まずは省力化/帝国チャック
帝国チャック(1C67)は、新製品の「クイックジョウチェンジ」と「クイックストッパーチェンジ」を出品する。ジョー(爪)などのチャック部品を、作業工具を使わず手だけで脱着できる。いずれも展示会に出品するのは初めて。
大平義知企画室長は「ロボット化や自動化はユーザーにとってもハードルが高い。まずは省力化を提案したい」を語る。
帝国チャック(1C67)は、新製品の「クイックジョウチェンジ」と「クイックストッパーチェンジ」を出品する。ジョー(爪)などのチャック部品を、作業工具を使わず手だけで脱着できる。いずれも展示会に出品するのは初めて。
大平義知企画室長は「ロボット化や自動化はユーザーにとってもハードルが高い。まずは省力化を提案したい」を語る。
葵精工(1A56)は、フィルターレスのミストコレクターと電気集塵(じん)ユニット「AM plus(プラス)-e」を一体化した新しいミストコレクターを出展する。フィルターレスと電気集塵の「二段構え」で、ミストの捕集効率を高めた。フィルターレスのミストコレクターで取り切れなかった微粒のミストを電気集塵ユニットで捕集する仕組みだ。
小間では実際にミストを捕集するデモを実施している。「ミスト捕集の提案への期待度は大きく、デモにも反響があった」と営業部の岡林浩二主任は語る。
愛知産業(3C16)は、目玉の一つとしてドイツ・ラングのワーク自動交換システム「ロボトレックス」を展示する。産業用ロボットと専用台車、マシニングセンタ用バイス、バイスの脱着を容易にする機器「クイックポイントプレート」をセットにしたシステムだ。ワークをセットしたバイスを事前に多数準備し、バイスごとワークを交換する。「ロボットのシステムインテグレーターでもあるわが社ならではの提案で、既存のマシニングセンタに後付けもできる」と先進機械課の末次巧磨主任は言う。
日本精工(1B14)は、カーボンニュートラル(CN、炭素中立)への取り組みを強めている。今回展でもCN対応の新製品がある。リニアガイドの長寿命シリーズ「DH型、DS型」もその一つ。転がり軸受けの製造で培った同社独自の熱処理技術をリニアガイドにも転用し、従来比2倍の寿命を実現した。自動車設備や搬送装置などへの採用がターゲットだ。
また、リニアガイドの長期メンテナンスフリーを実現する潤滑ユニット「NSK K1-L」も展示。こちらも従来比2倍の長期メンテフリーを実現した。
北川鉄工所(1C71)は、次世代チャックの「DLR」シリーズと「BRT」シリーズを参考出品した。DLRシリーズとBRTシリーズは現在発売中の「BR」シリーズから派生したもの。BRシリーズは従来のモデルでは把握精度が0.02~0.03mmだったものを、0.01mmに改良した製品。今回参考出品した2製品は、把握精度はBRシリーズと同様だ。DLRシリーズは薄型軽量のモデルで、BRTシリーズは2つ爪仕様のモデル。「発売日はまだ正式には決まっていないが、近日中に発表できる」と説明員は話す。
高広工業(1B26)は「直線・回転位置決めユニット」を参考出展した。直線ユニットにはカム曲線のスクリューを採用して滑らかな加減速を実現し、回転ユニットにはローラーギアカムの機構を取り入れてバックラッシをゼロにした。工作機械や半導体製造装置間の搬送や、食品充てん装置などへの採用を見込む。
小間では、ワイングラスを真っすぐ動かしたり回転させたりしながら、ワインが全くこぼれない様子を来場者に披露した。菅沼哲郎社長は「滑らかな動きをぜひ見てほしい」と話す。
豊和工業(3D17)はチャックの爪(ジョー)を自動交換する「オートマチック・ジョー・チェンジャー・システム(AJS)」を初披露した。チャックの爪を自動交換できるほか、交換後に振れ測定や、ワークの着脱もできる。
ロボットがチャック上の爪を移動してロックを解除し、爪を外してストッカーに移動。別の爪をストッカーから取り出してチャックに装着する仕組み。ワークをつかむ把握力や精度の測定もできる。
「自動車産業を中心に注目されている」(説明員)という。
アルプスツール(1D59)は独自ブランドのコレットチャック「ARコレット」を展示した。ARコレットは全品検査をした上で等級分けをしており、振れ精度の社内等級の呼称を従来の「S級」から「A級」に改め、振れ精度を10μmから8μmに高めた。「検査基準を厳しくし、品質の良さをアピールしたい」とマーケティング担当者は語る。
この他、直径20mmまでの棒材を供給する新型のバーフィーダーも参考出展した。
「これまでは小間内に数多くの製品を展示していたが、一つ一つの製品にもっと焦点を当ててPRするため、今回は製品点数をあえて絞った」とマーケティング担当者は説明する。
ユキワ精工の酒巻弘和社長
「新型コロナウイルスの感染者は減少しているが、まずは『感染しないことを第一』に、気を抜かずに臨む」と話すのはユキワ精工(1D16)の酒巻弘和社長だ。感染対策を徹底した上で、同社は会場でツールホルダー「スーパーG1チャック」をアピールする。「この製品を知らない人たちは損をしていると思う。MECT2021で、この製品を中部圏の多くのユーザーに知ってほしい」と話す。
MECT2021に初めて出展する岩本工業(1A22)は、自社開発のクーラントサーバー「楽~ラント」のPRに注力する。楽~ラントはこれまで人手作業に依存していた切削液補充の作業を自動化する装置だ。切削液を指定の濃度まで希釈し、工作機械に自動で供給する。
「楽~ラントは社内の改善活動の中で生まれた。ニッチな商品なので、MECTを通じてまずは認知度を高めたい」と担当者は意気込む。