ケレ装着も自動で/松本機械工業

松本機械工業(3C22)は円筒研削盤向けの自動化提案に力を入れている。その一環で、両センター加工の研削ワークに自動でケレ(回し金)を装着する専用装置を出展した。自社製のパッケージ仕様のロボットシステム「Smart Terrace(スマートテラス) AIO」と組み合わせれば、ケレの着脱からワークの着脱まで自動化できる。あらかじめ複数のサイズのケレを用意すれば、径違いのワークでもケレの自動装着が可能だ。桑本正信営業本部長は「従来はケレを手作業で装着していたが、両センター加工においても自動化ニーズが高かったため、ケレ自動装着装置を開発した」と述べる。

初の異形工具を公開/日進工具

日進工具(2B17)は、12月に発売予定の3枚刃エンドミル「MLFH330」を初公開した。底刃形状が大きい異形工具で、曲面や緩やかな斜面を高効率で加工できる。焼き入れ鋼などの高硬度材の加工に向く。

 営業企画課の楠山峰伸課長は「5軸加工機でも生産性をより高められる。わが社では初の異形工具で、現場で導入する上での意見や質問をいただければ」と話す。

【注目のサンプルワーク】加工技術をフル活用したダストボックス/トルンプ

一見するとただのごみ箱に見えるが、トルンプ(1D11)のベンディングマシン「TruBend Center(トルベンドセンター) 7020」の加工技術を最大限に活用して作ったサンプルワークだ。同製品は複雑形状の曲げ加工を実現する加工機で、4方向からそれぞれ350mmの高さまで曲げられる。

 プレスブレーキ課の黒木亮チームリーダーは「ヘミング曲げ加工した部分をさらにR曲げ加工するなど、自由度が高い。ブースで1時間に1回ほどの頻度で、ダストボックスなどのデモ加工を実演している」と説明する。

【今更聞けない?】高精度微細加工ってつまり/碌々スマートテクノロジー

微細加工とは、金属や樹脂などに非常に細かい加工を行うことの総称だ。その細かさや精度に明確な基準はないが、微細加工は非常に高い精度が求められる特別な加工であり、専用のマシニングセンタやレーザ加工機が求められる。

碌々スマートテクノロジー(1A34、コンセプトゾーン)はそんな微細加工を極める企業だ。その特別さゆえに担当者が「工作機械業界のルイ・ヴィトン」だと語る同社の高精度微細加工機は、0.5mmのシャープペンシルの芯にも難なく穴をあける。同社ブースやコンセプトゾーンに足を運び、そのスゴさを確かめてほしい。

「世界最小」のプローブ/レニショー

レニショー(3A02)は直径が24mm、長さが31.4mmしかない無線信号伝達式プローブ「RMP24-micro(マイクロ)」を国内初披露した。欧州市場向けには今年9月にドイツで開催された工作機械見本市「EMOハノーバー2023」で一足先に展示しており、今回のMECTで日本市場向けに大々的に発表した格好だ。担当者は「工作機械用プローブの中では世界最小。日本ではどういう風に受け入れられるかを今回のMECTで確認したい」と語る。

油圧機器向けのカッターを出品/丸一切削工具

丸一切削工具(2D21)は、プライベートブランド「THE CUT(ザ・カット)」の製品を多数出品。中でも目玉は油圧機器のOリング部分の加工に向く刃先交換式カッター「MSSCシート面カッター」。
 担当者は「MSSCシートカッター1本で、ねじのシート面加工やR面加工、座ぐり加工ができ、工具の集約ができる」と語る。

最新5軸MCをお披露目/ニデックマシンツール、ニデックオーケーケー

ニデックマシンツール(1A17)とニデックオーケーケー(1A18)は、「One Nidec(ワンニデック)」をテーマに、ブースの垣根をなくして出展する。ニデックオーケーケーはMECT2023の開催に合わせて発売を発表した立形5軸マシニングセンタ(MC)「VB-X350」を展示会に初出品。既存機種「VB-X650」も出品する。担当者は「当社が5軸MCの開発にも力を入れていることを来場者にも知ってほしい」と語る。

 ニデックマシンツールは門形MC「MV-BxⅡ」を出品。担当者は「機械のフレーム部分はニデックオーケーケーの5軸MCの技術を使っている」と2社の技術の融合を強調する。

内面研削盤に自動化をプラス/トーヨーエイテック

トーヨーエイテック(1C08)は、ロングセラーの横形内面研削盤「THG-10C」の後継機「THG-10CA」を出品。THG-10Cでは毎分2000回転だった主軸の最高回転数が、毎分3000回転に向上した。
 デモ機の隣にファナックの協働ロボットを置き、自動化対応をPR。担当者は「ワークの搬出入の他に、チャックの交換などロボットで自動化できる作業は多い」と語る。

 ブースでは1日につき3回プレゼンテーションを開催しており、展示製品の特徴などを紹介している。

30番MCの加工実演に注目/ブラザー工業

ブラザー工業(1D24)は、主軸テーパーBT30番の小型マシニングセンタ(MC)「SPEEDIO(スピーディオ)シリーズ」から6機種を出展している。

中でも目玉は、X軸ストロークが1000mmの小型MC「W1000Xd2」。広い加工エリアを生かし、多数個取りした鉄系ワークを加工するデモを定期的に実施している。また、スピーディオシリーズ初の横形MC「H550Xd1」も展示しており、電気自動車(EV)のインバーターケースを模したアルミダイカスト製ワークを削るデモにも注目だ。担当者は「BT30番の小型MCの多彩なラインアップを、加工実演と共に紹介したい」と話す。

ムダを削る、無駄なく削る/ジェイテクト

ジェイテクト(1D36)は「ムダを削る、無駄なく削る」をテーマに、生産性向上につながる研削盤やマシニングセンタ(MC)など、合わせて4台を展示している。

また、ウェブによる問い合わせ窓口の拡充や、既設機の消費エネルギーの見える化による省エネルギーの実現など、アフターサービスも提案する。

担当者は「製品やアフターサービスなどを含め、トータルでお客さまに貢献していきたい」と語る。