トップセミナーで学生ら懇親盛大に
MECT2023の学生限定セミナー「工作機械トップセミナー」(主催=日本工作機械工業会〈日工会〉)が 10月21日から開催されている。
初日はMECT2023の会場視察と懇親パーティーが開かれた。懇親パーティーには、全国から316人の学生や大学の教員と工作機械メーカーの人事担当者が参加した。柚原一夫専務理事は冒頭に「工作機械は日本の製造業の根幹を担う。工作機械メーカーの担当者と意見交換をしながら、業界の魅力を感じてほしい」とあいさつした。
公式メディア3媒体の記者が、
「MECT特派員」として会場から速報します。
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MECT2023の学生限定セミナー「工作機械トップセミナー」(主催=日本工作機械工業会〈日工会〉)が 10月21日から開催されている。
初日はMECT2023の会場視察と懇親パーティーが開かれた。懇親パーティーには、全国から316人の学生や大学の教員と工作機械メーカーの人事担当者が参加した。柚原一夫専務理事は冒頭に「工作機械は日本の製造業の根幹を担う。工作機械メーカーの担当者と意見交換をしながら、業界の魅力を感じてほしい」とあいさつした。
スイスに本社があるスチューダ(1A40)は、機械の名前をドイツ語から英語、英語から日本語へと訳すことが多い。今回出展している「CNC複合円筒研削盤 favorit(フェーバリット)CNC」の英語名は「CNC Universal Cylindrical Grinding Machine favoritCNC」。同社は「universal(ユニバーサル、万能の、普遍的な)」という部分を「複合」と訳す。
工作機械関連での「複合」は「multitasking(マルチタスキング)」と英訳されることが多く、「universal=複合」は見慣れない。担当者は、日本市場に向けてこだわりを持って「複合」と和訳したと話す。あなたならどう訳す?
三和ロボティクス(3D29)はロボットでワークを自動交換する「マシンローディングシステムNEXSRT(ネクサ―ト)」の「バイスチェンジャー V16」を展示している。
ワークをバイスごと工作機械に付け替えて加工するのが特徴。ワークだけを交換する場合は同じバイスで固定できるワークしか加工できないが、「バイスごと付け替えることで多品種少量加工の自動化を実現できる」と担当者は語る。
中央工機(3D06)は、工作機械などで部品加工をした後の組み立て工程の自動化を提案する。まず写真左のロボットアームがばら積みされたねじをピッキングしてジグに立て、自律走行型搬送ロボット(AMR)が写真右のロボットの元へ運び、そのロボットがねじをつかんで締結する。左右のロボットは、それぞれに搭載するビジョンセンサーでAMRの停止位置のずれを補正する。
同社はロボットなど自動化システムの提案に力を入れており、内賀嶋祐亮営業企画課長は「ロボットやビジョンセンサー、AMR、ジグに至るまでワンストップで用意できるのが強み」と話す。
ニコンソリューションズ(3B02)のブースには、3Dプリンター「Lasermeister(レーザーマイスター)100A」シリーズで造形したさまざまなワークが並ぶ。同製品は指向性エネルギー堆積(DED)方式を採用する。また回転テーブルを搭載し、5軸制御で造形できる機種もある。
担当者は「大型のワークを、高精度に造形できるのが強み。ブースにはインペラ部品のサンプルワークなどを展示しており、3Dプリンターの活用方法を提案したい」と語る。
機械の実機だけでなく、機械を精巧に模したミニチュアも来場者の目を引く。
ヤマザキマザック(1A41)は、レゴブロック約3900個で作られた複合加工機「INTEGREX i-250H」のミニチュアを展示。制御盤の形状や機械の内部も忠実に再現した。
トーヨーエイテック(1C08)は、歯車研削盤「TGG-26-2W」と立形複合研削盤「TVG-20C-2S」、産業用ロボットを組み合わせた歯車加工ラインの模型を展示。前回展では立形複合研削盤「TVG-40S」のミニチュア模型を展示しており、同社のミニチュア模型展示は恒例になりつつある。
日研工作所(2D18)は「ONE STOP SOLUTION(ワン・ストップ・ソリューション)」をテーマに、ツーリングや円テーブル、リーマー、ツールプリセッターなど同社が製造、販売する製品を幅広く展示する。長濱明治社長は「小さな改善や投資で大きな成果を得られるソリューションの数々を用意した。ぜひお困りごとを相談いただきたい」と力を込める。
京セラ(2A35)はPVD(物理蒸着)コーティングの「PR18」シリーズとCVD(化学蒸着)コーティングの「CA115P/CA125P」の、2つの新製品を前面に押し出して展示する。CA115P/CA125Pは、加工時間4分時点から24分時点までの切りくずも展示。切りくずの形状がほとんど変化しない耐久性をPRする。
小楠金属工業所(3B10)は、研削盤用のクーラントタンク「2槽渦流循環型クーラント浄化装置」を出展している。タンク内に渦を作り、スラッジなどの堆積を防ぐ。液中の金属粉は磁石で回収し、砥粒(とりゅう)はクーラントを遠心分離して除去する。
技術部開発課の綿脱努班長は「ポンプでタンクの底から吸い上げ、ろ過した液体を戻して水流を作る。攪拌(かくはん)用のスクリューなどを搭載しておらず、省エネルギーを実現する。ブースでは、液中のプラスチック片を除去するデモを披露している」と説明する。
ロームヘルド・ハルダー(3C40)は、ドイツでジグなどを製造するハルダーのつり具「リフティングピン」を出展している。通常のつり具はねじを締めて使うが、同製品は上部のボタンを押すだけで着脱できる。
担当者は「着脱が簡単なため、金型などのワーク交換が頻繁にある生産現場で段取り時間を短縮できる。来場者に非常に興味を持っていただけている」と手応えを話す。