末は博士か技術者か!? ロボットに興味津々

 開幕から初の週末を迎えた23日、会場には子ども連れの来場者も多く見られた。主催者が企画して展示する1号館のコンセプトゾーンには、中学生と小学生の子どもを連れた自動車部品メーカー勤務の男性の姿も。
 「仕事の関係で興味があるんですが、私よりも子どもの方が……」と話す。
 熱い視線を感じた説明員が、ロボットを操作するペンダントを中学2年生に渡し操作を促した。
 説明を聞きながらロボットを実際に操作し、ピッキング作業のティーチングを初体験した。隣では、兄の操作をうらやしそうに見つめる10歳の妹の姿も。
 操作の後は、ロボットのアンプなどにも熱心に見入った。

ミスト捕集デモに反響/葵精工

フィルターレスのミストコレクターに電気集塵ユニットを搭載

葵精工(1A56)は、フィルターレスのミストコレクターと電気集塵(じん)ユニット「AM plus(プラス)-e」を一体化した新しいミストコレクターを出展する。フィルターレスと電気集塵の「二段構え」で、ミストの捕集効率を高めた。フィルターレスのミストコレクターで取り切れなかった微粒のミストを電気集塵ユニットで捕集する仕組みだ。
 小間では実際にミストを捕集するデモを実施している。「ミスト捕集の提案への期待度は大きく、デモにも反響があった」と営業部の岡林浩二主任は語る。

【新人記者の視点】これが私のギリギリでした

会場3号館の俯瞰(ふかん)写真

上画像は展示会の紹介でよく見る構図だ。この写真はどう撮っているだろうか。会場に設置されているカメラで遠隔撮影? ドローンの空撮?

ではなく、記者や報道関係者が会場のキャットウォーク(狭い通路)で撮っている。他の会場ではどうかわからないが、ポートメッセなごやでは、はしごを登って撮影場所へ向かう。私がはしごを登っている間に、下から別の報道関係者が登ってくる。ここで落ちたら大変なことになるぞ、という人命が懸かったプレッシャーの中、登った。

そのプレッシャーを越えた先に見えた景色は格別にきれいだった……と言いたいところだったが、私はどうしようもなく高所恐怖症である。ここから落ちたら問答無用で死ぬじゃん…と思いながらも、雑念を何とか振り払いながら撮影した。一緒に登って撮影していた上司は、柵から腕を伸ばして良いアングルを探りながら撮っていた。しかしそんなまねは私にはできなかった。だって怖いんだもん…。

3号館の撮影はビビりながらも何とかできた。次は1号館の撮影だ。上司や先輩から「1号館は3号館よりもやばい」と聞かされていた。何がどうやばいのかはあえて突っ込んで聞かなかったが、嫌でも想像できる。

1号館に着いたらまたはしごでキャットウォークに登る。3号館のはしごは少し角度が付いていたが、1号館のそれは完全に垂直だった。無心で登った。景色を見たら進むことも戻ることもできなくなる。

登った先に見えた景色は格別にきれいだった……と思う間もなく「1号館はやばい」の意味を理解した。足場が側溝の鉄製ふたのようになっており、スカスカなのである。下の景色がはっきり見える。おまけに足場と柵の間に妙な隙間がある。「ほんまに落ちるやんこれ…」と結構本気で死を想像した。どうしようもない恐怖に足がすくんだのはこれが初めてかもしれない。スイスイと足場を進んでいく上司を眺めることしかできなかった。

ロボット・台車・バイスをパッケージ化/愛知産業

愛知産業(3C16)は、目玉の一つとしてドイツ・ラングのワーク自動交換システム「ロボトレックス」を展示する。産業用ロボットと専用台車、マシニングセンタ用バイス、バイスの脱着を容易にする機器「クイックポイントプレート」をセットにしたシステムだ。ワークをセットしたバイスを事前に多数準備し、バイスごとワークを交換する。「ロボットのシステムインテグレーターでもあるわが社ならではの提案で、既存のマシニングセンタに後付けもできる」と先進機械課の末次巧磨主任は言う。

※この記事の再編集版は公式メディア「robot digest(ロボットダイジェスト)」にも掲載予定

欠陥検査に加え計測も同時に/シグマ

三菱商事テクノスと共同出展したシグマ(1C16)は、レーザー傷検査装置「ANALYZER(穴ライザー)」を使った穴の検査の自動化を提案する。ロボットや自動機の先端に取り付けるユニットで、「穴ライザーⅢ」では穴の内側の欠陥を検出するのみだったが、今月発売の新製品「穴ライザーⅤ」では、欠陥検査に加えて穴径と真円度の同時計測を実現する。「従来は欠陥検査の後に穴径や真円度を測っていた顧客も多く、穴ライザーⅤは待ち望まれていた新製品」とセールス担当の王海蓮氏は言う。

※この記事の再編集版は公式メディア「robot digest(ロボットダイジェスト)」にも掲載予定

金網も透明樹脂パネルも選べる/東野精機

東野精機(1C11)は、ロボットなどの周囲に設置する安全柵「UNI FENCE(ユニフェンス)」をアピールする。フレームは軽量なアルミ製で、シルバーか黄色の2色から選べる。フレームの中に張る中材は金網、透明樹脂パネル、金網+樹脂パネルの3種類をそろえる。「組み合わせ自在で、ボルト固定式で簡単に組み立てられる」と担当者は話す。

※この記事の再編集版は公式メディア「robot digest(ロボットダイジェスト)」にも掲載予定

【会場でもらった!】自社の強みとリンク/育良精機

育良精機が配布するポーチ

育良精機(1B50)は、ポーチを配布する。このポーチの特徴は「スリム形状でも収納力があること」だ。スペース効率を高める製品を出している同社の強みとリンクしている。水洗いや消毒液の使用が可能なので、衛生面もばっちり。使用前や使用済みのマスクを入れることもでき、今の状況にぴったりだ。

環境提案に注力/CKD

CKD(1B18)は、カーボンニュートラル(炭素中立)への貢献や消費電力の削減など、「環境」に配慮した提案に力を注ぐ。

エアシリンダーなどの高耐久機器「HPシリーズ」を展示した。長寿命が大きな特徴で、結果的に廃棄物が減り、二酸化炭素の排出量の削減につながる点をアピールする。

小間では、電動機器とエア機器のそれぞれで構成された装置を並べて展示した。円筒形状の部品のハンドリングや搬送、圧入の一連の動作を比べて、それぞれの得意な領域や不得意な領域をパネルで紹介した。状況に合わせて電動機器とエア機器をうまく使い分けることで、消費電力の削減につなげて顧客の省エネルギー化に貢献する狙いだ。

悩める工具管理に新提案/大昭和精機

大昭和精機(1D47)は工具収納棚「ツールセラージェネシス」を出品する。収納棚に搭載されたカメラで入出庫を記録する。工具の収納先が決まっていなかったり、在庫状況が把握できていない現場もあるが、ツーリング管理の先のフローとして提案する。商社の三菱商事テクノス(1C16)が商品企画に協力した。

多機能な工具収納棚は大手工具メーカーも提案するが、機能に比例して高価なのが難点。製品説明のために大昭和精機ブースを訪れた三菱商事テクノスの林晃産業メカトロニクス事業部長は「シンプルな機能で価格を抑えた点や、木目の天板やラウンド形状など洗練された外観が来場者に好評だ」と話す。

ロボット×AIで難作業を自動化

コンセプトゾーンのCでは、デンソーウェーブが提供する最新の人工知能(AI)技術を使い、これまで自動化が困難だった作業のロボット化を実現しました。国内初披露となるAI物体認識によるピッキングをはじめ、AI模倣学習を使ったハーネスの組み付けなど、具体的な活用例を複数紹介しています。