【注目のサンプルワーク】MECTに美術館/安田工業

安田工業(1A34)が5軸マシニングセンタで削り出した彫像を3体展示し、ちょっとした美術館と化している。著名な「ミロのビーナス」「サモトラケのニケ」「自由の女神」の3体だ。同社が海外での展示会向けに製作したもの。国内外で来場者に「刺さる」ポイントが違うのも興味深い。

ここでクイズを2つ。

①「ミロのビーナス」と「サモトラケのニケ」を所蔵する美術館はどこ?

②「自由の女神」の制作者は誰でしょう?

 

答え

①ルーブル美術館

②フレデリク・バルトルディ

豊富なラインアップを触って体感/ハイウィン

ハイウィン(3C01)は、垂直6軸多関節ロボット「RA610-GCシリーズ」と工作機械を組み合わせた自動化システムや、センサー搭載で稼働状況を可視化するボールねじ「i4.0BS」などを出品。

ブース内には、リニアガイドやボールねじを実際に触れる体験コーナーも用意している。「リニアガイドとボールねじは全ラインアップの8割を展示している。来場者にラインアップの豊富さを知ってもらいたい」と担当者は語る。

大径ボーリングヘッドが新登場/大昭和精機

大昭和精機(2D08)は、防振機構を持つボーリングヘッド「スマートダンパー」シリーズの新製品を出展する。最大で直径270mmまで対応する大径タイプだ。BIG DAISHOWA Japanの西野秀哉社長は「造船や建設機械、エネルギー関連などで予想以上の引き合いがある」と話す。

安全柵のドアロックで事故を防ぐ/SATECH

SATECH(サーテック、3D77)は安全柵メーカーで、イタリアに本社を置く。ブースでは安全柵のドアロック「D-FenceLock(ディフェンスロック)」を披露している。内蔵の安全スイッチと柵の内側の機械を連携させると、ドアが閉まっていないと機械を動かせないようにできる。

 担当者は「現場で使いやすいように安全柵をカスタマイズできるので、現場の使用環境を含めてご相談いただければ」と話す。

穴底面まで高精度に仕上げ/ライノス

機械工具商社のライノス(2C17)は、同社が開発した「ボトムドリルリーマー」を展示している。止まり穴を高精度に加工できるのが特徴で、特に底面の隅部を良好に仕上げられる。鋳鉄やステンレスなどの加工に向く。 

 濱口康裕課長は「再研磨とコーティングもでき経済的。ブースにはサンプルワークも置き、穴加工の精度の高さを紹介している」と語る。

主軸の片方が機外にある2主軸NC旋盤/シマダマシンツール

シマダマシンツール(旧嶋田鉄工所、1C23)は2主軸1タレットNC旋盤「2SI-8 Mk-Ⅱ(マークツー)」を出展している。2つの主軸のうち片方は機外にあるため、片方の主軸でワークを加工する間に、機外側の主軸のワーク脱着や洗浄、エアブローなどが可能だ。ロボットと組み合わせて機外作業をさせれば、生産性を大幅に高められる。島田雅宏社長は「手作業でワーク脱着をしているNC旋盤ユーザーが主なターゲット。当機をロボット付きで導入すれば人手不足に対応できる上、生産性も高められる」と強調する。

試作用の小型加工機/津田駒工業

津田駒工業(3C21)は円テーブルメーカーとして知られるが、MECT2023で披露した小型加工機「MDP-0002」も注目を集めている。ナカニシ(3B32)製の最高3万回転の高速スピンドルを搭載した3軸仕様の加工機で、各軸のストロークはX軸が260mm、Y軸が260mm、Z軸が160mmだ。開発担当者は「100V電源で駆動するのが大きな特徴。金属3Dプリンターで造形したワークの後加工や、開発品の試作などに向く」と話す。

ミストコレクターを省エネ化/葵精工

葵精工(3C30)はミストコレクターの省エネルギー化を実現する制御ユニットを提案している。既存のミストコレクターに後付けが可能で、クーラントポンプの稼働状況を基にミストコレクターの動作を制御する。クーラントポンプが稼働していない、つまり加工をしていない時間はミストコレクターの動作を停止できるため、大幅な省エネルギー化を実現できる。営業部の纐纈哲生次長は「ミストコレクターに特化した省エネ制御ユニットは珍しく、初日から大きな反響があった」と手応えを語る。

直感的に取り扱えるケーブル保護管/イグス

ドイツの樹脂部品メーカー、イグスの日本法人(3B46)は工作機械用のケーブル保護管「エナジーチェーン E4Qシリーズ」を出展している。工具レスで簡単に取り付けられるのが特徴で、e-chain systems(イーチェーンシステムズ)営業部の後藤孝将部長は「取り付け方法をわざわざ説明しなくても、誰でも直感的に取り扱える」と話す。

自動測定システムをパッケージ化/ミツトヨ

ミツトヨ(3B05)は、測定の自動化システムをパッケージにした「Mi-BOT e-system(マイボットイーシステム)」でデモを実演している。協働ロボットがラックから測定対象物を運び、同社の3次元測定機「MiSTAR(マイスター)555」で測定する。

 マーケティング課の白井太朗副主査は「展示のシステムは生産現場で運用する1つの例。現場に合わせてロボットの動作のプログラミングやジグの選定などもわが社で担うため、測定の自動化に興味のある来場者から要望を聞きたい」と語る。