かわいいにだまされるな/日本精工

3号館に入るとかわいらしさに目を奪われる

日本精工(3C09)は参考出展の「Active Caster(アクティブキャスター)」を使い、かわいらしさを演出している。アクティブキャスターは、全方向移動やその場回転ができ、独自技術の採用で従来にないコンパクトさを実現した。担当者は「産業機械事業や自動車事業で培った技術を活用し、狭い場所でも静かに動ける駆動ユニットを開発した」と話す。

出展物の見た目はかわいいが、内容は思いのほかハードだ。ぜひ詳しい説明を聞きに行ってほしい。

作業者支援機能付きのベンディングマシン/アマダ

タブレットの作業ガイドに従い曲げ加工を実演

アマダ(1D39)は電動サーボベンディングマシン「EGV-6020ATCe」を展示している。刷新したNC装置の内蔵カメラが作業者を識別し、熟練度や使用言語に合わせた画面表示を自動で切り替える。また、曲げ作業時には作業者の目線の高さに設置されたタブレットが作業を指示する。

担当者は「高い曲げの精度を担保しつつ、作業性の高さから、お客さまからも好評をいただいている」と話す。実演中のマシンの前には多くの来場者が集まっていた。

気泡の少ない独自コーティング/住友電気工業

住友電気工業(2A17)は、アルミニウム合金など非鉄金属加工向けのドリル「マルチドリルMDA型」を出品。
 独自開発のコーティング素材「オーロラコートX」を採用。コーティング内に気泡が少なく表面が平滑なため、耐溶着性が従来のコーティング素材よりも向上した。

 また、ブース内では「工具でGX! EV駆動部品加工ソリューション」と題したプレゼンテーションを開催。電気自動車(EV)の部品加工で、環境負荷を低減する製品などを紹介している。

生産工程全体のソリューションを/三菱電機

三菱電機(1D14)は、調達から開発、製造、保守までのデータを収集してソリューションを提供するクラウドサービスの基盤構築に取り組む。その詳細を、会場でパネル展示した。
 サービスの実用化に向け、工具メーカーや測定機メーカーなど11社とパートナー契約を結んだことを明らかにした。産業メカトロニクス事業部NC事業推進部の長谷川寛次長は「これまで加工機の保守に関するデータ活用は実施してきたが、今後は例えば工具の摩耗状況などのデータを集約し、適切な交換時期を知らせるソリューションなどを提供したい」と展望を語る。

面積最小、ワーク最大/牧野フライス製作所

牧野フライス製作所(1A16)が初披露した新製品の5軸立形マシニングセンタ(MC)「DA500」は、クラス最小の設置面積で同最大のワークサイズを実現した。先行機である「DA300 自働化パッケージ」と同様に部品加工での時間当たりの生産性向上に加え、面積当たりの生産性向上も追求した。

開場早々から黒山の人だかりができている。担当者は「お客さまから待たれていた機械。来場者の反応もいい」と話す。

6社を巡るスタンプラリー/三機ほか

6社を巡るスタンプラリーを実施(写真は三機ブース)

三機(3D16)はMECT会期中、自社を含む計6社のブースを巡るスタンプラリーを実施している。対象企業のブースに設置された2次元コードを読み取ることでスタンプを獲得できる。6つのスタンプを集め、アンケートに回答すれば抽選で2500人に高級タンブラーが当たる。

対象企業は三機の他、宇都宮製作所(1A14)、大野精工(1D20)、第一測範製作所(3A27)、トリオエンジニアリング(3D21)、NaITO(2B08)の6社。スタンプラリーを企画した三機の吉田勝彦取締役は「6社を巡れば結果的に会場の全展示館を訪問できる。スタンプラリーをきっかけに、各社の製品や企業の魅力を知ってほしい」と語る。

CNC旋盤に機上測定を/ブルーム-ノボテスト

CNC旋盤向けに機上測定技術を提案

ドイツの測定機器メーカー、ブルーム-ノボテスト(3A40)はCNC旋盤向けの機上測定技術を提案している。

ブースにはエグロ(1A25)のくし刃型CNC旋盤「SANAX(サナックス)-6」を設置。自社製品のタッチプローブ「TC64-10」や表面粗さを機上で測定できる「ラフネスゲージ」、工具負荷モニタリングシステム「TMAC」と組み合わせ、旋削加工から工具負荷のモニタリング、そして寸法や面粗度の機上測定までの一連の工程を実演している。営業部の加藤力也部長は「CNC旋盤に機上測定がどう活用できるのか、お客さまに体感していただきたい」と話す。

クーラントの自動希釈装置を参考出展/岩本工業

参考出展した自動希釈装置

岩本工業(3B13)はクーラントの自動希釈装置を参考出展している。クーラントの原液と希釈水を指定された濃度で混合する。担当者による希釈濃度のばらつきを防げるのが特徴だ。装置の機能を「自動希釈」だけに絞り、シンプルで導入しやすい構成とした。担当者は「MECT2023で参考出展し、まずは来場者の反響を確認したい」と話す。

この他、希釈から加工機への供給までの一連の作業を完全自動化したクーラントサーバー「楽~ラント ICS-3200」も展示している。

本日発表の部品洗浄機などを展示/スギノマシン

 スギノマシン(1A37)は、本日発売を発表した部品洗浄機「JCC-MULTI(マルチ)」や大型部品加工機「GIGAFEEDER(ギガフィーダー)」などを展示する。

 JCC-マルチは、電気自動車に使われる部品向けの洗浄機。環境負荷の軽減に力を入れており、洗浄時のCO₂排出量を従来機比75.1%削減し、乾燥時のCO₂を同52.2%削減する。ブースでは、実際に稼働する様子を見ることができる。
 杉野良暁社長は「わが社の多彩な技術で生産性の向上や脱炭素社会の実現に寄与したい」と意気込みを語った。

切削油の性能を穴開けで競う/三輪鉱油

紫流と水溶性クーラントで、SUS304への穴開け加工の結果を比較する

三輪鉱油(3D71)のブースでは、自社製の切削油「アーチカット アクア 紫流シリーズ」と来場者が持ち込んだ水溶性クーラントで穴開け加工の結果を競う体験型イベント「ドリリング選手権」を開催している。まずはスギノマシン(1A37)の高速穴開け・タッピング加工機「CNCPRO(CNCプロ)」にステンレス鋼(SUS304)のサンプルワークを載せ、タンガロイ(2B26)の超硬ドリルでプール穴を作る。そのプール穴に紫流と来場者が持ち込んだ水溶性クーラントをそれぞれためた後にハイスドリルを使って穴を開け、両者の穴数の違いを比較する。

紫流は水溶性と油性の利点を兼ね備えた切削油で、水で希釈する必要がないにも関わらず、消防法にも該当しないのが特徴。ドリリング選手権はこうした紫流の性能を、他社製のクーラントと比較することで体感できる。