滑らかな動きでワインこぼさず搬送/高広工業

直線と回転の位置決めユニットを参考出展

高広工業(1B26)は「直線・回転位置決めユニット」を参考出展した。直線ユニットにはカム曲線のスクリューを採用して滑らかな加減速を実現し、回転ユニットにはローラーギアカムの機構を取り入れてバックラッシをゼロにした。工作機械や半導体製造装置間の搬送や、食品充てん装置などへの採用を見込む。
 小間では、ワイングラスを真っすぐ動かしたり回転させたりしながら、ワインが全くこぼれない様子を来場者に披露した。菅沼哲郎社長は「滑らかな動きをぜひ見てほしい」と話す。

EV向け測定ソリューション/レニショー

EV用モーターのステーターを「REVOシステム」で計測

レニショー(2D20)は電気自動車(EV)向けの測定ソリューションを提案する。小間では、3次元測定機用のマルチセンサー5軸計測システム「REVO(レボ)システム」を使い、「ステーター」と呼ばれるEV用モーターの固定子を高精度に計測するデモを披露した。アタッチメントを取り換えるだけで、接触式のスキャニングプローブや非接触式のビジョンプローブなどを使い分けながら測定できるのが特徴だ。「ステーターには多くの測定ポイントがあるが、レボシステムを使えば1台の3次元加工機で測定できる」と広報担当者は語る。
 また、機上測定用のプローブなどを搭載した小型マシニニングセンタとロボット、ゲージングシステム「Equator(イクエーター)」を組み合わせた自動測定セルも披露した。

「機ロボ一体」の新製品アピール/エグロ

ロボットを搭載した小型CNC旋盤「NUCROBO-101C」

エグロ(3A10)は、工作機械とロボットを一体化した「機ロボ一体」の小型CNC旋盤の新製品「NUCROBO(ナックロボ)-101C」を展示した。主軸側の上部にロボットとワークストッカーを設置してフロアスペースを大幅に抑えたが、従来機よりもX軸ストロークを増やした。「ロボットシステムを導入するには安全柵などの設置スペースも必要だが、当機なら機械寸法分のスペースでワークの脱着を自動化できる」と営業担当者は強調する。

強化したラインアップをPR/ダイジェット工業

ショルダーエクストリーム EXSAP型

ダイジェット工業(2A12)は、刃先交換式工具「ショルダーエクストリーム EXSAP/MSX型」やソリッド工具「ストライクドリル」といった新製品を出品し、強化したラインアップをPRする。

ショルダーエクストリームは肩削りを基本に、平面や溝、プランジ加工にも使用でき、粗加工から中仕上げ加工まで対応する。ストライクドリルはステンレスにも食いつきが良く、低抵抗で直進性が高い。いずれも、自動車部品など量産加工向けに提案する。

営業企画課の伊佐治良文さんは「展示した新製品に加え、特注工具の短納期対応もPRする」と話す。

機内ロボで爪交換も自動化/中村留精密工業

新開発の機内ロボット「Flex Arm」を搭載した複合加工機「WY-150」

中村留精密工業(3B13)は3台の複合加工機を出展した。目玉は初披露の機内ロボット「Flex Arm(フレックスアーム)」で、2スピンドル2タレットの複合加工機「WY-150」に搭載して展示した。
 フレックスアームはワークの着脱やチャックの爪交換などが自動化できる機内ロボット。多品種少量のワークの自動化にも柔軟に対応できるのが特徴だ。「自動化ニーズは非常に高まっている。フレックスアームへの注目度は高く、『こんな製品があるのか』との声も聞かれた」と中村匠吾専務は話す。

共同開発の小型MC披露、AIで熱変位補正/ベッコフオートメーション

小型MC「MM120」と共同開発に携わった岩間工業所、ベッコフオートメーション、connectome.designの関係者

ベッコフオートメーション(1A06)は、岩間工業所(1B44)やAIベンチャーの connectome.design (コネクトームデザイン)と共同開発した小型マシニングセンタ(MC)「MM120」を披露した。
 CNCには、ベッコフのリアルタイム制御ソフトウエア「TwinCAT(ツインキャット)3」を実装したパソコンベースのコントローラーを採用。オープンで拡張性が高いのが最大の特徴で、展示機のCNCには主軸に取り付けた8つの温度センサーを基に熱変位を補正する人工知能(AI)モジュールを実装した。AIのアルゴリズム(処理の手順や方法)はコネクトームデザインが開発した。
 ベッコフの高口順一ソリューション・アプリケーション・エンジニアは「岩間工業所の機械製造や加工の技術、ベッコフの制御技術、コネクトームデザインのAI技術を結集して開発した」と自信を見せる。

工程を集約できる内面研削盤を初披露/西部電機

冷間鍛造金型向け内面研削盤「SFG-35P」

西部電機(3D04)は、冷間鍛造金型向けの内面研削盤「SFG-35P」を展示会初披露した。砥(と)石とインサートチップを組み合わせてセットできるハイブリッド加工を採用しており、ワークを削る量に合わせて使い分けができる。工作生産部製造課の福島敏夫さんは「測定機能も搭載しているので、測定、粗加工、仕上げ加工の3工程を1台に集約できる」と話す。

3本目の事業の柱に/トーヨーエイテック

工機商品企画・開発課の青木省二課長(中)、尾崎誠主幹(右)と野村亮太主幹

トーヨーエイテック(3C17)は、歯車研削盤「TGG-26-2W」を出品する。既存の内面研削盤とワイヤソーに次ぐ3本目の事業の柱として歯車研削盤の開発に力を入れ、製品として完成させた。

TGG-26-2Wの最大の特徴は、ワークを回転させる主軸が2本あり、一方のワークを加工中に次のワークの段取りができることだ。また、歯車の内面や端面を加工する内面研削盤とラインを構築することで、歯車の全ての面を加工できる。

開発を主導した商品企画・開発課の青木省二課長は「機械の剛性にこだわって開発した。基礎である剛性が高いことで、制御やソフトウエアがうまく機能する」と語る。

[注目の初出展企業]配膳ロボットが工場内物流にも/三機

ネコ型の配膳ロボットに注目集まる

MECT2021に初出展した三機(1A18)は、今年7月から取り扱いを始めた中国のPUDU ROBOTICS(プードゥーロボティクス)の配膳ロボットを披露した。
 自律走行型の搬送ロボットで、ネコの顔を模したタッチパネルが特徴的だ。FA営業部RB企画課の吉田勝彦課長は「エンターテインメント性が高く、本来は飲食店などでの配膳や案内に使うロボットだが、意外にも工場内物流のニーズが高いことが分かった」と手応えを語る。

「つながる」コンセプト押し出す/ミツトヨ

ミツトヨは測定機器のモックアップでジオラマを展示

ミツトヨ(2D08)のブースで一番目立つのが、生産ラインをイメージしてさまざまな測定機器のモックアップを配置したジオラマだ。測定データがつながることのメリットを提示し、さらには顧客とミツトヨがつながることで生み出せる可能性まで想像させる。もちろん、CNC画像測定機「クイックビジョンPro(プロ)シリーズ」をはじめとする豊富な新製品もそろえる。また、「つながる」や「スマートファクトリー」を分かりやすく伝えるオレンジ色の小冊子も配布している。