油圧ツールホルダーのローコストモデル/シュンク・ジャパン

シュンク・ジャパン(2C32)は、油圧ツールホルダー「TENDO Silver(テンドーシルバー)」を出展している。ねじを締めるだけで工具を簡単に取り付けられるうえに、振れ精度は3μm以下を誇る。

 担当者は「従来製品は、コスト面から手が出しづらいとの声もあった。テンドーシルバーはラインアップを限定することで生産コストを抑えており、精度は変わらない。コレットチャック式のホルダーからの置き換えを考えているユーザーに提案したい」と語る。

ケレ装着も自動で/松本機械工業

松本機械工業(3C22)は円筒研削盤向けの自動化提案に力を入れている。その一環で、両センター加工の研削ワークに自動でケレ(回し金)を装着する専用装置を出展した。自社製のパッケージ仕様のロボットシステム「Smart Terrace(スマートテラス) AIO」と組み合わせれば、ケレの着脱からワークの着脱まで自動化できる。あらかじめ複数のサイズのケレを用意すれば、径違いのワークでもケレの自動装着が可能だ。桑本正信営業本部長は「従来はケレを手作業で装着していたが、両センター加工においても自動化ニーズが高かったため、ケレ自動装着装置を開発した」と述べる。

初の異形工具を公開/日進工具

日進工具(2B17)は、12月に発売予定の3枚刃エンドミル「MLFH330」を初公開した。底刃形状が大きい異形工具で、曲面や緩やかな斜面を高効率で加工できる。焼き入れ鋼などの高硬度材の加工に向く。

 営業企画課の楠山峰伸課長は「5軸加工機でも生産性をより高められる。わが社では初の異形工具で、現場で導入する上での意見や質問をいただければ」と話す。

【注目のサンプルワーク】加工技術をフル活用したダストボックス/トルンプ

一見するとただのごみ箱に見えるが、トルンプ(1D11)のベンディングマシン「TruBend Center(トルベンドセンター) 7020」の加工技術を最大限に活用して作ったサンプルワークだ。同製品は複雑形状の曲げ加工を実現する加工機で、4方向からそれぞれ350mmの高さまで曲げられる。

 プレスブレーキ課の黒木亮チームリーダーは「ヘミング曲げ加工した部分をさらにR曲げ加工するなど、自由度が高い。ブースで1時間に1回ほどの頻度で、ダストボックスなどのデモ加工を実演している」と説明する。

【今更聞けない?】高精度微細加工ってつまり/碌々スマートテクノロジー

微細加工とは、金属や樹脂などに非常に細かい加工を行うことの総称だ。その細かさや精度に明確な基準はないが、微細加工は非常に高い精度が求められる特別な加工であり、専用のマシニングセンタやレーザ加工機が求められる。

碌々スマートテクノロジー(1A34、コンセプトゾーン)はそんな微細加工を極める企業だ。その特別さゆえに担当者が「工作機械業界のルイ・ヴィトン」だと語る同社の高精度微細加工機は、0.5mmのシャープペンシルの芯にも難なく穴をあける。同社ブースやコンセプトゾーンに足を運び、そのスゴさを確かめてほしい。

「世界最小」のプローブ/レニショー

レニショー(3A02)は直径が24mm、長さが31.4mmしかない無線信号伝達式プローブ「RMP24-micro(マイクロ)」を国内初披露した。欧州市場向けには今年9月にドイツで開催された工作機械見本市「EMOハノーバー2023」で一足先に展示しており、今回のMECTで日本市場向けに大々的に発表した格好だ。担当者は「工作機械用プローブの中では世界最小。日本ではどういう風に受け入れられるかを今回のMECTで確認したい」と語る。

【新人記者の視点】大きなものから小さなものまで

プシュッ!という音の先に見えるのは?

MECTの会場には人の背丈の倍ほどの高さのある大型のマシニングセンタから、微細加工用の小さな工具まで多種多様な大きさの製品がブースに並ぶ。

第3展示館で見つけたのは金属加工油などを製造、販売するサンワケミカル(3D35)の展示。切削油の従来品とオイルミスト対策品をクリアケースの内部に吹き付けていた。差は一目瞭然。油の粒子を大きくし油の落下速度を早めることでミストが軽減され、ケース内部がクリアに見えるそう。

会場内で液体の粒子の大きさまでこだわったものが見らるとは思わず、うれしい発見だった。

油圧機器向けのカッターを出品/丸一切削工具

丸一切削工具(2D21)は、プライベートブランド「THE CUT(ザ・カット)」の製品を多数出品。中でも目玉は油圧機器のOリング部分の加工に向く刃先交換式カッター「MSSCシート面カッター」。
 担当者は「MSSCシートカッター1本で、ねじのシート面加工やR面加工、座ぐり加工ができ、工具の集約ができる」と語る。

SNSキャンペーン開催中!

現在、月刊生産財マーケティングとMECTのコラボレーション企画「メカトロテックジャパン2023応援キャンペーン」を実施しています!

 月刊生産財マーケティング(生マ)の公式X(旧Twitter)アカウント(@seima_official)をフォローし、「#MECTde生マ」とつけて、会場内で配布している生マ10月号またはお試し版の写真を投稿された方の中から、抽選で20名の方にオリジナル図書カード1000円分をプレゼントします。キャンペーン期間は21日までです。
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最新5軸MCをお披露目/ニデックマシンツール、ニデックオーケーケー

ニデックマシンツール(1A17)とニデックオーケーケー(1A18)は、「One Nidec(ワンニデック)」をテーマに、ブースの垣根をなくして出展する。ニデックオーケーケーはMECT2023の開催に合わせて発売を発表した立形5軸マシニングセンタ(MC)「VB-X350」を展示会に初出品。既存機種「VB-X650」も出品する。担当者は「当社が5軸MCの開発にも力を入れていることを来場者にも知ってほしい」と語る。

 ニデックマシンツールは門形MC「MV-BxⅡ」を出品。担当者は「機械のフレーム部分はニデックオーケーケーの5軸MCの技術を使っている」と2社の技術の融合を強調する。