【注目のサンプルワーク】高能率工具で削ったベースプレート/MOLDINO

MOLDINO(モルディノ、2A24)のサンプルワークは必見だ。高能率で粗加工できるエンドミル「ER5HS-PN」で、金型のベースプレートを削った。サイズは幅250mm×奥行き200mm×高さ30mm。実加工時間は従来の加工方法に比べてなんと半分の33分という。

 ER5HS-PNは外径の3倍ある刃長の側面を使って切り込むため、高能率で加工できる。営業本部営業企画部の矢野太一広報グループ長は「5枚刃で耐欠損性も高く、長時間安定して加工できる」と自信をみせる。

エアも電力も使わずにツールチェンジ/イマオコーポレーション

エンドエフェクターの自動交換のデモの様子

イマオコーポレーション(3C06)はロボット関連製品の提案に力を入れている。目玉の一つは、今年4月に発売したツールチェンジャー「SMARTSHIFT(スマートシフト) ロボットシステム」だ。メカ式のロック機構を採用しており、ロボットハンドなどの各種エンドエフェクターを交換するのにエアや電力を必要としないのが特徴。ロボットアームの水平移動だけで簡単にエンドエフェクターを交換できる。

ブースでは、ファナックの協働ロボット「CRXシリーズ」を使用して複数のエンドエフェクターを交換するデモを披露している。

会期2日目です!

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本日の天気は昨日に引き続き、晴れの予報となっております。お気をつけてお越しください。

多彩なエンドミルを一堂に展示/旭商工

旭商工(2A26)は、国内総代理店を務める台湾の工具メーカーTOTIME(トータイム)のエンドミルを展示。営業本部の白井章次本部長は「チタンやアルミなどさまざまなコーティングのエンドミルを一堂に展示した」と力強く語る。
 トータイムの全てのエンドミルを旭商工の専用ショッピングサイトから購入できる。商品パネルにはショッピングサイトにアクセスできる2次元コードも印刷されているため、展示品を見てその場で注文することができる。

バリを出さない新工具発表/不二越

不二越(2D01)は、工具「バリレスシリーズ」を会場で初公開した。バリの発生を抑えられるように、形状などを工夫したドリルとタップ、エンドミルをそろえる。
 執行役員を務める五島康工具事業部長は「バリの除去は自動化が難しく、安定した品質を維持しづらい。そこで最初からバリなく加工でき、加工能率や工具寿命にもたけた工具を開発した」と語る。12月に発売予定のバリレスシリーズを、一足先にブース内で目の当たりにできる。

[出展者の声]イージーな自動化を/ヤマザキマザック 堀部和也上席執行役員

ヤマザキマザック(1A41)の堀部和也上席執行役員

わが社のブースの見どころの一つは「自動化提案」。製造現場で働くオペレーターの数が今後減少するため、日本の製造業各社が事業を継続するには誰でも使える自動化システムが求められる。だからこそ、いかに簡単できめ細かい自動化ソリューションを提供できるかが工作機械メーカーとしての差別化ポイントになる。

MECT2023ではこうした背景を踏まえ、誰でも簡単にセットアップが可能な協働ロボットシステム「Ez LOADER(イージーローダー) シリーズ」などのさまざまな自動化システムを紹介している。

【新人記者の視点】デッキから見える景色

「MECTはとにかく歩く」と先輩から聞いていたが、想像を超えて歩いている。開催初日の今日は、準備や取材のために2万歩近く歩いた。
 今回展は、新1号館が出来てから初めてのMECT。新1号館と2号館、3号館を行き来するには、歩行者デッキを歩く必要がある(来場者の皆さまにはお足労をお掛けします……)。午前10時の開場直後は多くの人でごった返しており、さながら民族大移動のようだった。しかし、誘導員や通路を分けるポールが配置されているわけではない。自然発生的にそうなっていた。実に日本人らしい。すれ違う人々から「次は〇〇を見に行きたい」と話す声がちらほら聞こえるのが主催者側としてはうれしい。
 閉会間際にはオレンジがかった空と名港中央大橋の白い橋梁(きょうりょう)、そして海が見えた。疲れた足腰が少し癒された瞬間だった。

クーラントのろ過を実演/東洋スクリーン工業

東洋スクリーン工業(3D87)は、クーラント液のろ過装置「ファインジェクター」を出品。回収できる粒子の大きさは最小5μmまで対応。マグネットセパレーターや遠心分離機ではろ過が難しかった銅やアルミなど非磁性素材の切りくず、ぜい性材の切りくずもろ過、回収する。ブースでは実際にクーラント液をろ過するデモを見ることができる。
 今年12月にテスト販売を始める予定。

溶接や印字、検査をひとまとめ/physical photon

physical photon(フィジカルフォトン、3S01)は、「QCWファイバーレーザ発振器」と「ガルバノスキャナー溶接ヘッド」、ファイバーレーザ加工機「PLM-100M」、外観検査用のカメラ、協働ロボットを組み合わせた溶接や印字、検査の自動化システムを展示。ブースでは実際にレーザーを照射しているデモシステムを見ることができる。
 担当者は「ロボットを使うことで、溶接と印字、検査の一連の作業を自動化できる」と話す。

[出展者の声]3つの社会課題に応えるソリューション/オークマ 家城淳社長

オークマ(1D33)の家城淳社長

わが社は「『ものづくりサービス』の力で社会に貢献する」というパーパス(企業の存在意義)を掲げている。創業から今年で125年を迎えるが、お客さまが抱える課題に対するソリューションをその時々のニーズに沿った形で提供してきた。現在の製造業は自動化・省人化、脱炭素化、デジタル活用の3つの社会課題に直面しており、わが社はこれら3つの社会課題に応えるソリューションをMECT2023で提案している。

MECT2023は初日から大勢の来場者でにぎわいを見せた。来場者の興味関心がどこまで実需につながるか、今後に期待したい。