切りくずがこんなに細かく/シチズンマシナリー

シチズンマシナリー(1B13)は、旋盤のベストセラー機種「Cincom(シンコム)L20」シリーズのフルモデルチェンジ機を展示している。背面主軸の出力など、基本性能が向上した。展示中の「L20 X」は工具の搭載本数が増え、45本になった。
 会場では他にも実機を置き、樹脂部品などの実加工を披露した。切りくずを細かく分断できる「LFV技術」の実演に、多くの来場者が熱い視線を送る。経営企画部の若佐俊介課長は「LFV技術を使うと加工時間が少し長くなるが、切りくずが原因のトラブルを防げるため、機械の停止などが起こらずに生産を続けられる」と話す。

かわいいにだまされるな/日本精工

3号館に入るとかわいらしさに目を奪われる

日本精工(3C09)は参考出展の「Active Caster(アクティブキャスター)」を使い、かわいらしさを演出している。アクティブキャスターは、全方向移動やその場回転ができ、独自技術の採用で従来にないコンパクトさを実現した。担当者は「産業機械事業や自動車事業で培った技術を活用し、狭い場所でも静かに動ける駆動ユニットを開発した」と話す。

出展物の見た目はかわいいが、内容は思いのほかハードだ。ぜひ詳しい説明を聞きに行ってほしい。

大径ワーク向け旋盤を新たに/ツガミ

ツガミ(1A38)は、旋盤「M10D」を中部地方で初出展した。主軸チャックサイズは10インチで、大径ワークの重切削加工を実現する。また回転工具を搭載できるためミーリング加工も可能。
 同社は従来6インチや8インチを対象にした旋盤を開発してきた。担当者は「10インチのワークの市場は大きく、同製品で参入することになる。自動車や建設機械向け部品を製造する来場者にアピールしたい」と話す。

最大φ25mmまで加工/スター精密

スター精密(1B27)は、スイス型自動旋盤の新製品「SP-20」を披露した。従来の直径(φ)20mmを加工できる機種と同等の本体サイズで、φ25mmのワークまで加工できるようにした。各部に温度センサーを搭載し、熱変位に対して自動で補正をかける。
 機械事業部開発部第一開発室の川原崎徹副主事は「新たな分野のワーク受注を始めるユーザーも多く、1台で加工できるワークの幅を広げられるように開発した」と説明する。

作業者支援機能付きのベンディングマシン/アマダ

タブレットの作業ガイドに従い曲げ加工を実演

アマダ(1D39)は電動サーボベンディングマシン「EGV-6020ATCe」を展示している。刷新したNC装置の内蔵カメラが作業者を識別し、熟練度や使用言語に合わせた画面表示を自動で切り替える。また、曲げ作業時には作業者の目線の高さに設置されたタブレットが作業を指示する。

担当者は「高い曲げの精度を担保しつつ、作業性の高さから、お客さまからも好評をいただいている」と話す。実演中のマシンの前には多くの来場者が集まっていた。

気泡の少ない独自コーティング/住友電気工業

住友電気工業(2A17)は、アルミニウム合金など非鉄金属加工向けのドリル「マルチドリルMDA型」を出品。
 独自開発のコーティング素材「オーロラコートX」を採用。コーティング内に気泡が少なく表面が平滑なため、耐溶着性が従来のコーティング素材よりも向上した。

 また、ブース内では「工具でGX! EV駆動部品加工ソリューション」と題したプレゼンテーションを開催。電気自動車(EV)の部品加工で、環境負荷を低減する製品などを紹介している。

生産工程全体のソリューションを/三菱電機

三菱電機(1D14)は、調達から開発、製造、保守までのデータを収集してソリューションを提供するクラウドサービスの基盤構築に取り組む。その詳細を、会場でパネル展示した。
 サービスの実用化に向け、工具メーカーや測定機メーカーなど11社とパートナー契約を結んだことを明らかにした。産業メカトロニクス事業部NC事業推進部の長谷川寛次長は「これまで加工機の保守に関するデータ活用は実施してきたが、今後は例えば工具の摩耗状況などのデータを集約し、適切な交換時期を知らせるソリューションなどを提供したい」と展望を語る。

面積最小、ワーク最大/牧野フライス製作所

牧野フライス製作所(1A16)が初披露した新製品の5軸立形マシニングセンタ(MC)「DA500」は、クラス最小の設置面積で同最大のワークサイズを実現した。先行機である「DA300 自働化パッケージ」と同様に部品加工での時間当たりの生産性向上に加え、面積当たりの生産性向上も追求した。

開場早々から黒山の人だかりができている。担当者は「お客さまから待たれていた機械。来場者の反応もいい」と話す。

クーラントの自動希釈装置を参考出展/岩本工業

参考出展した自動希釈装置

岩本工業(3B13)はクーラントの自動希釈装置を参考出展している。クーラントの原液と希釈水を指定された濃度で混合する。担当者による希釈濃度のばらつきを防げるのが特徴だ。装置の機能を「自動希釈」だけに絞り、シンプルで導入しやすい構成とした。担当者は「MECT2023で参考出展し、まずは来場者の反響を確認したい」と話す。

この他、希釈から加工機への供給までの一連の作業を完全自動化したクーラントサーバー「楽~ラント ICS-3200」も展示している。

本日発表の部品洗浄機などを展示/スギノマシン

 スギノマシン(1A37)は、本日発売を発表した部品洗浄機「JCC-MULTI(マルチ)」や大型部品加工機「GIGAFEEDER(ギガフィーダー)」などを展示する。

 JCC-マルチは、電気自動車に使われる部品向けの洗浄機。環境負荷の軽減に力を入れており、洗浄時のCO₂排出量を従来機比75.1%削減し、乾燥時のCO₂を同52.2%削減する。ブースでは、実際に稼働する様子を見ることができる。
 杉野良暁社長は「わが社の多彩な技術で生産性の向上や脱炭素社会の実現に寄与したい」と意気込みを語った。