[注目の初出展企業]まずは認知度向上へ/岩本工業
MECT2021に初めて出展する岩本工業(1A22)は、自社開発のクーラントサーバー「楽~ラント」のPRに注力する。楽~ラントはこれまで人手作業に依存していた切削液補充の作業を自動化する装置だ。切削液を指定の濃度まで希釈し、工作機械に自動で供給する。
「楽~ラントは社内の改善活動の中で生まれた。ニッチな商品なので、MECTを通じてまずは認知度を高めたい」と担当者は意気込む。
MECT2021に初めて出展する岩本工業(1A22)は、自社開発のクーラントサーバー「楽~ラント」のPRに注力する。楽~ラントはこれまで人手作業に依存していた切削液補充の作業を自動化する装置だ。切削液を指定の濃度まで希釈し、工作機械に自動で供給する。
「楽~ラントは社内の改善活動の中で生まれた。ニッチな商品なので、MECTを通じてまずは認知度を高めたい」と担当者は意気込む。
松本機械工業(1C73)は初日、「変種変量生産対応コンパクト自動化システム」と題したワークショップを開き、チャックの爪交換の自動化システム「Smart Terrace(スマートテラス)AIO」を紹介した。
スマートテラスはワークの脱着やチャックの爪交換を自動化できるパッケージシステム。使用するロボットに応じて「AIO12」「AIO16」「AIO35」の3機種を用意する。省スペースな上、立ち上げも簡単なのが特徴で、変種変量生産の自動化に貢献する考えだ。会場でも同社小間で実機展示をしている。
村田機械(3A06)は今年9月に発売した正面型2スピンドルターニングセンタ(TC)の新製品「MWR120」を披露した。同社によると、6/8インチサイズの正面型2スピンドルTCの中では初めてY軸機能を搭載したという。工程集約で段取り回数を削減し、多品種中量のワークを効率的に生産する。主なターゲットは一般産業機械の部品などだ。「従来は自動車部品の量産を得意としてきたが、今後は多品種中ロット生産の領域にも注力する。多品種のワークの加工では段取り替えが課題になるが、工程集約を通じて省段取りを実現したい」と担当者は語る。
また、オートティーチング(教示)機能を搭載して再教示の作業を不要にした新型ガントリーローダー「FLEX EZ LOADER LOPROSS(フレックス・イージー・ローダー・ロプロス)」も参考出展した。
スター精密(3C15)の主力製品はスイス型CNC自動旋盤だが、影の目玉出展はこちら。
協働ロボットを無人搬送車(AGV)に搭載し、自動旋盤で加工したワークを回収するシステムを実演展示している。
洗浄後に乾燥させたワークを自動計測し、良品と不良品を仕分けるのはもちろん、良品から加工補正値を割り出し、補正値を自動旋盤に送信する仕組みだ。
「展示スペースの都合で1台での実演だが、1台のAGVに複数の自動旋盤を担当させれば、順次ワークを回収しながら、それぞれの加工機に補正値を送信し続けることで無人工場を実現できる」(説明員)という。
DMG森精機(3C21)は「5軸複合化」「自動化」「デジタル化」をテーマに、ロボットシステムの実機や、計測システムのプレゼンテーションなどを見せた。
テーマの一つの「自動化」では、ワークの搬送や着脱を自動化できるロボットシステム2台を披露した。「MATRIS Light(マトリスライト)」は、台車に協働ロボットを搭載したシステムで、手で押して簡単に移動でき、多品種少量生産に向く。
「WH-AGV5」は、独自の無人搬送車(AGV)と安川電機の協働ロボットを組み合わせた、自律走行型のシステムだ。磁気テープやマーカーなしで走行でき、35mmの段差も乗り越えられる。会場では、WH-AGV5が直径27mmの丸パイプをつかんで搬送し、直径28~30mmの連続した3つの穴に丸パイプを入れるデモンストレーションを披露した。「協働ロボットに搭載されたカメラが、エイプリルタグを読み取る。タグを読み取った角度を認識するため、ロボットがどんな姿勢でも高精度な位置決めができる」と説明員は話す。
その他には、同社が主催する優れた切削加工ワークを表彰する「第16回ドリームコンテスト」の受賞作品も展示した。
1号館には、来年6月30日~7月2日開催の産業用ロボットと自動化システムの専門展「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN(ロボットテクノロジージャパン、RTJ)2022」の出展相談をするためのブースもある。MECT2021と同じ主催者が開催する展示会だ。「説明を聞くだけ、パンフレットを持って帰るだけでもいいので、まずは気軽にブースまで来ていただければ」と担当者は言う。
THK(1B19)は多彩な製品を展示するが、目玉の一つが来月発売予定のロボットハンド「ならいハンドユニット」だ。ハンドの把持面がワーク形状に倣うため、ハンド交換なしでさまざまな物をつかめる。接触点が多くなるため、把持による各接点の圧力が少なく、搬送時の破損リスクも軽減できる。挟んでつかむ「ならいグリップハンド」と吸い付けて搬送する「ならい吸着ハンド」の2タイプをラインアップする。
タカハシキカイ(3C12)は、くし刃型NC旋盤にロボットを搭載して展示する。ロボットを機械の上に取り付けているため、非常に省スペースで、人の作業の邪魔にもならない。設置用のフレームはガントリーローダーと共用で「サイクルタイムが早ければガントリーローダー、少量多品種ならロボットが最適」と小林直樹名古屋営業所所長は言う。会場に行けない遠方の顧客向けに、会場からライブ配信も予定する。
ツガミ(3A08)は、ロボットを使い自動旋盤のさらなる自動化を提案する。切り落とした加工後のワークの整列作業を、安全柵なしで使える協働ロボットが担う。「二次加工や測定工程がある場合、これまでは人手で整列させており、自動化したいとのニーズが高かった」(中部営業部)。
太陽工機(3C14)は、10月15日に発表した円筒研削盤の新製品「CGX25」を展示した。会場ではオプションのワーク交換装置も組み合わせた、 CGX25 はシャフト形状の部品で多いワークの長さ300mmと、工作機械や産業機械などの部品加工でニーズの高い同600、1000mmのワークに対応する3機種をラインアップした。
設置スペースを抑えたのにも関わらず、テーブルや砥(と)石軸の可動範囲を確保し、汎用的に使える。また対話式の研削プログラムを同社で初めて標準搭載した。同社の研削ノウハウを取り入れ、多彩なサイクルパターンと操作を支援する機能を盛り込んだ。操作盤にはタッチパネルを採用して画面上で直接入力でき、より直感的な操作を実現した。
渡辺剛社長は「人手不足や熟練工の引退で、職人技のような円筒研削でも、自動化や作業の簡便化が今後は求められる。オプションのワーク交換装置もローダー式から産業用ロボットを使ったものまで幅広くそろえた。顧客の個別の要望にも応えられる」と話す。