可搬質量を高めた協働ロボシステム/ヤマザキマザック

ワーク着脱からチャックの爪交換までを協働ロボットで自動化

ヤマザキマザック(1A41)は協働ロボットシステムの新製品「Ez LOADER(イージーローダー) 30」をMECT2023開幕と同時に発売した。従来製品に比べ最大可搬質量を高めたのが特徴で、鉄系ワークなどの重量物の搬送に対応できる。搬送可能なワークの質量は、シングルハンドの場合で最大21kg。

ブースでは同時5軸制御の複合加工機「INTEGREX(インテグレックス) i-200H S」と組み合わせて展示しており、ワーク着脱からチャックの爪交換までの一連の作業を自動化するデモを披露している。

【今更聞けない?】わが社の5軸はここがスゴイ/安田工業

5軸マシニングセンタは、一般的なマシニングセンタが持つ3軸に加えて回転軸と傾斜軸を搭載しており、テーブルを自由自在に動かしながらあらゆる方向からの加工が可能な機械だ。テーブルに接する面以外の全方向から加工ができるという最大のメリットを持つ一方で、軸数が増えることで累積誤差が大きくなり、どうしても3軸の機械と比べて精度が落ちるという難しさも持つ。

安田工業(1A34、コンセプトゾーン)の5軸機の強みは、その難しい位置決めの精度を極限まで高めていることだ。高精度5軸機でこんなにスゴイことができるのか。同社ブースやコンセプトゾーンに足を運び、実際に確かめてほしい。

「FA&ロボット」にテクノロジーをプラス/ダイドー

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FA機器やロボットなどを扱う専門商社のダイドー(3D17)は、全17メーカーとコラボする。「FA&ロボット+テクノロジー」をテーマに、人工知能(AI)などの先端テクノロジーが組み込まれたFAシステムを提案する。例えば武蔵精密工業グループのMusashi AI(ムサシAI)が開発したAI外観検査装置を展示。Mech-Mind(メックマインド)のAIビジョンシステムを使ったデパレタイジングシステムも稼働実演する。協働ロボットの展示も多く、ナットランナーメーカーの第一電通が構築したねじ締めシステムなどを展示。「専用装置と違い、協働ロボットを使ったシステムならワークが変わっても汎用的に使えると注目を集めている」と第一電通担当者は話す。

垂直搬送の電動化でサイクルタイム半減/アイエイアイ

アイエイアイ(3C02)は電動アクチュエーター「エレシリンダー」を活用し、垂直搬送の電動化を提案する。空圧のエアシリンダーと比べサイクルタイムを50%短縮し、二酸化炭素の排出量も大幅に抑えられる。低価格のためエアシリンダーと置き換えやすい。「空間をより有効に使うため、工場の高い位置に搬送システムを設ける天井搬送が増えており、垂直搬送のニーズも高い。自動車業界での採用も増えている」と担当者は言う。

[来場者の声]グループ全体で事業を拡大/UNITED GRINDING Group シュテファン・ネルCEO

UNITED GRINDING Group(ユナイテッド・グラインディング・グループ、UGG、1A40)は計9つの企業ブランドを傘下に持つスイスの総合研削盤メーカーグループだ。これまでは個社単位でビジネスを展開してきたが、最近はグループ全体でグローバルに事業を拡大している。MECT2023でもUGGとしてブースを構え、グループ傘下の研削盤や工具測定機を計4機種出展した。UGGがグループの総力を挙げて開発した最新のオペレーティングシステム「C.O.R.E.(コア)」も展示している。

スチューダやワルターなどの一部のブランドは日本のお客さまにも広く知られているが、今後はその他のブランドの認知度向上に努めたい。そのためにも日本語対応が可能な人材を拡充し、日本のお客さまにしっかりとアフターサービスを提供する体制を整えることが重要だと考えている。

ツールホルダーで加工精度が激変/ユキワ精工

自慢の製品を熱く語る酒巻弘和社長

ユキワ精工(2D17)の一押し製品はツールホルダー「グリーンG1チャック」だ。同じ工具でも、ツールホルダーを変えるだけで加工びびりが減り、ワーク面の精度が上がり、加工時間が短くなるなど、メリットがいくつもある。酒巻社長は「把握力の強さが本製品の売りだ。多くのユーザーに使ってもらいたい」と語る。


工具に関心のある来場者は、工具だけでなくあわせてブースをのぞいてみてはどうか。

会期初日に「自動車」テーマのセミナー開催

交流センター3階の会議ホールでは、主催者企画のセミナーが始まった。会期初日は自動車をテーマに2本のセミナーを開催。

 1本目はトヨタ自動車元町工場の宮部義久工場長が登壇し、「マルチパスウェイを実現するモノづくりの進化」をテーマに講演。
 2本目は日産自動車の和田民世理事兼横浜工場工場長が登壇し、「変わらないものから生まれるモノづくりの進化と新領域への挑戦」のテーマで講演した。
 業界トップクラスの2社の今後のものづくりの方向性を知ろうと、来場者は熱心に聞き入っていた。

エンドミルで高速加工を実現/イワタツール

イワタツールは(2C08)はヘリカル穴加工用エンドミルの「ドリミル」を展示する。

底刃を外側に逃がす特徴的な形状とオイルホールの追加で、切削抵抗を大幅に削減。鉄やアルミ、ステンレスなども高速で加工できる。

担当者は「通常のエンドミルの5倍~10倍のスピードで加工ができるので、量産にも対応できる」と語る。

省エネ提案に注力、相談コーナーも設置/SMC

空気圧制御機器メーカーのSMC(3C03)は「次代へのソリューション」を掲げ、省エネルギーや二酸化炭素(CO2)排出削減などの提案に力を入れる。圧縮空気の消費量を最大62%削減できる「エアマネジメントシステム」を展示する他、ブース内に「省エネ相談コーナー」も設置している。

【翻訳者的視点から】グリーンとアップグレード/CERATIZIT Japan

CERATIZIT Japan(セラティジットジャパン、2B07)は超硬丸棒新材種「CT-GS20Y」を、日本向けには「グリーンカーバイド」と銘打つ。「グリーン(緑)」と付くだけで、環境に配慮したものだとわかる。実際に水力発電を使用し、リサイクル原料を使うことで、従来製品比でCO₂排出量を約60%削減した新素材だ。

同社は同じ製品を欧州向けには「upGRADE(アップグレード)」と名付ける。環境配慮だけでなく、製品の質の良さも表すとのこと。確かに日本人としてはアップグレードと聞いただけで環境配慮を連想することは難しい。地域によって売り出し文句が異なるのは、とても興味深い。