【新人記者の視点】MECT開幕
メカトロテックジャパン(MECT)2021が10月20日に開幕した。
前回のMECT2019から今回のMECT2021の間に新型コロナウイルス感染症が流行し、状況が大きく変わった。企業は展示会などの新製品を大々的にPRする場を失った。そうした中で開幕した今回のMECT。出展者同士で「なんだか同窓会のような雰囲気だな」と話し合う言葉が聞こえた。FA業界に飛び込んだばかりの新人記者でも、出展者の感慨にふける気持ちをひしひしと感じた。
メカトロテックジャパン(MECT)2021が10月20日に開幕した。
前回のMECT2019から今回のMECT2021の間に新型コロナウイルス感染症が流行し、状況が大きく変わった。企業は展示会などの新製品を大々的にPRする場を失った。そうした中で開幕した今回のMECT。出展者同士で「なんだか同窓会のような雰囲気だな」と話し合う言葉が聞こえた。FA業界に飛び込んだばかりの新人記者でも、出展者の感慨にふける気持ちをひしひしと感じた。
村田機械(3A06)は今年9月に発売した正面型2スピンドルターニングセンタ(TC)の新製品「MWR120」を披露した。同社によると、6/8インチサイズの正面型2スピンドルTCの中では初めてY軸機能を搭載したという。工程集約で段取り回数を削減し、多品種中量のワークを効率的に生産する。主なターゲットは一般産業機械の部品などだ。「従来は自動車部品の量産を得意としてきたが、今後は多品種中ロット生産の領域にも注力する。多品種のワークの加工では段取り替えが課題になるが、工程集約を通じて省段取りを実現したい」と担当者は語る。
また、オートティーチング(教示)機能を搭載して再教示の作業を不要にした新型ガントリーローダー「FLEX EZ LOADER LOPROSS(フレックス・イージー・ローダー・ロプロス)」も参考出展した。
ブルーム-ノボテスト(2C28)は、動画と実機の「ハイブリッド展示」で自社製品をPRする。実機を展示して来場者に詳しく製品の特徴を紹介すると共に、小間内に人が密集するのを防ぐために大型モニターで動画も発信し、遠くからでも製品の特徴が分かるよう工夫した。
展示の目玉は「ポータブルスピンドルコントロール(PSC)」。工具測長用のレーザーシステム「LC50-DIGILOG(デジログ)」と、測定データを解析して主軸の振れなどを可視化するソフトウエア「LC-VISION(ビジョン)」を組み合わせたポータブル装置だ。同社製のレーザーシステムが搭載されていない工作機械でも、主軸の振れを可視化でき保全やサービスに生かせる。
「環境対応」「自動化」「デジタル製造」の3つのテーマを掲げ、ファイバーレーザ加工機の新製品「STX-2412」など6台の工作機械を出展したヤマザキマザック(3A02)。
環境対応の分野では、脱炭素社会の進展と合わせて今後の需要拡大が見込まれる電気自動車(EV)の部品加工向けに、摩擦撹拌(かくはん)接合(FSW)技術を提案した。実機こそ展示しなかったものの、FSWと切削加工で製作したEV用モーターケースなどのサンプルワークを複数点披露した。「FSWと切削加工を融合したハイブリッド複合加工機を2014年に市場投入して以来、FSWの専用工具や機械制御、加工ノウハウを磨いてきた。最近はEV部品向けにも需要が増えている」と堀部和也上席執行役員は語る。
タンガロイ(2A22)は溝入れ工具の「AddInternalCut(アド・インターナル・カット)」や「AddForceCut(アド・フォース・カット)」をはじめとする新製品群、「ADDシリーズ」の拡販に力を入れる。和田健二中部支店長は「自動車産業の稼働率が下がっており、特に中部市場の市況は厳しい。しかし来月からの回復に期待している」と、来場者へのPRにも熱がこもる。
東京精密(2D18)の「SURFCOM NEX(サーフコム ネックス)」は、 表面粗さ・輪郭形状測定機 の新製品 だ。表面粗さと輪郭形状の両方を1台で測定できる。「より広いレンジに対応し、従来比1.6倍の高速駆動を実現した。それでいて価格は据え置いた」と担当者は自信を見せる。
松本機械工業(1C73)は初日、「変種変量生産対応コンパクト自動化システム」と題したワークショップを開き、チャックの爪交換の自動化システム「Smart Terrace(スマートテラス)AIO」を紹介した。
スマートテラスはワークの脱着やチャックの爪交換を自動化できるパッケージシステム。使用するロボットに応じて「AIO12」「AIO16」「AIO35」の3機種を用意する。省スペースな上、立ち上げも簡単なのが特徴で、変種変量生産の自動化に貢献する考えだ。会場でも同社小間で実機展示をしている。
本日の「航空機」セミナーは交流センター3階会議ホールで開催します。
・13:00~14:00 ボーイング「航空宇宙業界が直面する課題とチャンス」
・14:30~15:30 航空宇宙生産技術開発センター「日本一の航空宇宙産業クラスターの形成に向けて」
初日の10月20日(水)の来場者数は14255人(前回展は16250人)。本日は会期2日目です。開催時間は10:00~17:00です。ポートメッセなごや周辺は快晴ですが、非常に冷え込んでいます。ぜひ、ご来場をお待ちしております。お気をつけてお越しください。
オークマ(3D01)は、「自動化」と「脱炭素」をテーマに据え、3機種を展示した。
複合加工機内にロボットを搭載した自動化システム「MULTUS B250ⅡARMROID(アームロイド)」や、ワンチャックでミーリングと旋削、ギア加工が可能な5軸制御立形マシニングセンタ「MU-4000V-L」などを披露した。
また、工場内の脱炭素化に向けた同社の環境対応製品や取り組みを、①必要なエネルギーを減らす②不要な機器は止める③機械の動作時間を短縮する――の3つのポイントに分け、大きなパネルを展示し、「脱炭素」をアピールした。
同社の家城淳社長は、「久しぶりのリアル展で、本物の機械を来場者に見てもらいたい。市場の要求が高まっている脱炭素も今回展で注目してもらいたい」と話した。