加工スピードを高めた新製品/中村留精密工業

中村留精密工業(1C11)は2スピンドル2タレットCNC複合旋盤の新製品「WY-100V」を国内初披露した。「最速の、その先へ。」をコンセプトに、加工スピードを大幅に高めたのが特徴だ。「クロノカット」と呼ばれるアイドルタイムを削減する新開発のソフトウエア技術や制御技術を搭載しており、油圧バルブ部品のサンプルの加工時間を従来機比で30%削減した。ブースでは、WY-100Vの特徴やクロノカットの概要を詳しく解説するプレゼンも定期的に実施している。

中村匠吾社長は「サイクルタイムを短縮できれば、単位時間当たりの生産性が高まる。製造現場に余裕が生まれ、突発的な加工の案件にも対応しやすくなる」と話す。

プレゼンで工程集約、自動化、DX、GXを提案/DMG森精機

DMG森精機(1C27)は、複合加工機「NZ DUE(デュエ)」を国内の展示会に初出品。刃物台を2つ備えるのが特徴で、複雑な形状のワークの加工を1台に集約できる。他にも、複合加工機「NTX1000」とロボットシステム「MATRIS Light(マトリスライト)」を組み合わせたデモシステムで自動化を提案した。

 ブース内のメインステージでは、「マシニング・トランスフォーメーション」「NZ-Platform」「WH-AMR」「プログラム作成のDX」がテーマの4種のプレゼンテーションを開催しており、来場者に対して工程集約や自動化、デジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーントランスフォーメーション(GX)を提案している。

コスパ勝負の超硬Tスロカッター/鈴峰

鈴峰(2B02)は自社ブランド「RHT(れいほうツール)」の超硬Tスロットカッターをアピールする。舘直樹社長は「一番のセールスポイントはコストパフォーマンスの高さ。競合製品と比べて4分の1以下の価格設定。MECT2023に合わせて新発売した」と胸を張る。
 コスパの高い超硬Tスロットカッターを探すのならば、必見のブースだろう。

可搬質量を高めた協働ロボシステム/ヤマザキマザック

ワーク着脱からチャックの爪交換までを協働ロボットで自動化

ヤマザキマザック(1A41)は協働ロボットシステムの新製品「Ez LOADER(イージーローダー) 30」をMECT2023開幕と同時に発売した。従来製品に比べ最大可搬質量を高めたのが特徴で、鉄系ワークなどの重量物の搬送に対応できる。搬送可能なワークの質量は、シングルハンドの場合で最大21kg。

ブースでは同時5軸制御の複合加工機「INTEGREX(インテグレックス) i-200H S」と組み合わせて展示しており、ワーク着脱からチャックの爪交換までの一連の作業を自動化するデモを披露している。

【今更聞けない?】わが社の5軸はここがスゴイ/安田工業

5軸マシニングセンタは、一般的なマシニングセンタが持つ3軸に加えて回転軸と傾斜軸を搭載しており、テーブルを自由自在に動かしながらあらゆる方向からの加工が可能な機械だ。テーブルに接する面以外の全方向から加工ができるという最大のメリットを持つ一方で、軸数が増えることで累積誤差が大きくなり、どうしても3軸の機械と比べて精度が落ちるという難しさも持つ。

安田工業(1A34、コンセプトゾーン)の5軸機の強みは、その難しい位置決めの精度を極限まで高めていることだ。高精度5軸機でこんなにスゴイことができるのか。同社ブースやコンセプトゾーンに足を運び、実際に確かめてほしい。

「FA&ロボット」にテクノロジーをプラス/ダイドー

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FA機器やロボットなどを扱う専門商社のダイドー(3D17)は、全17メーカーとコラボする。「FA&ロボット+テクノロジー」をテーマに、人工知能(AI)などの先端テクノロジーが組み込まれたFAシステムを提案する。例えば武蔵精密工業グループのMusashi AI(ムサシAI)が開発したAI外観検査装置を展示。Mech-Mind(メックマインド)のAIビジョンシステムを使ったデパレタイジングシステムも稼働実演する。協働ロボットの展示も多く、ナットランナーメーカーの第一電通が構築したねじ締めシステムなどを展示。「専用装置と違い、協働ロボットを使ったシステムならワークが変わっても汎用的に使えると注目を集めている」と第一電通担当者は話す。

垂直搬送の電動化でサイクルタイム半減/アイエイアイ

アイエイアイ(3C02)は電動アクチュエーター「エレシリンダー」を活用し、垂直搬送の電動化を提案する。空圧のエアシリンダーと比べサイクルタイムを50%短縮し、二酸化炭素の排出量も大幅に抑えられる。低価格のためエアシリンダーと置き換えやすい。「空間をより有効に使うため、工場の高い位置に搬送システムを設ける天井搬送が増えており、垂直搬送のニーズも高い。自動車業界での採用も増えている」と担当者は言う。

ツールホルダーで加工精度が激変/ユキワ精工

自慢の製品を熱く語る酒巻弘和社長

ユキワ精工(2D17)の一押し製品はツールホルダー「グリーンG1チャック」だ。同じ工具でも、ツールホルダーを変えるだけで加工びびりが減り、ワーク面の精度が上がり、加工時間が短くなるなど、メリットがいくつもある。酒巻社長は「把握力の強さが本製品の売りだ。多くのユーザーに使ってもらいたい」と語る。


工具に関心のある来場者は、工具だけでなくあわせてブースをのぞいてみてはどうか。

エンドミルで高速加工を実現/イワタツール

イワタツールは(2C08)はヘリカル穴加工用エンドミルの「ドリミル」を展示する。

底刃を外側に逃がす特徴的な形状とオイルホールの追加で、切削抵抗を大幅に削減。鉄やアルミ、ステンレスなども高速で加工できる。

担当者は「通常のエンドミルの5倍~10倍のスピードで加工ができるので、量産にも対応できる」と語る。

省エネ提案に注力、相談コーナーも設置/SMC

空気圧制御機器メーカーのSMC(3C03)は「次代へのソリューション」を掲げ、省エネルギーや二酸化炭素(CO2)排出削減などの提案に力を入れる。圧縮空気の消費量を最大62%削減できる「エアマネジメントシステム」を展示する他、ブース内に「省エネ相談コーナー」も設置している。