新製品「GREEN TAP」を発表/オーエスジー

 オーエスジー(2B28)は10月18日、コンベンションセンターで新製品「GREEN TAP(グリーンタップ)」を発表した。

 グリーンタップは塑性加工でねじを加工する「盛上げタップ」で、加工時に切りくずが発生しない。また、独自の製法により、一般的な盛上げタップとは異なる刃部形状を採用。製造時に排出される二酸化炭素(CO₂)の量を従来比で半減した。

 開発グループ穴開け開発チームの溝口哲也さんは「工具性能と環境への配慮の両立を実現できた」と胸を張る。グリーンタップは来年をめどに、M1~M6までのサイズで発売を計画している。

切りくずがこんなに細かく/シチズンマシナリー

シチズンマシナリー(1B13)は、旋盤のベストセラー機種「Cincom(シンコム)L20」シリーズのフルモデルチェンジ機を展示している。背面主軸の出力など、基本性能が向上した。展示中の「L20 X」は工具の搭載本数が増え、45本になった。
 会場では他にも実機を置き、樹脂部品などの実加工を披露した。切りくずを細かく分断できる「LFV技術」の実演に、多くの来場者が熱い視線を送る。経営企画部の若佐俊介課長は「LFV技術を使うと加工時間が少し長くなるが、切りくずが原因のトラブルを防げるため、機械の停止などが起こらずに生産を続けられる」と話す。

全面カバーで安全を保障/芝浦機械

芝浦機械(1A09)は、テーブル型横中ぐりフライス盤「BTD-200QS」を展示している。最新版のNC装置を搭載し、操作しやすいタッチパネルにした。
 また大きな変更点として、機械の前面と背面、側面にカバーを標準搭載した。会場では機内がよく見えるようにカバーを外して展示したが、生産現場では全面のカバーで事故を防ぐ。担当者は「加工中にオペレーターの服の裾が巻き込まれ、けがをするケースがある。そこでカバーを採用し、安全性を高めた。最適化した機械構造や操作盤などを直接見てほしい」と語る。

独SWとの協業を発表、会場で説明会開催/エンシュウ

エンシュウの鈴木敦士社長兼COO(=左)とSWのステファン・ウェーバー最高経営責任者(=右)

エンシュウ(1B29)は10月12日、ドイツの多軸マシニングセンタ(MC)メーカーのSWとの協業に向けて協議を開始したと発表した。両社は会期初日の18日、コンベンションホールの会議室で代理店や報道関係者らを招いて説明会を開催した。

SWは2本~4本の主軸を持つ多軸MCを得意とし、近年は電気自動車(EV)向けの部品加工でも多くの実績を持つ。エンシュウは協業を通じ、まずは日本の顧客に向けてSWの多軸MCの据え付けや保守パーツの供給などを担う。将来的には日本市場への販売も手掛けるようになるという。鈴木敦士社長兼最高執行責任者(COO)は「自動車業界は大変革期に直面しているが、SWと協業すればお客さまの幅広いニーズに応えられる」と話す。

【開会レセプション】4年ぶりの開催、業界関係者同士で懇親深める

多くのFA業界関係者でにぎわった開会レセプション

会期初日の正午〜午後1時、ポートメッセなごやのイベント館で「開会レセプション」が開かれた。レセプションの開催は4年ぶり。多くのFA業界の関係者が参加し、懇親を深めた。

主催者のニュースダイジェスト社からは八角秀常務が登壇。「リアルとウェブ、どちらか片方で十分ということではない。ウェブが発達するほど、リアルな展示会も存在価値が増す」とあいさつした。

また、出展者代表として、牧野フライス製作所(1A16)の宮崎正太郎社長が乾杯の音頭を取った。

かわいいにだまされるな/日本精工

3号館に入るとかわいらしさに目を奪われる

日本精工(3C09)は参考出展の「Active Caster(アクティブキャスター)」を使い、かわいらしさを演出している。アクティブキャスターは、全方向移動やその場回転ができ、独自技術の採用で従来にないコンパクトさを実現した。担当者は「産業機械事業や自動車事業で培った技術を活用し、狭い場所でも静かに動ける駆動ユニットを開発した」と話す。

出展物の見た目はかわいいが、内容は思いのほかハードだ。ぜひ詳しい説明を聞きに行ってほしい。

大径ワーク向け旋盤を新たに/ツガミ

ツガミ(1A38)は、旋盤「M10D」を中部地方で初出展した。主軸チャックサイズは10インチで、大径ワークの重切削加工を実現する。また回転工具を搭載できるためミーリング加工も可能。
 同社は従来6インチや8インチを対象にした旋盤を開発してきた。担当者は「10インチのワークの市場は大きく、同製品で参入することになる。自動車や建設機械向け部品を製造する来場者にアピールしたい」と話す。

MECTの熱い4日間が始まる

 メカトロテックジャパン(MECT)2023が本日、ついに幕を開けた。

 開会式では経済産業省製造産業局産業機械課の高木聡課長補佐や、日本工作機械工業会(日工会)会長の稲葉善治ファナック会長がMECTへの期待を語った。

 出展者を代表したあいさつで芝浦機械の坂元繁友社長は「工作機械業界は不安定な環境下だが、MECTでより多くの商談が得られるのではないかと非常に期待している」と力強く語った。

 来賓によるテープカットの後に開場。次々と人々が来場し、今回展の活気を感じさせた。

最大φ25mmまで加工/スター精密

スター精密(1B27)は、スイス型自動旋盤の新製品「SP-20」を披露した。従来の直径(φ)20mmを加工できる機種と同等の本体サイズで、φ25mmのワークまで加工できるようにした。各部に温度センサーを搭載し、熱変位に対して自動で補正をかける。
 機械事業部開発部第一開発室の川原崎徹副主事は「新たな分野のワーク受注を始めるユーザーも多く、1台で加工できるワークの幅を広げられるように開発した」と説明する。

作業者支援機能付きのベンディングマシン/アマダ

タブレットの作業ガイドに従い曲げ加工を実演

アマダ(1D39)は電動サーボベンディングマシン「EGV-6020ATCe」を展示している。刷新したNC装置の内蔵カメラが作業者を識別し、熟練度や使用言語に合わせた画面表示を自動で切り替える。また、曲げ作業時には作業者の目線の高さに設置されたタブレットが作業を指示する。

担当者は「高い曲げの精度を担保しつつ、作業性の高さから、お客さまからも好評をいただいている」と話す。実演中のマシンの前には多くの来場者が集まっていた。