型円筒研削盤「e300GPi-HYPER(ハイパー)」と立形マシニングセンタ「FV7000Z」の2機種を披露した。両機とも電気自動車(EV)の部品加工向けで、 e300GPiはEV用モーターシャフトの研削加工に力を発揮する。「コンパクトな機械だが、砥石(といし)軸の出力を高めて生産性も向上させた」と工作機械・システム事業本部の井土雅裕執行副本部長は説明する。
 また、ロゴマークも従来の「TOYODA」から社名の「JTEKT」に変更した。

EV部品向けにFSW提案/ヤマザキマザック

FSWで製作したモーターケース

「環境対応」「自動化」「デジタル製造」の3つのテーマを掲げ、ファイバーレーザ加工機の新製品「STX-2412」など6台の工作機械を出展したヤマザキマザック(3A02)。
 環境対応の分野では、脱炭素社会の進展と合わせて今後の需要拡大が見込まれる電気自動車(EV)の部品加工向けに、摩擦撹拌(かくはん)接合(FSW)技術を提案した。実機こそ展示しなかったものの、FSWと切削加工で製作したEV用モーターケースなどのサンプルワークを複数点披露した。「FSWと切削加工を融合したハイブリッド複合加工機を2014年に市場投入して以来、FSWの専用工具や機械制御、加工ノウハウを磨いてきた。最近はEV部品向けにも需要が増えている」と堀部和也上席執行役員は語る。

新発売の円筒研削盤を披露/太陽工機

ワーク交換装置も付属した新製品の円筒研削盤「CGX25」

太陽工機(3C14)は、10月15日に発表した円筒研削盤の新製品「CGX25」を展示した。会場ではオプションのワーク交換装置も組み合わせた、 CGX25 はシャフト形状の部品で多いワークの長さ300mmと、工作機械や産業機械などの部品加工でニーズの高い同600、1000mmのワークに対応する3機種をラインアップした。

設置スペースを抑えたのにも関わらず、テーブルや砥(と)石軸の可動範囲を確保し、汎用的に使える。また対話式の研削プログラムを同社で初めて標準搭載した。同社の研削ノウハウを取り入れ、多彩なサイクルパターンと操作を支援する機能を盛り込んだ。操作盤にはタッチパネルを採用して画面上で直接入力でき、より直感的な操作を実現した。

渡辺剛社長は「人手不足や熟練工の引退で、職人技のような円筒研削でも、自動化や作業の簡便化が今後は求められる。オプションのワーク交換装置もローダー式から産業用ロボットを使ったものまで幅広くそろえた。顧客の個別の要望にも応えられる」と話す。