CFRP用のレーザ加工機を開発/三菱電機

5軸のレーザーヘッドで曲面も自在に加工できる

三菱電機(3B01)は、10月18日に発売した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)用レーザ加工機「CVシリーズ」を展示した。発振器と増幅器を同一にした炭酸ガスレーザーの発振器を開発。融解温度の異なる炭素繊維と樹脂に対応するため、波形の動きが激しいパルス波と高出力を両立した。切削加工やウォータージェット加工よりも約6倍の加工速度を誇る。また切れ味が鋭く、加工断面に炭素繊維の飛び出しもない。

清水則之執行役員は「自動車業界では二酸化炭素の排出量削減や電気自動車での採用を前提に、車体の軽量化を求められ、CFRPが注目を浴びる。 CFRP を熱間プレスで加工すると余分な取り代が出る。その2次加工に有効に使える」と胸を張る。

今年発売の新製品が続々と

アマダの 順送プレス加工自動化システム 「SDEW8010iⅢ + ALFAS-03ARZ」

アマダ(3D21)は、「次世代のものづくりにつなぐ最新ソリューション」をテーマに、今年発売したばかりの新製品を続々と披露した。プレスとレーザー、研削加工の分野で、5つの機械やシステムを展示した。

目玉の一つのファイバーレーザ加工機「BREVIS-1212AJ」は、薄板から厚板まで加工できるのが特徴で、最大ワークサイズは1270×1270mm。従来機よりも小型で、「スペースが限られる工場などに導入しやすい」(説明員)。

「SDEW8010iⅢ + ALFAS-03ARZ」は、サーボプレス加工機と高速なロールフィーダーを組み合わせた順送プレス加工自動化システムで、急速に進むEV化に向けて開発された。加工機とフィーダーの操作盤を1つにすることで、操作性を高めた。「自動車の集積地の中部地域で、EV対応の製品をアピールしたい」と説明員は意気込む。

中小も導入しやすい自動搬送付きMC

2機種目となる 機内自動搬送装置「E-Loader」 付きの立形MC

エンシュウ(3B04)は、主軸テーパー30番型の立形マシニングセンタ「GE30Ve」に、機内自動搬送装置「E-Loader(ローダー)」を取り付けた「GE30Ve+E-Loader」を初出展した。

E-Loader付きのMCとしては2機種目。従来機「WE30Ve+E-Loader」と比べ、軸の移動量をX軸600×Y軸800×Z軸400mmに増やし、ワークの可搬質量は片方のアームにつき5倍の50kgに高めることで、顧客の幅広い自動化ニーズに応えられる。

搬送ローダーの駆動源には、MCのX軸を利用する。「ロボットやガントリーローダーでの自動化よりも簡易的で、中小企業でも導入しやすい」と担当者は説明した。

IoTの新機能を参考出品/トーヨーエイテック

トーヨーエイテック(3C17)は、自社製NC装置「TOYOMATC(トーヨーマチック)」の4つの新機能を参考出品した。CO2排出量を可視化する「CO2モニタ」や、データを共有してリモートでメンテナンスをするサービスにカメラ映像を追加する「カメラオプション」など、モノのインターネット(IoT)関連の機能も強化した。

工機開発設計部電気設計課の上杉燎平さんは「IoT技術は常に進歩している。新機能を見てもらいたい」と話す。

1.6倍の高速駆動/東京精密

東京精密(2D18)の「SURFCOM NEX(サーフコム ネックス)」は、 表面粗さ・輪郭形状測定機 の新製品 だ。表面粗さと輪郭形状の両方を1台で測定できる。「より広いレンジに対応し、従来比1.6倍の高速駆動を実現した。それでいて価格は据え置いた」と担当者は自信を見せる。

自動車の来月からの回復に期待/タンガロイ

タンガロイ の 和田健二中部支店長は「来月からの回復に期待している」と 話す

タンガロイ(2A22)は溝入れ工具の「AddInternalCut(アド・インターナル・カット)」や「AddForceCut(アド・フォース・カット)」をはじめとする新製品群、「ADDシリーズ」の拡販に力を入れる。和田健二中部支店長は「自動車産業の稼働率が下がっており、特に中部市場の市況は厳しい。しかし来月からの回復に期待している」と、来場者へのPRにも熱がこもる。

工程集約で「多品種」狙う/村田機械

6/8インチチャックの正面型2スピンドルターニングセンタでは初めてY軸機能を搭載

村田機械(3A06)は今年9月に発売した正面型2スピンドルターニングセンタ(TC)の新製品「MWR120」を披露した。同社によると、6/8インチサイズの正面型2スピンドルTCの中では初めてY軸機能を搭載したという。工程集約で段取り回数を削減し、多品種中量のワークを効率的に生産する。主なターゲットは一般産業機械の部品などだ。「従来は自動車部品の量産を得意としてきたが、今後は多品種中ロット生産の領域にも注力する。多品種のワークの加工では段取り替えが課題になるが、工程集約を通じて省段取りを実現したい」と担当者は語る。
 また、オートティーチング(教示)機能を搭載して再教示の作業を不要にした新型ガントリーローダー「FLEX EZ LOADER LOPROSS(フレックス・イージー・ローダー・ロプロス)」も参考出展した。

新発売の円筒研削盤を披露/太陽工機

ワーク交換装置も付属した新製品の円筒研削盤「CGX25」

太陽工機(3C14)は、10月15日に発表した円筒研削盤の新製品「CGX25」を展示した。会場ではオプションのワーク交換装置も組み合わせた、 CGX25 はシャフト形状の部品で多いワークの長さ300mmと、工作機械や産業機械などの部品加工でニーズの高い同600、1000mmのワークに対応する3機種をラインアップした。

設置スペースを抑えたのにも関わらず、テーブルや砥(と)石軸の可動範囲を確保し、汎用的に使える。また対話式の研削プログラムを同社で初めて標準搭載した。同社の研削ノウハウを取り入れ、多彩なサイクルパターンと操作を支援する機能を盛り込んだ。操作盤にはタッチパネルを採用して画面上で直接入力でき、より直感的な操作を実現した。

渡辺剛社長は「人手不足や熟練工の引退で、職人技のような円筒研削でも、自動化や作業の簡便化が今後は求められる。オプションのワーク交換装置もローダー式から産業用ロボットを使ったものまで幅広くそろえた。顧客の個別の要望にも応えられる」と話す。