機上測定も工程内計測も一連で自動化

MECT2021でのレニショーの展示

レニショー(2D20)は、小型MCへのワーク供給から加工前のワークの位置検出、加工後の機上測定、搬出後の工程内計測を一連にしたロボットシステムを展示した。

特に機上測定では、一般的な接触した位置の測定だけでなく、ワークに沿わせて測る「倣い測定」もできる。連続した計測データを取得でき、変位量の推移も簡単に分かる。

ねじ穴検査のツール交換時間短縮/サンゲン

サンゲン(1C25)は、米国NewVista(ニュービスタ)の総代理店として同社のゲージ式ねじ検査ユニットをPRする。今回展では、位置ずれを吸収するフローティング機構などを備えたコンパクトな「ロボット専用ユニットRTU」を展示した。「2年前のMECTでも展示したが、今回展ではツールチェンジにかかる時間を4~5秒から2秒に短縮できる新バージョンを初披露している」と特機開発部の土岡直樹部長は話す。

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自作ロボット使った最新サービス/テクノ21グループ

ロボット工場受託サービスを大々的にPR

テクノ21グループ(1A28)は、自作ロボットを使った生産受託サービス「ロボット工場受託サービス」のPRに注力する。自作ロボットの開発からラインの構築、製品の生産までを同社が一手に引き受け、顧客の生産を代行するサービスだ。顧客は製品の生産にかかった工賃だけを支払えばよく、ロボットシステムの導入に伴う初期費用や設置スペースは不要。自社工場にロボットを導入してなくても気軽に自動化を実現できる新しいサービスとして、同社は動画などを交えながら紹介している。
 今年9月には、同サービスのモデル工場として鹿児島県霧島市に「鹿児島溝辺工場」を稼働した。上村照樹社長は「『こういうサービスがあるのか』と驚く来場者も多く、反響があった」と話す。

2台を一体化したMC披露/メクトロン

ツインMC「MTW-T360」

メクトロン(3B10)は、主軸テーパーBT30番のツインマシニングセンタ(MC)「MTW-T360」を初披露した。BT30番の小型MC2台を一体化し、搬送用のローダーも内蔵した。単体機2台を連結させたラインと比べ、大幅な省スペース化を実現した。同一部品を2つ同時に加工したり、第一工程と第二工程に分割して加工したりと、多様な使い方ができるのが特徴だ。「コンパクトさと生産性を両立した。多くの人が興味を示してくれた」と営業担当者は語る。

アルミ架台の天つり仕様が登場!/エヌアイシ・オートテック

アルミ製架台メーカーのエヌアイシ・オートテック(1A11)は、天つり用のロボット架台を中部圏で初公開した。天つりでロボットを動かすと振動などが発生しやすいが、フレームや補強材の配置を研究することでこの課題を解消した。「天つり用の架台があることを知ってもらえれば、ロボット導入を検討する際のアイデアの幅を広げられる」と営業部の川田博永AF営業グループ長は言う。

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ロボットシステムに現場ニーズを反映/近藤製作所

近藤製作所(1A33)は、ロボットとワークストッカーを一体化した「ロボキット」を展示する。工作機械を簡単に自動化できる製品で、土日の2日間あればセットアップが完了する。以前から販売してきた製品だが、今回展ではその改良版を発表した。例えば、ストッカーとロボット架台を締結するロックを外すとロボット架台部分だけ動かせるため、切削工具の交換などがしやすい。「他にも、保全作業時の照明などに使える100V電源や、作業工具を収納するツール収納棚など、現場のニーズに即した機能を備えている」と橋本和樹取締役は言う。

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「機ロボ一体」の新製品アピール/エグロ

ロボットを搭載した小型CNC旋盤「NUCROBO-101C」

エグロ(3A10)は、工作機械とロボットを一体化した「機ロボ一体」の小型CNC旋盤の新製品「NUCROBO(ナックロボ)-101C」を展示した。主軸側の上部にロボットとワークストッカーを設置してフロアスペースを大幅に抑えたが、従来機よりもX軸ストロークを増やした。「ロボットシステムを導入するには安全柵などの設置スペースも必要だが、当機なら機械寸法分のスペースでワークの脱着を自動化できる」と営業担当者は強調する。

機内ロボで爪交換も自動化/中村留精密工業

新開発の機内ロボット「Flex Arm」を搭載した複合加工機「WY-150」

中村留精密工業(3B13)は3台の複合加工機を出展した。目玉は初披露の機内ロボット「Flex Arm(フレックスアーム)」で、2スピンドル2タレットの複合加工機「WY-150」に搭載して展示した。
 フレックスアームはワークの着脱やチャックの爪交換などが自動化できる機内ロボット。多品種少量のワークの自動化にも柔軟に対応できるのが特徴だ。「自動化ニーズは非常に高まっている。フレックスアームへの注目度は高く、『こんな製品があるのか』との声も聞かれた」と中村匠吾専務は話す。

[注目の初出展企業]配膳ロボットが工場内物流にも/三機

ネコ型の配膳ロボットに注目集まる

MECT2021に初出展した三機(1A18)は、今年7月から取り扱いを始めた中国のPUDU ROBOTICS(プードゥーロボティクス)の配膳ロボットを披露した。
 自律走行型の搬送ロボットで、ネコの顔を模したタッチパネルが特徴的だ。FA営業部RB企画課の吉田勝彦課長は「エンターテインメント性が高く、本来は飲食店などでの配膳や案内に使うロボットだが、意外にも工場内物流のニーズが高いことが分かった」と手応えを語る。

変種変量生産の需要増に応じる/FUJI

ガントリーロボット付きの複合加工機「 GYROFLEX T4000」

FUJI(3B12)は「変種変量生産と自動化」をテーマに、ワークを搬送するガントリーロボットを標準搭載した複合加工機「GYROFLEX(ジャイロフレックス)T4000」を披露した。今年4月発売したばかりで、展示会で披露するのは初めて。自動車業界の変種変量生産の需要増を受けて開発した。

最大回転速度が毎分4000回のワーク主軸を2つの加工室にそれぞれ搭載し、同時に加工できる。15本の工具が取り付けられるタレットも左右に配置した他、機械上部にも最大40本の工具を収納できる工具マガジンを搭載し、多様な加工を実現する。担当者は「変種変量生産に対応できる弊社初の複合加工機をアピールしたい」と話した。