微細精密向け5軸で市場に挑む/三井精機工業

「プレシジョンセンターPJ303X」の加工室

三井精機工業(3C19)は微細精密加工向けの5軸加工機「プレシジョンセンターPJ303X」を展示した。主軸の回転数は最大5万回転。機械構造を工夫した上で独自の熱変位の補正機能を標準搭載し、主軸やヘッドの熱変位を抑える。繰り返し精度は、3つの直行軸のいずれも1μm以下を保証する。

担当者は「わが社は、テーブルが旋回する形式の5軸加工機が得意。旋回テーブルまで内製して独自の調整を施せる。これまで培ったノウハウを全てつぎ込んだ自信作」と胸を張る。

切れ味鋭い7色の小径ドリル/サイトウ製作所

サイトウ製作所の新製品ルーマドリル「ADR-DLC/ADRL-DLC」

サイトウ製作所(2A07)は、今年4月に発売した小径のルーマドリル「ADR-DLC/ADRL-DLC」を展示した。ダイヤモンドに模した炭素のコーティング(DLCコーティング)を非常に薄く施した。切れ刃の厚さが厚くならないため、切れ味はコーティングの無い工具と同等ながら、溶着しにくい工具表面を実現した。

斉藤之宏専務は「一般的なDLCコーティングでは黒光りするが、この製品は非常に薄くできたため7色に光沢する。ぜひ現物を見てほしい」とアピールする。

キーワードは高能率/住友電気工業

高送りカッター「DMSW」型

住友電気工業(2C18)では、高送りカッターの「DMSW」型を展示する。複数の円弧が連なった複合円弧形状の切れ刃を採用。小さい切込みと大きい切込みを両立し、1刃当たりの送り量は最大3.5mmと高能率加工が可能。布目令名古屋市販グループ長は「高能率加工ができる高送りカッターは自動車部品加工に役立つので今回の一押し」と話す。

加工室内用カメラを国内初披露/安藤

工作機械の加工室内用カメラ「VisionLine RWC2.0」

安藤(1A32)は、ドイツのUYAR(ウィアー)製の工作機械専用カメラ「VisionLine(ビジョンライン) RWC2.0」を国内初披露した。
 ビジョンライン RWC2.0は、カメラレンズを保護するガラスが回転してクーラントを弾くことで、加工室内の状況を鮮明に撮影できるのが特徴だ。安藤義和取締役は「工作機械メーカーなどを中心に、想定以上の反響があった。『この製品を見に来た』と言う来場者も多かった」と手応えを語る。

コントローラーの操作を体験できる/安田工業

Openeの体験コーナー

安田工業(3D15)は、5軸加工機の「YBM Vi40」と「H40i-100」を展示する。ブース内には来場者の困りごとに合った製品を紹介するパネルがあり、分かりやすさを重視する。「YBM Vi40」と「H40i-100」は、独自のコントローラー「Opene(オペネ)」を搭載。オペネの体験コーナーもあり、実際に操作できる。「操作性が良いので、導入した企業から好評の声が多い」と担当者は胸を張る。

伝統と最新技術を融合したスケール/マグネスケール

今回展で発表した新製品「SQ27」

マグネスケール(2D10)は、今回展でリニアエンコーダー「スマートスケールシリーズ」の新製品「SQ27」を発表した。微細精密向けや小型のマシニングセンタを中心に、より正確な計測をするため、ボールねじの近くなどの狭くて取り付け作業をしにくい箇所にリニアエンコーダーを設置するニーズがあった。そこで、 同シリーズで最も小型な製品を開発した。

小型にするために、伝統的な構造と最新技術を組み合わせた。ベアリングでスケールのレールを駆動する伝統的なリニアエンコーダーの方式に、保護等級IP67Gなど耐環境性の高い最新式のセンサーを取り付けた。

開発担当者は「オープン型のスマートスケールで培った技術と経験をさらに磨き上げ、機構部品を内蔵しても耐環境性を向上させ安定した性能を発揮できる方式を実現した。この新製品で狭所スペースへの取付けが必要なマシンへの採用機会を狙っていきたい」と意気込む。

キラリと光るニッチ工具/MOLDINO

モルディノの立壁/底面仕上げ用8枚刃エンドミル

MOLDINO(2A19、モルディノ)の新製品は、キラリと光るニッチ工具だ。立壁/底面仕上げ用8枚刃エンドミルは、ラジアスタイプの「ER8WB-ATH」とスクエアタイプの「ES8WB-ATH」の2種類を用意する。

金型をはじめ、ポケット加工で立壁や底面に高い精度が求められるケースは多い。従来は手戻りを繰り返しながら高精度に仕上げていた。同製品は、用途を絞って仕様を最適にし、高精度加工の効率化を提案する。

担当者は「立壁や底面の仕上げは市場性が大きいわけではないニッチな分野だが、精度が必要で大事な加工。困っている顧客に寄り添いたい」とPRに力を入れる。

CN対応の長寿命製品を披露/日本精工

リニアガイドの長寿命シリーズ「DH型、DS型」(左)と潤滑ユニット「NSK K1-L」

日本精工(1B14)は、カーボンニュートラル(CN、炭素中立)への取り組みを強めている。今回展でもCN対応の新製品がある。リニアガイドの長寿命シリーズ「DH型、DS型」もその一つ。転がり軸受けの製造で培った同社独自の熱処理技術をリニアガイドにも転用し、従来比2倍の寿命を実現した。自動車設備や搬送装置などへの採用がターゲットだ。

また、リニアガイドの長期メンテナンスフリーを実現する潤滑ユニット「NSK K1-L」も展示。こちらも従来比2倍の長期メンテフリーを実現した。

2台を一体化したMC披露/メクトロン

ツインMC「MTW-T360」

メクトロン(3B10)は、主軸テーパーBT30番のツインマシニングセンタ(MC)「MTW-T360」を初披露した。BT30番の小型MC2台を一体化し、搬送用のローダーも内蔵した。単体機2台を連結させたラインと比べ、大幅な省スペース化を実現した。同一部品を2つ同時に加工したり、第一工程と第二工程に分割して加工したりと、多様な使い方ができるのが特徴だ。「コンパクトさと生産性を両立した。多くの人が興味を示してくれた」と営業担当者は語る。

次世代チャックを参考出品/北川鉄工所

参考出品の薄型DLチャック「DLR」シリーズ

北川鉄工所(1C71)は、次世代チャックの「DLR」シリーズと「BRT」シリーズを参考出品した。DLRシリーズとBRTシリーズは現在発売中の「BR」シリーズから派生したもの。BRシリーズは従来のモデルでは把握精度が0.02~0.03mmだったものを、0.01mmに改良した製品。今回参考出品した2製品は、把握精度はBRシリーズと同様だ。DLRシリーズは薄型軽量のモデルで、BRTシリーズは2つ爪仕様のモデル。「発売日はまだ正式には決まっていないが、近日中に発表できる」と説明員は話す。