【活躍する説明員】体験してみて!/CKD

CKD(1B18)の販売促進部の後藤未侑さんは、重量物の搬送の負荷を軽減する「パワフルアーム」をPRする。20kgの荷物をサンプルに、アームを手で押し引きして操作する体験ができる。

「土曜日は家族連れの来場者が多く、女性や子どもも多い。重いものを軽く持ち上げる体験をしてもらいたい」と後藤さん。

まずは省力化/帝国チャック

帝国チャック(1C67)は、新製品の「クイックジョウチェンジ」と「クイックストッパーチェンジ」を出品する。ジョー(爪)などのチャック部品を、作業工具を使わず手だけで脱着できる。いずれも展示会に出品するのは初めて。

大平義知企画室長は「ロボット化や自動化はユーザーにとってもハードルが高い。まずは省力化を提案したい」を語る。

エアでできるんだ!?/コスメック

コスメック(1D18)は、新製品の「エアノンリークカプラ」と「ハイパワークランプ」を組み合わせ、24時間エア圧を保持するクランプシステムを出品する。

油圧で保持するのに比べ消費電力が小さく、設備のコストも低い。「油圧ではなくエアでできることに驚かれる来場者も多い」と北村知雄企画・広報室グループリーダーは話す。

オーストリアの研磨ユニットを初披露!/柳瀬

柳瀬(1D55)は、同社が代理店を務めるオーストリアのファーロボティクスのロボット用研磨ユニットを展示した。通常、ロボットで研磨する際は、ティーチングで多数の通過点を細かく設定する必要があるが、ファーロボティクスの研磨ユニットはワークに倣って最大35mm~98mm伸縮する。そのため細かい位置合わせが不要で、ティーチングの手間を大幅に軽減できる。

押し付け力も精密に自動調整でき、押し付け力を高めることもできる。会場では、ロボット本体では約11.7N(1.2kgf)で押し付けている圧力を、研磨ユニットで49N(5.0kgf)に合わせるデモを披露した。「MECT2021で初披露した製品で、引き合いも多く大きな反響があった」(製品担当者)。

大迫力の門形から超精密まで/芝浦機械

「MPF-2614FS」 や 「UVM-450D(H)」 で加工デモする

芝浦機械(3A03)は、門形マシニングセンタ(MC)の「MPF-2614FS」や超精密MC「UVM-450D(H)」を出展。また、同社のモノのインターネット(IoT)基盤「machiNet(マシネット)」を使った連携もアピールした。

会場では自動車のヘッドライト部分の金型をサンプルに加工デモをする。MPF-2614FSで粗加工をし、 UVMシリーズで仕上げ加工を施す。その2台がマシネットで連携するイメージで展示している。

【新人記者の視点】ロボットはかわいい

2台のロボットが協力してケーブルを差し込む

MECTを通じて、確実に言えることがある。「ロボットはかわいい」ということである。

産業用ロボットはオペレーターの指示で動く。指示通りにキビキビ動いている様子が何とも健気でかわいらしい。

上画像のロボットは、2台が力を合わせてケーブルを端子に差し込もうとするところだ。1台動くだけでかわいらしいのに、2台が力を合わせるのだ。これはもはやかわいさの大爆発と言えよう。

1号館の特設展示「コンセプトゾーン」では、富士スピードウェイのコースに沿ってロボットがシールを貼り付ける実演をする。シールをきれいに貼り終えたロボットに視線を移すと、心なしかドヤ顔をしているように見える。対照的に、シールの貼り付けに失敗したロボットはぼうぜんとした表情に見える。

ロボットが感情を持っているとは考えにくいが、「もしかしたら…」と思わされるような瞬間が時々ある。これからもロボットのいろいろな表情を見つけていきたいと思う。

ミスト捕集デモに反響/葵精工

フィルターレスのミストコレクターに電気集塵ユニットを搭載

葵精工(1A56)は、フィルターレスのミストコレクターと電気集塵(じん)ユニット「AM plus(プラス)-e」を一体化した新しいミストコレクターを出展する。フィルターレスと電気集塵の「二段構え」で、ミストの捕集効率を高めた。フィルターレスのミストコレクターで取り切れなかった微粒のミストを電気集塵ユニットで捕集する仕組みだ。
 小間では実際にミストを捕集するデモを実施している。「ミスト捕集の提案への期待度は大きく、デモにも反響があった」と営業部の岡林浩二主任は語る。

末は博士か技術者か!? ロボットに興味津々

 開幕から初の週末を迎えた23日、会場には子ども連れの来場者も多く見られた。主催者が企画して展示する1号館のコンセプトゾーンには、中学生と小学生の子どもを連れた自動車部品メーカー勤務の男性の姿も。
 「仕事の関係で興味があるんですが、私よりも子どもの方が……」と話す。
 熱い視線を感じた説明員が、ロボットを操作するペンダントを中学2年生に渡し操作を促した。
 説明を聞きながらロボットを実際に操作し、ピッキング作業のティーチングを初体験した。隣では、兄の操作をうらやしそうに見つめる10歳の妹の姿も。
 操作の後は、ロボットのアンプなどにも熱心に見入った。

【新人記者の視点】これが私のギリギリでした

会場3号館の俯瞰(ふかん)写真

上画像は展示会の紹介でよく見る構図だ。この写真はどう撮っているだろうか。会場に設置されているカメラで遠隔撮影? ドローンの空撮?

ではなく、記者や報道関係者が会場のキャットウォーク(狭い通路)で撮っている。他の会場ではどうかわからないが、ポートメッセなごやでは、はしごを登って撮影場所へ向かう。私がはしごを登っている間に、下から別の報道関係者が登ってくる。ここで落ちたら大変なことになるぞ、という人命が懸かったプレッシャーの中、登った。

そのプレッシャーを越えた先に見えた景色は格別にきれいだった……と言いたいところだったが、私はどうしようもなく高所恐怖症である。ここから落ちたら問答無用で死ぬじゃん…と思いながらも、雑念を何とか振り払いながら撮影した。一緒に登って撮影していた上司は、柵から腕を伸ばして良いアングルを探りながら撮っていた。しかしそんなまねは私にはできなかった。だって怖いんだもん…。

3号館の撮影はビビりながらも何とかできた。次は1号館の撮影だ。上司や先輩から「1号館は3号館よりもやばい」と聞かされていた。何がどうやばいのかはあえて突っ込んで聞かなかったが、嫌でも想像できる。

1号館に着いたらまたはしごでキャットウォークに登る。3号館のはしごは少し角度が付いていたが、1号館のそれは完全に垂直だった。無心で登った。景色を見たら進むことも戻ることもできなくなる。

登った先に見えた景色は格別にきれいだった……と思う間もなく「1号館はやばい」の意味を理解した。足場が側溝の鉄製ふたのようになっており、スカスカなのである。下の景色がはっきり見える。おまけに足場と柵の間に妙な隙間がある。「ほんまに落ちるやんこれ…」と結構本気で死を想像した。どうしようもない恐怖に足がすくんだのはこれが初めてかもしれない。スイスイと足場を進んでいく上司を眺めることしかできなかった。

ロボット・台車・バイスをパッケージ化/愛知産業

愛知産業(3C16)は、目玉の一つとしてドイツ・ラングのワーク自動交換システム「ロボトレックス」を展示する。産業用ロボットと専用台車、マシニングセンタ用バイス、バイスの脱着を容易にする機器「クイックポイントプレート」をセットにしたシステムだ。ワークをセットしたバイスを事前に多数準備し、バイスごとワークを交換する。「ロボットのシステムインテグレーターでもあるわが社ならではの提案で、既存のマシニングセンタに後付けもできる」と先進機械課の末次巧磨主任は言う。

※この記事の再編集版は公式メディア「robot digest(ロボットダイジェスト)」にも掲載予定