環境・二酸化炭素削減をアピール/SMC

 SMC(1A58)は「地球環境最適化宣言!」を掲げ、二酸化炭素(CO₂)排出量の削減につながる空圧機器のエア消費量低減を提案する。例えば圧入作業などの自動化に最適な空圧シリンダー「エンドパワーシリンダ」をアピールする。この製品はピストンロッドに「アシストシリンダ」と「出力シリンダ」の二つの出力機構がつながっており、ストロークの大半はアシストシリンダのみで駆動し、ストロークの最後5mmだけ出力シリンダーの出力も加えることで、強い押し込み力を生み出す。会場では、従来機種の3分の1程度の空気消費量で同等以上の出力を出すデモを披露している。その他会場では、自社の製造工程での CO₂ 削減の取り組みなども動画で紹介する。

自動爪交換システムを初披露/豊和工業

 豊和工業(3D17)はチャックの爪(ジョー)を自動交換する「オートマチック・ジョー・チェンジャー・システム(AJS)」を初披露した。チャックの爪を自動交換できるほか、交換後に振れ測定や、ワークの着脱もできる。
 ロボットがチャック上の爪を移動してロックを解除し、爪を外してストッカーに移動。別の爪をストッカーから取り出してチャックに装着する仕組み。ワークをつかむ把握力や精度の測定もできる。
 「自動車産業を中心に注目されている」(説明員)という。

【驚きのワーク】「D」をダイナミックモーション技術で

ゼネテック(1D15)のブースでは、9月にバージョンアップした3次元CAD/CAMソフトウエア「Mastercam (マスターキャム)2022」を使って加工したサンプルワークを見ることができる。独自の加工軌跡で加工効率と工具寿命を両立する技術「ダイナミック・モーション・テクノロジー」をアピールするもので、ダイジェット工業のバレル工具や、大昭和精機のツールホルダーを使い、共通する頭文字の「D」の形状を削り出した。「このワークの加工工程を説明する動画も用意しているので、ぜひともブースに見に来てもらえれば」とプロダクト・マーケティング部の長谷川葵氏は話す。

牧野フライス製作所と提携の「ヘールバイト」/OSG

 オーエスジー(OSG、2A24)は今回展で多くの新製品を初披露した。中でも珍しいのは、牧野フライス製作所との業務提携で生まれた「ヘールバイト」だ。OSG傘下の日新ダイヤモンドが製造する。
 ヘール加工とは真空チャンバーや真空バルブのシール面を加工するための加工で、面粗さ(Ra)0.4㎛を実現するために、これまではエンドミルで円弧状に切削した後に、ウレタン製のスポンジやスポンジ研磨材を使った手磨きが必要だった。
 牧野フライス製作所とOSGの提携で生まれた、対象マシニングセンタでのスーパーヘール加工制御とスーパーヘール用バイトの組み合わせで、送り速度が毎分6000mmの高速加工とRa0.4㎛の高い面粗度を同時に実現。これまでのヘール加工と比べ加工時間を80%削減できる。
 製造する日新ダイヤモンドは単結晶ダイヤモンド工具の製造に強みを持つ。神谷伸顕社長は「単結晶ダイヤモンドは高価との懸念を払しょくし、導入のハードルを下げたい。加工のトータルコストは下げられる」と意気込む。

【新人記者の視点】自動化を誤解していた

DMG森精機ブースの自動化についての説明

自動化とは、従来人がしていた作業を機械に置き換えるという意味だ。私はFA業界に入ってからこの言葉を知った。意味を知った時、このまま人の仕事が全て機械に取られるのではと思った。

今回のMECTでは自動化に焦点を当てた企業が多い。DMG森精機(3C21)は「MATRIS Light(マトリスライト)」を、ヤマザキマザック(3A02)は「デジタル段取り」を自動化のシステムとして出展。

これらの自動化システムには共通するキーワードがあった。「付加価値の高い仕事は人がやる」である。工具の付け替えなど、人がやることに特別な意義が無く、負担が掛かるだけの仕事はロボットが肩代わりする。そして精度の追求など、工作の根幹の部分に人が集中できる環境を自動化によって作り出すのだ。人と機械が仕事を取り合うのではなく、共存する。自動化の意味を誤解していたと痛感した。

感染対策を定期に呼びかけ

 会場内では新型コロナウイルス感染拡大対策を定期的に呼びかけています。会場内にプラカードを持ったスタッフが巡回。マスクを外した来場者への注意喚起をします。また、出展者が展示ブースで実施するセミナーの際も密集しないよう呼びかけます。

ビュンビュン飛んでます

 ポートメッセなごやの1号館と2号館、イベント館の間にある屋外休憩所で臨時の無料Wi-Fi(ワイファイ)サービスが利用できる。専用車両の近くに張られたテントの下にはテーブルとイスも用意され、食事や休憩の時間でも、時間や通信料金を気にすることなく、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などが利用できる。

自動化パッケージに人だかり/牧野フライス製作所

「DA300 自動化パッケージ」はデザインにも注目

牧野フライス製作所(3B02)が披露する「DA300 自動化パッケージ」が人気を集めている。5軸立形マシニングセンタ(MC)のDA300と40枚のワークストッカー、スケジュール管理ソフトウエア、工具交換装置をパッケージ化した。特に目を引くのはワークストッカーの外観デザイン。またブースのデザインも、人工芝を敷き詰めるなど環境配慮をイメージさせるものとなっており、来場者を楽しませている。

エントリーモデルを披露/エムーゲ・フランケン


求めやすい価格帯の新たなタップ、ねじ切り工具を日本初披露

エムーゲ・フランケン(2B03)は、求めやすい価格帯の新たなタップ、ねじ切り工具を日本市場で初披露した。多様な被削材に使える汎用タップシリーズとねじ切りカッターで、土屋吉弘社長は「わが社はハイエンド製品のイメージが強いが、求めやすいエントリーモデルを用意したので、中部市場にアピールしたい」と話す。

ベストセラー機の後継機を披露/OKK

OKK(3D10)は立形マシニングセンタの新製品「VM53RⅡ」を出品する。ベストセラーの「VMR」シリーズの後継機種「VMRⅡ」シリーズとして、会期前の10月12日に発表したばかりだ。コラムの鋳物の形状を見直して剛性がアップした他、主軸ヘッドの冷却性能も向上した。

会場では、来場者の希望に応じて随時、重切削の平削りと高送り加工を披露する。説明員の並河裕希さんは「わが社の基幹となる製品。実演を通じて、剛性の高さを実感してほしい」と語る。